AF-SかAF-Pか?

投稿日:2017年3月26日 更新日:

レンズ

Pentaxを処分して「一眼レフ不在」状態が1ヶ月以上続いている。別になくても全然困らないのだが(笑)、購入に踏み切れない最大の原因は価格の高騰にある。

次期カメラの候補は「消極的選択」でD5300しかないという結論になっている。不満はいろいろあるが、現状でこれに代わるカメラが見つからない。これ以上でかくなると結局使わないことが明らかだからだ。Nikonには小型で高機能なカメラが存在しないことが最大の欠点。つくづくK-70が羨ましい・・

そのD5300はダブルズームキット2が一時は56,000円台まで値下がりした。しかし現在は65,000円まで高騰しており、完全に買い時を逃している。さすがに1万円も高いものを買うわけには行かない。せめて6万円を切ったらその瞬間に発射ボタンを押す用意はできているのだが(笑)、その可能性はほとんど望み薄だろう。もはや在庫が捌けて値上がりする一方である。

一方で先月17日にAF-Pダブルズームキットなるものが発売された。何とこの期に及んでまさかの新製品投入である。D5300いつまで引っ張る気なんだ?(笑) 一応これでも新製品だから初値は82,000円というとんでもない値が付いたが、発売後わずか1ヶ月で70,000円まで値下がりしている。じきに6万円台に突入するのは間違いないだろう。

そうなるとダブルズームキット2とAF-Pダブルズームキットの価格差はほとんどなくなる。今までは迷う余地がなかったのが、ここへ来てどちらが良いか大いに迷うことになる。ここでダブルズームキット2とAF-Pダブルズームキットの違いについて、もう一度整理しておこう。

■ダブルズームキット2

AF-S DX Nikkor 18-55mmF3.5-5.6G VR II(以下、AF-S 18-55)
AF-S DX Nikkor 55-200mmF4-5.6G ED VR II(以下、AF-S 55-200)

■AF-Pダブルズームキット

AF-P DX Nikkor 18-55mmF3.5-5.6G VR(以下、AF-P 18-55)
AF-P DX Nikkor 70-300mmF4.5-6.3G VR(以下、AF-P 70-300)

もちろんAF-Pの方が新型のレンズで、ステッピングモーターを搭載した高速AFが特長。量販店で触ったことがあるが、AFの速さは感動的だった。シャッターボタンを押した瞬間にはもうピントが合っていると言っていい。この速さを一度体験してしまうとAF-Sはずいぶんかったるく感じる。

光学系も一新されており、まったくの別物だ。レンズの場合、必ずしも新しい方が描写が良いとは限らないのだが、最新の光学系だからある程度は期待して良いのではないだろうか?

さて、それぞれを選んだ場合、個別のメリット・デメリットについて考えてみる。まず18-55の方から。表面的なスペックはまったく同じなんだけど、最短撮影距離が微妙に異なる。AF-S 18-55がAF時0.28m、MF時0.25mなのに対して、AF-P 18-55はAFでも0.25mまで寄れる。たった3cmと言うことなかれ、マクロ域で3cmの差はものすごく大きい。0.25mまでAFが効くというのは大きなメリットだ。

それからAF-S 18-55は従来の機械式フォーカスリングだけど、AF-P 18-55は電子式となっている。電子式というのはあまり好きじゃないんだけど、実は電子式の方がはるかに便利。AF-S 18-55ではレンズ側のAF/MF切り替えスイッチを操作しないとMFに切り替えることができないが、AF-P 18-55ではAFした後シームレスにMFに移ることができる。つまりAF時にフォーカスリングが回らないわけだ。ついでに言うと、AF-S 18-55ではフォーカスリングが先端にあってズーミングとともに前に移動するが、AF-P 18-55ではフォーカスリングの位置が固定されていて動かない。これも嬉しいポイントだ。

あとAF-P 18-55では手ぶれ補正切り替えスイッチも省略されており、レンズの外観はずいぶんスッキリしている。AF/MF切り替えも手ぶれ補正ON/OFFもすべてカメラ側から制御することになるので、カメラ側にその機能がない場合は常時手ぶれ補正ONということになる。レンズ側から物理的に操作できないのは不便な気もするが、手ぶれ補正なんてめったに切ることはないので別に気にすることはないだろう。

したがって、18-55について言えば、新型のAF-P 18-55の方が魅力的だと言える。描写性能は未知数だが、あのAFの速さは驚異的だ。一度使うと絶対元には戻れない魔力がある。

次に望遠ズームの方だけど、これは評価が分かれる。まず焦点距離が55-200mmと70-300mmという違いがある。素人ほど望遠を欲しがるので300mmの方が良いという人が多いだろうが、逆に短い方が70mmだと標準ズームとの間にギャップができてしまう。自分はこの55-70mmの間を使うことが非常に多いから、なおさら無視できない問題だ。もちろん単焦点なら間が開くのは当たり前だが、遠景になると自分が動いてもカバーしきれないことがあるのでこれは結構気になる。

そして開放F値がF4-5.6とF4.5-6.3という違いがある。たった1/3絞りの違いだが、ミラーレスならともかく光学ファインダーの一眼レフでF6.3という暗さはあまり頂けない。

一般的に言って200mm端の望遠ズームに比べて300mm端の望遠ズームは描写が落ちる傾向がある。AF-S 55-200の評価が非常に高いだけに、AF-P 70-300の描写がいかなるものかは気になるところだ。まあ300mmはオマケと考えて、200mmの望遠ズームとして扱えば開放F値も多少明るくなるわけだけど・・

結局、両者を比較すれば望遠ズームが決め手になる。コンパクトで明るい方を望むならばダブルズームキット2にした方が良い。でもAF-P 18-55は捨てがたい・・。それならば、AF-P 18-55の標準ズームキットを買って、望遠はAF-S 55-200を買い足すという手もあるのだが、ダブルズームキットと価格差が3,500円しかないため、大幅な割高になる。AF-P 70-300は単品で買うと37,500円もする。やっぱりAF-Pダブルズームキットがお買い得だろう。

となると、あとは値下がり待ちだけである。もう少し待てば65,000円くらいはすぐ落ちてきそうな気がする。問題は買うタイミングである。来年の冬まで待っても撮るものがないから意味がない。どうせ買うなら使う機会がないと元が取れない。さすがに桜には間に合わないが、遅くとも夏までにはポチりたいところである(爆)。

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