デジタルカメラ

E-PL5のボディー内手ぶれ補正はないのと同じ

投稿日:2016年1月30日 更新日:

前の記事でG VARIO 12-32mmF3.5-5.6 ASPH.のレンズ内手ぶれ補正とE-PL5のボディー内手ぶれ補正を比べてみたら、E-PL5の手ぶれ補正はまるで効いていないことがわかった。前回は標準域の25mm(50mm相当)で調べたのだが、最広角の14mmと最望遠の150mmではどのくらい効いているのか改めて調べてみた。さらに同じ方式のボディー内手ぶれ補正を搭載していると思われるE-620でも同様に試してみた。

前回のテストでE-PL5の手ぶれ補正がほとんど効いていないことにショックを受けたのだが、どうもこの世代の機種特有の問題のような気がするんだ。というのも、ちゃんとしたデータは残ってないんだけど、同じテストをやってE-PL2ではそれなりに効果が確認できたと思う。一眼レフタイプのE-620でも同様に一定の効果は確認できていた。それでE-PL2はすでに手元にないんだけど、E-620と比較してどうなのかも興味があった。

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今回はM.ZD 14-42mmF3.5-5.6II Rの14mm端とM.ZD 40-150mmF4-5.6 Rの150mm端で同じテストをやってみた。つまり手持ちのレンズで最も広角と最も望遠ではどのくらい効いているのか知りたかったのだ。また手ぶれしない限界のシャッタースピードは135換算での焦点距離分の1と一般には言われているが、それが本当に正しいのかを検証することも一つの目的である。

テストの方法は前回と同様に、各条件で50枚ずつ撮影してブレが認められないコマ数(良像率)で評価するものとする。手ぶれ補正の効き具合をおおよそ見積もるため、「手ぶれ限界」とされるシャッタースピードより2段および1段遅いシャッタースピードで手ぶれ補正をONにして撮影している。またリファレンスとして「手ぶれ限界」のシャッタースピードで手ぶれ補正をOFFにして撮影した。

全部で4通りのテストを行ったので、それぞれについて結果を見ていこう。

E-PL5 14mm(28mm相当)

1/8秒 手ぶれ補正ON 11/50
1/15秒 手ぶれ補正ON 32/50
1/30秒 手ぶれ補正OFF 22/50

14mmの場合、1/30秒が「手ぶれ限界」となる。それより2段遅い1/8秒では良像率11/50と、前回25mmでテストした時とほぼ同じような結果だった。2段分の効果があるとはとても言えない。そして1段遅い1/15秒では良像率32/50となり、このくらいあれば一応効いていると言えるだろう。したがって14mmでは1段分の補正効果と見積もるのが正しい。

そして「手ぶれ限界」の1/30秒では手ぶれ補正なしで撮ってみたのだが、結果は何と半分以上がアウト! もちろん個人の技量差もあるのだろうが、俗に言う「焦点距離分の1」説は正しくないことが実証されてしまった。考えてみれば、それはフィルム時代の話であって、デジタルでは等倍で見られちゃうからもっと厳しくなるのは当たり前。したがって、少なくとも焦点距離分の1プラス1段速いシャッターを切らなければ安全とは言えないだろう。

E-PL5 150mm(300mm相当)

1/80秒 手ぶれ補正ON 2/50
1/160秒 手ぶれ補正ON 10/50
1/320秒 手ぶれ補正OFF 16/50

望遠側はもっと悲惨な結果になった。「手ぶれ限界」より1段遅い1/160秒でもほとんど効いていないに等しい。そしてもっとビックリしたのは「手ぶれ限界」の1/320秒でも3分の2がブレているということなんだ。これは背面液晶を見ながら撮るスタイルにも起因しているだろう。実際のところ、このくらいの望遠になるとモニター像がグラグラ揺れて構図を定めることすら容易ではない。手持ちで撮るならば最低でも1/640秒以上、可能なら1/1000秒以上を切らないと厳しいだろう。ネイチャーカメラマンが邪魔な三脚を使いたがる理由がわかった気がする。

E-620 14mm(28mm相当)

1/8秒 手ぶれ補正ON 10/50
1/15秒 手ぶれ補正ON 21/50
1/30秒 手ぶれ補正OFF 40/50

概ねE-PL5と似たような傾向だが、それよりも効きが悪い気がする。確かにこのカメラの手ぶれ補正は広角側で怪しいところがあり、1/125秒前後ではかえってブレを助長するという問題があった。その影響で悪くなっているのかもしれず、広角側での補正効果はないに等しい。

逆に「手ぶれ限界」の1/30秒では手ぶれ補正なしでもほぼOKという結果になった。これはやはり接眼して撮る一眼レフの優位性だろう。2点支持と3点支持では安定感がまるで違う。したがって、このカメラの広角側は手ぶれ補正をオフにして1/30秒より速いシャッターを切った方が確実にブレを防げる。

E-620 150mm(300mm相当)

1/80秒 手ぶれ補正ON 23/50
1/160秒 手ぶれ補正ON 33/50
1/320秒 手ぶれ補正OFF 43/50

広角側に比べて望遠側はそこそこ効いているという結果になった。しかし2段遅いシャッタースピードでは半数以上がブレており、やはり補正効果は1段程度と見るのが正しいだろう。それでもE-PL5に比べれば効いているだけマシである。

一方、1/320秒では手ぶれ補正なしでもほぼOKという結果が得られた。これはE-PL5と対照的である。やはり撮影スタイルの違いは想像以上に大きいということだろう。確かに一眼レフに限定すれば、「焦点距離分の1」説は正しいように思える。

総括

E-PL5の手ぶれ補正は標準域より広角側ではかろうじて1段分、望遠側ではまったく効果がないことが明らかになった。この程度なら手ぶれ補正はないと思った方が正しい。特に望遠側で効かないことは致命的である。これまで40-150mmを「手ぶれ補正があるから大丈夫」と思って使っていたが、実は手ぶれ補正なしで使っていたことになり、考えると恐ろしい。つまりE-PL5にオリンパスの手ぶれ補正なしレンズは最も危険な組み合わせなのである。初めから手ぶれ補正のないパナ機の方がまだ自覚しているだけ安全。こうなるとパナの手ぶれ補正付き45-150mmを手に入れたくなってしまうのである。(爆)

E-PL5の手ぶれ補正がこれほどまでに悪い理由について推察してみると、おそらく駆動方式にあるんじゃないかと思う。オリンパスでは昔から使ってきた超音波モーターに代わって、E-620からステッピングモーターを採用している。それは主に小型化と省電力化が目的だったのだが、その頃から1/125秒付近における怪しい挙動が問題になってきた。同時に手ぶれ補正の効きも弱くなっている。超音波モーターを採用していたE-520は強力に手ぶれ補正が効いたことを覚えているんだ。したがって悪の根源はステッピングモーターにあると思ってほぼ間違いない。

このステッピングモーターによる手ぶれ補正機構はマイクロフォーサーズ初代のE-P1をはじめ、E-PL6あたりまで引き続き採用された。しかしそのどれもが評判は芳しくない。そこで最近の機種ではボイスコイルモーター(VCM)による方式に切り替わっている。こちらの方は悪い噂を聞いたことがなく、おそらく2~3段くらいの補正効果は確実に出ているのだろう。また同じステッピングモーターでも機種によって構造上の違いがあり、効いたり効かなかったりする可能性もある。少なくともE-PL5と同じ筐体を持つE-PL3やE-PL6はダメなはずだ。だからこれらの機種の手ぶれ補正は初めから「ないもの」と思って手ぶれ限界以上のシャッタースピードで撮った方が安全なのである。

こうなるとE-PL5をオールドレンズ遊びのベース機にしようという目論見は崩れてくる。どうせ手ぶれ補正が効かないんだから、GM1Sでも同じである。それならばE-620をベース機にした方がまだ手ぶれ補正が効くだけマシということになる。広角側は怪しいが、どうせ手持ちのレンズはすべて望遠になってしまうのだから、一応1段分でも効いていれば安心感はある。それに背面液晶でピント合わせは非常に苦しいので、やはり光学ファインダーがある方がやりやすい。望遠ならなおさらである。というわけでオールドレンズ遊びはE-620に任せることにすると、E-PL5が宙に浮いちゃうんだな・・。やっぱり売るか?(爆)

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