SIGMA 19mmF2.8EX DNは凄い

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E-PL2 / SIGMA 19mmF2.8EX DN ISO200 f2.8 1/4000s(クリックで等倍表示)

ネタがないのでまたマイクロフォーサーズのお話。D7000を導入してからE-620が引退となり、E-PL2が代わってサブ機の座に着いた。もともと広角が足りない分をカバーすることが目的ではあるが、下手をするとこっちがメインになりかねない実力を秘めている。D7000のサブという意味ではキャラが被るE-620よりも、さらにコンパクトなE-PL2の方が向いているのは当然なのだが、それ以外にもE-PL2の方が画質が良いという事情がある。もともと両者は同じパナソニック製センサーを搭載しているから描写性は同じはずなのだが、実際にはかなり異なる。E-620はどうも発色に独特のクセがあって、なかなかスッキリした絵にならないのだが、E-PL2は発色が素直で扱いやすい。特に青空の抜けの良さが全然違う気がする。いわゆるオリンパスブルーをE-620で出すのは難しい。また高感度もE-PL2の方が若干良好で、2/3段くらいは上を行っていると思う。E-620だとISO200でも暗部のノイズが気になったり、変な色被りが気になることがあるが、E-PL2ではそういうことは全くない。解像感にしてもE-PL2の方がローパスフィルターが薄いと言われているから、明らかに高い解像感が得られている。


センサーが同じでも描写にこのくらい差があるということは、画像処理エンジンの進化によるところが大きいのだろう。E-620の画像処理エンジンはTruePic III+、E-PL2はTruePic Vを採用している。約2年間の進化は確実にあると思う。フォーサーズはもはや後継が出ないのだからどうしようもない。たしかにE-PL2は操作性がコンデジそのものだから使っていてまったく楽しくないのだが、それでも画質を考えるとE-PL2を手に取らざるを得ない事情がある。

それに加えて、マイクロフォーサーズには優秀なレンズが存在するということも見逃せない。もちろんフォーサーズの方がより立派なレンズが存在することは確かだが、それは大きくて高価という難点がある。それに比べてマイクロフォーサーズでは、小型でリーズナブルな価格の高性能レンズが手に入ることが大きな魅力だ。とりわけ広角系の単焦点レンズはフォーサーズでは皆無であり、マイクロフォーサーズの独擅場となっている。その代表格がここで紹介するシグマの19mmF2.8EX DNだ。もともとAPS-C用に開発されたレンズだが、マイクロフォーサーズでは38mm相当の準広角となる。自分は35mm近辺の画角が好きなので、これは常用レンズとして非常に使いやすい。

そしてこの描写性能がまた素晴らしいのだ。これまであまり開放で撮ったことがなかったのだが、一度開放からf11まで1段ごとに描写テストをしてみた。その結果、驚くべきことに開放から描写がまったく変わらないことを発見した。冒頭の写真は開放のf2.8で撮影したものだが、画面の隅々まで崩れがなく、非常に良く解像している。遠景であれば絞っていっても描写が変わらないのだ。逆に言えば開放の描写がそれだけ凄いということである。もともとAPS-C用に設計されたものだから当然ともいえるが、APS-Cでこれほど良く写るレンズは見たことがない。たいてい開放は使い物にならず、最低1段、できれば2段絞らないと満足のいく描写にはならない。これも小型フォーマットの恩恵といえるだろう。マイクロフォーサーズは高感度に弱いとさんざん叩かれてきたが、開放から使えるレンズの優秀さと被写界深度を1段分稼げることを考慮に入れれば、すでに2段分のアドバンテージがあり、高感度に弱いデメリットは相殺される理屈になる。そして最新のソニーセンサー搭載機では高感度もAPS-Cに並んだのだから、もはや鬼に金棒である。

この性能でたったの9720円である。(笑)

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