PENTAX K-3 実写レビュー1

投稿日:2013年12月30日 更新日:

デジタルカメラ

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K-3 / smc DA 18-135mmF3.5-5.6ED 18mm f7.1 ISO100

※K-3はリコーイメージングのモニターキャンペーンでお借りしているものです。

このところ天候が不安定でなかなか撮影に出られなかった。今日も雲は多いものの、時折日も差してまずまずの撮影日和になった。やっとまともに外で撮影できた次第である。撮影しながら感じたことなどを少し・・


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K-3 / smc DA 18-135mmF3.5-5.6ED 24mm f7.1 ISO100

この前PEFで撮影してしまって大失敗したので、今度はすべてDNGで撮影した。現像はLightroom4で行っているので、カメラ本体の絵とは少々異なる。解像感を最大限に引き出すためにはどうしてもこうする必要があるのだ。それでK-3の絵を見た第一印象だが、すでにK-30の絵を見慣れているせいか、ローパスフィルターレスの凄さみたいなものは特に感じなかった。まあ想定の範囲内だ。

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K-3 / smc DA 18-135mmF3.5-5.6ED 31mm f7.1 ISO100

それより気になるのはレンズの解像力の方だ。18-135mmはPhotozoneのレビューでは酷評されており、評価は決して高くない。またK-30キットレンズの18-55mmが2400万画素に耐えられる実力を持つのかも興味のあるところである。そこでこの2本を同じ条件で比較してみた。

こういう実験では像倍率の低い広角側で行うのが適している。なぜなら画素数が増えた分、より細部まで解像することができ、レンズの解像力が負けていないかどうかを判定できるからだ。望遠側で比較すると目の錯覚で解像感が高く見えてしまうから意味がない。そこで広角端の18mmで比較した。また絞りはレンズの収差を考慮し、最も描写が良くなるであろうf6.3に設定した。

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K-3 / smc DA 18-135mmF3.5-5.6ED 18mm f6.3 ISO100

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K-3 / smc DAL 18-55mmF3.5-5.6AL 18mm f6.3 ISO100

これが全体画像だが、よく見ると画角が少しというか、かなり違うことに気づく。18-55mmの方が明らかに広い。もちろん歪曲補正はかけていない。おそらく18-135mmは公称の18mmより長いのだろう。やはり高倍率ズームはどこかで無理をしているに違いない。

次に中央部分の等倍切り出し画像を示す。いずれもピントは中心の祠に合わせてある。

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18-135mmの中央部分(クリックで等倍表示)

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18-55mmの中央部分(クリックで等倍表示)

まず18-135mmの中央は非常に解像感が高い。おそらく最高クラス。後ろの木立までしっかり解像しているのがわかるだろう。全体にコントラストが高く、カリカリした描写をする。一方18-55mmの方は、それに比べるとやや柔らかい描写になる。しかし決して2400万画素に負けているわけではなく、画素数なりの解像感は出ていることがわかるだろう。

評価の低かった18-135mmがこれほどの描写をするとは驚いた。これだけ見れば18-135mmキットを選ばなかったことを後悔するかもしれない。しかし18-135mmには落とし穴があるのだ。それは周辺がダメということ。次に左端の木立の部分を比較してみる。

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18-135mmの左端(クリックで等倍表示)

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18-55mmの左端(クリックで等倍表示)

まあどちらもボケていることには違いない。この前18-55mmの広角端周辺は悪いと書いたが、18-135mmの周辺はそれに輪をかけて酷い。18-55mmはまだ許せるレベルだけれども、18-135mmは明らかに像が流れてしまっている。しかもf6.3まで絞ってこの状態なのだ。開放だと周辺はボケボケで使い物にならない。おまけに周辺光量落ちが酷く、まるでトイカメラで撮影したみたいに四隅がケラれる(笑)。やっぱり周辺の開放はPhotozoneのレビュー通りの悲惨な結果であった。

結論として、18-135mmの開放はすべての焦点距離において甘いので、2段くらい絞らないと苦しい。やっぱり高倍率ズームはどこか問題があるんだよなぁ・・。また一つ高倍率ズームに対するトラウマができてしまった(笑)。ただ中心部の解像力は凄いだけに、本当にもったいない気がする。

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K-3 / smc DAL 18-55mmF3.5-5.6AL 35mm f6.3 ISO100

今度は18-55mmの最もオイシイところである35mmの描写を見てみよう。この中央部分を切り出したのが次の写真だ(クリックで等倍表示)。

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背後の木立などを見ると、さすがは2400万画素のローパスフィルターレスだと唸るのではないだろうか? そして18-55mmも2400万画素の威力を十分に引き出せていることがわかる。

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K-3 / smc DA 18-135mmF3.5-5.6ED 21mm f7.1 ISO100

18-55mmをK-3に付けてみて、ボディ駆動のレンズではAFの速さがK-30とは違うことに気づいた。明らかに音が違うのだ。K-30ではウイーンという感じだったのが、より甲高い音でジュビッと実にキビキビ動く。やっぱりモーターのパワーが違うのだろう。この気持ちよさには参ってしまった。本当にK-30がしょぼく見えてしまいそうでヤバイ。(爆)

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K-3 / smc DA 18-135mmF3.5-5.6ED 48mm f7.1 ISO100

ペンタックスのカメラでよく問題になるピント精度だが、手元にある個体では特に問題は感じていない。無限遠にきっちりピントが来ている。したがってAF微調整はオフのままである。

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K-3 / smc DA 18-135mmF3.5-5.6ED 135mm f7.1 ISO100

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K-3 / smc DA 18-135mmF3.5-5.6ED 40mm f7.1 ISO100

最後に、たまたまモアレが発生してしまった画像をお見せしよう。これは等倍で部分切り出ししたものだ。赤いトタン屋根の部分に見事にモアレが発生しているのがわかる。

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K-3 / smc DA 18-135mmF3.5-5.6ED 18mm f7.1 ISO100

やはり広角端では波板のパターンが解像限界に近くなるのでモアレが出やすい気がする。しかしモアレが出ているかどうかはPCで開いてみないとわからないところが難点なのだ。ローパスセレクターの効果についても検証してみたいのだが、意図的にモアレを出すことは至難の業。しかも現地では確認できない。同じ場所に行ったとしても、光線の加減で出たり出なかったりする。したがって、この検証をやるには自宅の窓から撮影するしかないと思っている。(笑)

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