GM1Sをはじめ、最近のパナ機には「超解像技術」なるものが搭載されている。これはヴィーナスエンジンの一機能で、カタログのうたい文句によると、画像の平坦部とエッジ部を自動的に認識し、平坦部の滑らかさを維持しながら輪郭だけを強調する機能らしい。これは通常のシャープネスとは別の扱いで、独立して設定することができる。Pentaxで言うところのファインシャープネス・エクストラシャープネスみたいなものか?
果たしてこれがどのくらい効果のあるものなのか、一度試してみた。というのも、この機能はJPEGにしか作用しないので、自分みたいにRAWでしか撮らない人間にはまったく無用の機能だからである。実際に使うことはないだろうけど、一応どんなものか試してみたかっただけである。
百聞は一見にしかずであるから、以下オリジナルの画像をそのまま掲載する。例によってサムネイルをクリックすると等倍表示になるが、サイズが大きいので時間がかかる。
まずこれが超解像をOFFにしたノーマル状態である。デフォルトではシャープがきつすぎる気がするので、シャープネスは-1に設定してある。自分的にはこのくらいが好ましいと感じる。
次に超解像をONにした。超解像には「弱」「中」「強」「拡張」の4段階があって、これは「強」である。確かに見かけ上メリハリがついてシャープになった気がするが、線が太くガサツな印象である。普通にシャープネスを上げたのとどこが違うのかよくわからない。こういう輪郭に縁取りが出てしまうような画質は好きではない。
これは「拡張」に設定したものである。「強」に比べると心なしか輪郭の縁取りが緩和され、線が細くなった気がする。左側の葉っぱもそんなにうるさくない。自分的には許容できる画質である。超解像を使うなら「拡張」がベストと言えるだろう。なおカタログには「拡張」を使うと連写速度が遅くなるという断り書きがあるので、おそらくより複雑な処理をしているものと考えられる。
最後に上と同じ画像をLightroomでRAW現像したものと比較してみよう。シャープネスはやや強めにし、適用量40・ディテール30としてある。見た目のインパクトは弱いかもしれないが、左側の枝などもまったく縁取りが出ていないし、精細感は明らかにこちらが上である。線が細く上品なシャープさとでも言おうか、自分的には好きな画質である。どう見ても超解像を使ったJPEGより良い。だからJPEGなんか使う気がしないんだ・・
ただこれは等倍で見たときの話だから、プリントすると超解像を使ったJPEGの方が見かけ上はシャープに見える可能性がある。メーカーとしてもプリントしたときのシャープさを前提に考えているのだろうから、それはそれで一理ある。
いずれにせよ、PanasonicのJPEGというのはかなりマシである。OlympusのJPEGは酷い塗り絵でRAWとJPEGの落差が大きいが、Panasonicはそれほどの落差はない。超解像の「拡張」を使った画質などはかなり好ましいとさえ感じる。矛盾するようだが、JPEGで撮っても良いと思うほどなんだ。というのも純正の現像ソフトはSILKYPIXだから、RAWで撮るとカメラの機能のほとんどが活かせなくなってしまう。GM1Sは非常に多機能なカメラであり、本体だけで実にいろいろな処理が楽しめる。それらを封印してしまうのももったいない話なので、このカメラに限ってはJPEGオンリーで撮るのも悪くないと思うのである。
コメント
「強」を像を見てすぐにDxO Optics Proのレンズブラーだ!、と思っちゃいました。レンズブラーは通常のシャープネスとは異なり、レンズ毎にあーだこーだやっているようですが、やっぱり線が物凄く太くなるんです。より深くローカルコントラストが付くとでも言いましょうか?。
m4/3の場合、安価なレンズでもしっかり写るので確かに超解像って不要かもしれませんね。私の目には「拡張」も要らないかもと思ってしまったり(笑)。
未だにα6000を買うかGX7を買うか悩んでいます。レンズ重視ならGX7なのですが、Sigmaからスゲェレンズ出ますでしょう?。30mmF1.4。APS-Cで45mm相当、m4/3で60mm相当。これをどう使いたいか?、そんな感じでボディ選びになるかもしれません。
>BigDaddyさん
レンズブラーって初めて聞きましたが、私の目には普通のシャープネスとどう違うのか区別が付かないですね。(笑)
Sigmaのアレは凄いですね~。いよいよ本気出した感じですね。普通にいえば45mm相当の方が使いやすいんでしょうね。私は使いづらくて30mmF2.8を手放したクチですから・・