E-PL2ファーストインプレッション(操作・機能編)

投稿日:2012年8月19日 更新日:

デジタルカメラ


E-PL2 + M.ZUIKO Digital 14-42mmF3.5-5.6IIレンズキット(シャンパンゴールド)

E-PL2を購入して2週間経過した。まだ画質について云々できるほど枚数を撮ってないので、今回はファーストインプレッションとして操作感などについて述べてみたいと思う。


今回購入したのはM.ZUIKO Digital 14-42mmF3.5-5.6IIが同梱されたレンズキットである。色はシャンパンゴールド。本当はブラックが欲しかったのだが、標準レンズキットはシャンパンゴールドしか用意されていない。ダブルズームキットになると9,000円ほど高くなり、ブラックは在庫が少ないためさらに割高になる。前も述べたように、自分は14-42mmさえあれば95%の写真は撮れる。望遠はなくても困らないし、差額でマウントアダプターでも買った方がよいと考えた。ダブルズームキットに同梱される40-150mmF4-5.6は基本的にフォーサーズ版と同じものであり、E-PL1の頃はまだ望遠ズームがなかったので、フォーサーズアダプターと合わせてセットになっていたくらいだ。いずれフォーサーズアダプターも購入する予定だから、フォーサーズ用の望遠ズームが流用できる。またボディー単体ならほぼ同価格でブラックも出ていたが、マイクロフォーサーズ用のレンズは1本も持ってないので、レンズがないことにはどうにもならない。レンズも別に買えば結構な値段がするので、レンズが実質タダというのは大きい。というわけで、ブラックボディーはあきらめて標準レンズキットを購入したのである。まあ黒いカメラばっかりも面白くないので、これはこれで悪くはない。


まず外観だが、マイクロフォーサーズ機としては大柄な部類に入り、最近のGX1やE-PL3に比べると厚みがかなりある。しかし、このくらい厚みがあった方が構えたとき安定するし、しっかりしたグリップも付いているのでなおさらだ。マウント上部に余裕があって、ボディーの背が高いのも特徴だが、この一見無駄に見えるスペースこそがレンズとのバランスをよく見せている。大きなレンズを付けても見栄えが悪くならないところがいい。たぶんこのスペースは内蔵ストロボやアクセサリーポートのために使われているのだと思う。上面の右側を切り下げたデザインも秀逸で、PEN Liteシリーズでは最も良いデザインだと思う。

重さの方は、14-42mmズームとバッテリーとSDカードを入れた実使用状態で実測するとジャスト500gであった。ちなみにE-620に14-42mmを付けた状態では実測790gであった。この差は大きい。このくらいの重さなら肩から提げていてもほとんどカメラの存在を意識することはない。やはり軽いカメラはありがたい。一度自転車にも載せてみたが、フロントバッグへの収まりもとても良い。E-620ならボディー側を下にしてレンズを上に向けないと入らなかったが、E-PL2は普通に置いた状態で余裕で入る。他の荷物を入れるスペースも十分にある。やはり一眼レフに比べてスクエアな形状は収まりがよい。こうなるとカメラを持ってのサイクリングも楽しくなるだろう。


背面の操作部。E-PL1sからの進化点として、コントロールダイヤルが装備されたことが大きい。E-P3のように2ダイヤル式ではないが、ダイヤルがあるのとないのとでは大違いである。ただし、いろんな人が指摘しているように、このダイヤルの操作感は良くない。回転トルクが少し重いため、ダイヤルが滑って回しにくい。かといって変に力を入れると十字キーを誤って押してしまうことになる。微妙な力加減が要求される。ダイヤルの径がもう少し大きいと回しやすいのだが・・。まあこれはE-PL2に限らずどの機種も同じようだから慣れるしかない。

僕は普段絞り優先モードで使っているが、デフォルトの状態ではダイヤルを回すと絞りの変更になる。しかし絞りよりも露出補正の方が頻繁に動かすので、その場合はデフォルトで露出補正になるようにカスタマイズできる。これは大変使い勝手がよい。オリンパスのカメラはエントリー機であってもこういうカスタマイズ機能が充実していることが特徴だ。他にも十字キーの右と下だけ別の目的に割り当てることもできる。僕は右ボタン(通常はストロボモード)をISOに割り当て、下ボタン(通常は連写モード)をホワイトバランスに割り当てている。当然、もともとの機能は使えなくなるが、それはOKボタンを押して表示されるメニュー(オリンパスではライブコントロールと呼んでいる)から設定できるので、それで問題はない。

E-620に比べると専用のボタンが少ない分、メニューに入る頻度が高くなり、操作性が悪くなるのは仕方がない。それはコンパクトさとのトレードオフと考えられる。しかしE-PL2はボタンのレイアウトがよく考えられていて、ストロボのポップアップ以外はすべて右手で操作できるようになっているところが美点である。E-PL3だとこうはいかない。ボディーの小ささを優先するあまり、意味不明なレイアウトになってしまった。E-620にない点としては、拡大ボタンを押すと拡大枠が表示されるのは便利だ。もう一度押すと拡大され、長押しすると元に戻る。これは画面の端の方でピントを合わせたい場合や、ピンポイントで正確に合わせたい場合に重宝する。もちろんマウントアダプターを使ってMFを行う場合にも威力を発揮する。またMFアシストという機能をONにすると、フォーカスリングを回すと自動的に拡大表示になるのはMF時にとても便利だ。これもE-620にはなかった点。ただし、当然ながらマウントアダプターを介したMFレンズでは機能しないので注意。

このMFアシスト機能をONにした場合、ちょっと気になることがあった。自分はこれまでS-AF+MFのモードを使っていたのだが、その場合、ズーミング時などにフォーカスリングにちょっとでも触れると勝手に拡大表示されてしまい、それが煩わしい。そこで仕方なくMFなしのS-AFモードを使うことにした。ただその場合はMFに切り替えるためにいちいちメニューに入らなければならないのが面倒だ。これをどうにかしたいと思って、FnボタンにMF切替を割り当てることにした。これならワンプッシュでAFとMFを切り替えられるのですこぶる便利である。Fnボタンにどの機能を割り当てるか結構悩んでしまうが、MF切替を割り当てるのが一番有用だと思う。

ちなみに動画撮影ボタンにはAEロックを割り当てた。自分は露出補正よりAEロックを多用する。その方が楽だからだ。このボタンは親指で一番押しやすい位置にあり、きわめて使いやすい。このボタンも指が触れやすく、勝手に動画が撮影されてしまうと不評であるが、それなら他の機能に割り当ててしまった方がよい。だいだい僕はレンズ交換式カメラに動画は必要ないと思っている。動画を撮るなら高倍率ズームの付いたコンデジの方がよっぽど使い勝手が良いからだ。しかしD90が余計なことをしてくれたために、一応動画を付けないと売れなくなってしまった。この右へならえ的な体質はどうにかならないものか・・。E-PL2の動画は1280x720pでしか撮れないし、AVI形式だからバカみたいに容量を喰う。ほんとにオマケと思った方がよい。なお動画撮影ボタンに他の機能を割り当てても、モードダイヤルを動画モードにしてシャッターボタンを押せば動画は撮影できるので心配はいらない。僕はその方が好きだ。

AFについては遅い遅いと言われていたが、実際使ってみると全然そんなことはなかった。それは最新のE-P3などと比べるから遅く感じるのであって、単独で見れば必要にして十分な速度である。ほとんどシャッターボタンを押した瞬間にピントが合うと言ってもよい。さすがに無限遠から至近距離のような極端なケースではひと呼吸置くような感じになるが、それ以外はほとんど一瞬である。一般的なコンデジと比べても断然速い。E-620のライブビューと比べると桁違いの速さだ。これ以上望んでどうするのだろうかと思う。通常のフォーカスエリアは11点で端の方までカバーしていないのが残念であるが、自分は中央一点しか使わない主義なので別に支障はない。ただしフォーカスエリアが大きいので、ピンポイントで正確に合わせたい場合は拡大枠AFを利用するのがよい。E-620のライブビューとは違って、拡大しない状態でもAFが効くので便利である。なおE-PL2に限ったことではなく、コントラスト検出式AFに共通して見られる現象だが、近いものと遠いものが混在しているシーンでは背景にフォーカスが行ってしまってイライラすることになる。位相差検出式のE-620では絶対起こらない現象なので、これはあきらめるしかない。その場合は素直にMFに切り替えた方がいいだろう。

あと液晶の見やすさだが、サイズが3インチになって解像度が46万ドットになったので、従来機種より精細感は大幅にアップしている。E-620では難しいピントのチェックもやりやすかった。一眼レフと違って露出がリアルタイムに確認できる点はミラーレス機の大きな利点である。一眼レフでは基本的に露出は勘で決めるしかないので、一度撮って再生確認後、失敗していたらまた撮り直す必要があった。撮影前に確認できればそんなことはしなくて済む。ただ晴天屋外での見にくさはいかんともしがたい。正確なフレーミングなど不可能に近いと思われる。もっともこれはコンデジでも同じだから、そういうものと思って割り切るしかないだろう。外付けのEVFもあるが、カメラ本体より高価であるし、わざわざ大きくして使いたくないので、購入する予定はない。EVFにこだわるなら、結局OM-Dということになるのだろう。ファインダーの見やすさを優先するならE-620という選択肢があるのだから、そこまでこだわる必要はない。ミラーレスはコンデジ感覚で使うカメラだと思っている。

というわけで簡単なインプレッションだったが、E-PL2はなかなか使えると思った。これまでミラーレスなんてバカにしていたが、これはこれで結構便利なのである。何と言ってもこのサイズならどこへでも持って行けるし、これまでコンデジに頼っていたところのかなりの部分が置き換えられる可能性がある。それでいて画質はコンデジとは格が違う。レンズ交換式デジタルカメラにとって、ミラーレスとは合理的なシステムなのだと感じた次第である。これはひょっとするとE-620のお株を奪ってしまうくらい使い倒すことになるかもしれない。

なお、キットレンズのM.ZD 14-42mmF3.5-5.6IIについては単独でレビューしてみたいと思う。

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