SIGMA 30mmF2.8EX DN レビュー

投稿日:2013年2月24日 更新日:

レンズ

sigma30mmf2_8

以前シグマ19mmF2.8のレビューを行ったが、やっぱり相棒の30mmF2.8もポチってしまった(爆)。というのも、すでに値上がりが始まっていて在庫が残り少なくなっていると思われるからである。ぐずぐずしていると1万円を超えてしまいかねない。本当は来月ポチる予定だったのだが、前倒しして今月の予算に算入した。これで来月のカメラ物欲は無事封印された。いわば物欲をもって物欲を制す作戦である。(爆)


もともと19mmの方を重要視していたので、30mmはあってもなくてもいいという認識だったのだが、やはりこの安さを見ると買わずにはいられない。買わないと絶対後悔する。貧乏人根性丸出しである(爆)。135判換算で60mm相当という画角は自分には狭すぎて苦手意識があったのだが、これを入れようと思ったのは一つの目論見があったからだ。それは自転車での使用である。まずこのレンズは19mmよりも全長がやや短く、しかもフードが要らない構造ということでフロントバッグへの収まりがよい。そして自転車という条件に限っていえば、広角よりも標準からやや望遠寄りが使いやすいと感じている。これはスピードの違いもあるのだが、徒歩に比べて近くよりも遠くのものに目が行きやすいという性質がある。また自転車は被写体から遠ざかることは容易にできるが、近づくことが苦手である。もちろん自転車から降りて歩いて行けばいいのだが、そんなことをやっているといくらでも時間がかかるので、普通は無精だが自転車に跨がったまま撮ることになる。その場合、道路から出ることができなかったり、邪魔なものがあったりするので、ある程度以上接近することは困難なのだ。だから少し離れた場所から撮れる60mmくらいの焦点距離がちょうど使いやすいのである。

詳細な仕様はシグマのサイトに載っているが、非球面レンズを2枚使用した5群7枚構成である。最短撮影距離は30cm。もともとはFoveonセンサーの解像力を最大限に発揮させるために開発されたレンズだから、相当気合いの入ったものだ。前玉が小さいのでしょぼい感じがするが、後玉は結構大きい。AFはリニアモーターを採用しているため高速でほぼ無音、申し分のない出来だ。19mmF2.8と同様、幅広のフォーカスリングは適度なトルク感があってMFでの操作性も大変良い。

写りは噂に違わず大変素晴らしいものであった。元はAPS-C用であるから周辺まで安定して高い解像力を示す。とりあえず解像力などを見ていただくため、フルサイズのサンプル画像を1枚だけ載せておく(クリックで拡大)。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
E-PL2 ISO200 f6.3 1/1000sec

遠景の山肌まで木々が立体感を持って克明に描写されている。もちろんFoveonセンサーのDP2 Merrillならもっと凄いことになるのだろうが・・。その他、作例写真をいくつか載せてみる。

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E-PL2 ISO200 f2.8 1/1000sec

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E-PL2 ISO200 f4 1/3200sec

最大倍率ではおおよそこのくらいまで寄れる。

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E-PL2 ISO200 f2.8 1/3200sec

そんなに明るいレンズではないが、1メートルくらいの距離から開放で撮ればそこそこボケてくれる。ボケ味も素直だと思う。

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E-PL2 ISO200 f4 1/2000sec

こういったシーンではどうしてもAFが迷ってピントが後ろへ行ってしまうので、MFへの切り替えが必須だ。

20130222_151243
E-PL2 ISO200 f8 1/400sec

このレンズを使う上での注意点をいえば、標準よりやや望遠寄りの焦点距離であるため、被写界深度が意外と浅いということだ。19mmだとf5.6でもパンフォーカスになるところが、30mmだと中途半端にボケた写真になってしまう。そのことを念頭に置いて撮影しないと失敗する。撮影距離にもよるが、パンフォーカスにするためには少なくともf8、できればf10までは絞りたいところだ。それ以上絞ると回折の影響で解像力が甘くなる。

マイクロフォーサーズ用の交換レンズとしてはほとんど注目されていなかったレンズであるが、このところの値下がりでにわかに脚光を浴びた感がある。地味な存在ながら、価格からは想像もできないほどの実力を秘めている。今の激安価格なら絶対に買って損はないレンズだ。このレンズを使うためだけにマイクロフォーサーズを導入するという考えもアリだと思う。激安のE-PL3と一緒にいかがだろうか? 合わせても3万円台だから、下手な高級コンデジなんかに大金を注ぎ込むよりよっぽどリーズナブルだと思う。

このレンズを買ってまたE-PL2の良さを再認識した。これ以上小さいボディーだと無理である。デジタルカメラはボディーに金を掛けるより、レンズに金を掛ける方が幸せになれると思う。ボディーばっかり追いかけていると、常に物欲を刺激されるのでいくら金があっても足りない。レンズなら古くなっても性能が落ちることはないし、新しいボディーを手に入れたときも使い回しが効く。また一年で価値が暴落するボディーに比べて、レンズは古くなっても換金価値が高い。できるだけ財産を失わないためには、ボディーは必要最小限の頻度で更新し、レンズを増やして物欲を満たすというのが賢明なカメラ趣味人であろう。フィルム時代はそうだったんだけどなぁ・・

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