デジタルカメラ レンズ

パナのレンズにはパナのボディーを

投稿日:2016年2月7日 更新日:

以前「オリンパスかパナソニックか?」という記事で、PanasonicのレンズをOlympusのボディーに装着したときに生じる問題について書いた。余談だが、この記事は今でもかなりの人気記事になっている。

もう一度おさらいすると、PanasonicのレンズをOlympusのボディーに装着すると色収差補正が効かず、画質が大幅に劣化するという問題である。一方その逆はまったく問題ない。これは意外と知られていないのだけど、実はかなり深刻な問題だ。ただその時はPanasonicのレンズを持っていなかったため、あくまでも他のサイトを引用して推測したに過ぎない。今回初めてPanasonicのレンズを手に入れたため、本当にそうなのか自分で実証してみることにした。

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使用したレンズはもちろんG VARIO 12-32mmF3.5-5.6 ASPH.である。ボディーはPanasonicがDMC-GM1S、OlympusはE-PL5を使用した。どちらもRAWで撮影を行い、Lightroomを使って全く同一の条件で現像する。

色収差は特に広角側の絞り開放で発生しやすいため、12mm端の開放f3.5で比較している。また画面中央よりも周辺部で顕著になるため、あえてそのような場所を切り出している。

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まずこちらが最初のサンプルの全体。この中で右上に見える電柱の先端を等倍で切り出したものが下の画像である。

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こちらがE-PL5でストレート現像した結果である。見事に色収差が発生していることがわかる。これはもうA4プリント程度でもわかっちゃうレベルだろう。

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一方GM1Sでは色収差はまったく発生せず、完璧に補正されている。上と比べれば違いは一目瞭然だろう。

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次にE-PL5で撮影したものをLightroomの「色収差を除去」で補正したものがこちらである。これでほとんど気にならない程度には除去できたが、GM1Sと比べればまだ少し残存していることもわかる。

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もっと極端な例をお見せしよう。この風景ではたまたま強烈なパープルフリンジの発生が確認できた。それは右上の屋根の庇部分である。その部分を等倍で切り出したものを以下に示す。

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まずこちらがE-PL5でストレート現像したものだ。雨樋の部分に盛大にパープルフリンジが発生していることがわかる。パープルフリンジというのはこのように明暗差の激しい部分で発生しやすい。これが見えちゃうといかにも安物レンズっぽくて一気に興醒めするんだな・・

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一方GM1Sでストレート現像したものがこれだ。何とパープルフリンジは完全に補正されている!

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次にE-PL5で撮影したものをLightroomの「色収差を除去」で補正したものがこちらである。これでパープルフリンジは多少マシになったが、まだ完全には消えていない。これを消すには「フリンジ軽減」のスポイトツールを使ってマニュアルで補正する必要がある。つまり一枚一枚人間が作業するしかなく、大量の写真を自動処理することは不可能であることを意味する。

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あとオマケとしてE-PL5が吐き出したJPEG画像も見てみよう。無補正に比べると若干マシにはなっているが、まだ大部分が残っている。つまりカメラの画像処理エンジンでも完全には取りきれないということを意味する。

以上の検証結果より、やはりPanasonicのレンズをOlympusのボディーに装着すると色収差補正が効かないことが確認できた。もちろんわかり切った結果なのだが、初めて自分で体験したことは衝撃的である。これにより、PanasonicのレンズをOlympusのボディーで使うことは避けるべしという結論が導かれる。

マイクロフォーサーズでいつも話題になるのは「ボディーはOlympusかPanasonicか?」という問題である。そして一般的な傾向として、Olympusにはボディー内手ぶれ補正があるのでどちらのレンズも手ぶれ補正が効くから、圧倒的にOlympusが有利という結論になりやすい。もちろん自分もそう思っていた。しかしこの色収差の問題を知っちゃうと、明らかにPanasonicのボディーの方が良いという結論になってしまう。

それはなぜか? 手ぶれ補正というのは画質には直接影響しない補助的な機能であり、別になくても構わない性質のものだからである。しかもこの前検証したように、E-PL5の手ぶれ補正はほとんどないに等しいようなものである。手ぶれ補正なんかなくたって、ISO感度を上げるなり、三脚を使うなり、手ぶれしないように撮れば済むだけの話である。しかし色収差は画質に直接影響を与えるから厄介だ。これを完全に取り除くには一枚一枚マニュアルで作業するしかなく、とてもやってられない作業となる。それがPanasonicのボディーであれば初めから完璧に補正されているんだから、どちらが楽かは言うまでもない。

もちろんOlympusのレンズしか使わないというのであればOlympusのボディーを選べば良い。しかしマイクロフォーサーズの利点は複数のメーカーのレンズを自由に選べるというところにあるのだから、Panasonicも含めていろいろなレンズを楽しみたいのであれば絶対にPanasonicのボディーを選んだ方が得策である。でないとレンズ本来の性能が発揮できなくなる。一般には高評価のレンズであってもOlympusのボディーに付けると色収差でボロボロという例はたくさんあるからだ。この際、手ぶれ補正は諦めるか、ボディー内手ぶれ補正のあるGX7/GX8を選ぶのが最強だ。

このような問題が生じる原因として、色収差の補正に対する考え方がPanasonicとOlympusでは異なるのだろう。Panasonicはレンズ内に補正プロファイルを内蔵させることによって完璧なデジタル補正を目指しているのに対し、Olympusは可能な限り光学的に補正し、それでも残った色収差は撮影された画像を解析することによってデジタル補正しているのだろう。だからOlympusのレンズをPanasonicのボディーに装着しても問題は起きない。

本来マイクロフォーサーズというシステムは完全な互換性を謳っているはずなのだが、色収差補正や手ぶれ補正の方式も含めて微妙にちぐはぐなところがあるのが残念である。結局、OlympusもPanasonicも自分とこの客は相手に渡さず囲い込んでおきたいということなんだろうなぁ・・

なぜ今になってこの問題を検証したのかというと、12-32mmキットズームだけを残してGM1Sボディーを売ってしまおうと思ったからである(爆)。同じようなボディーを2台持っている無駄に耐えられなかったのだ。どっちを残すかと言えば、汎用性のあるE-PL5の方が良いし、GM1Sの方が高く売れる。もともとGM1Sを買ったのは12-32mmが欲しかったからであり、ボディーはまあオマケみたいなものだから、たとえ1万でも売っても惜しくはない。しかしこの検証結果を知って、また売れなくなった。やっぱりPanasonicのボディーは必要なんだ。それに新しいパナセンサーの素性の良さにすっかり魅了されてしまった。こうやってカメラは増殖する。(爆)

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