11月10日、PENTAXから唐突にKFなる新機種が発表された。もはやカメラなど微塵も興味はないが、一応PENTAXユーザーだから新機種の情報はチェックしておく。それはPENTAXの将来性に直結するからだ。
型番から見てKPの後継か?とも一瞬思ったが、製品写真を一見したところ強烈な既視感にとらわれた。これってK-70の後継機なのか? しかし見ればみるほどK-70そっくりである。血眼になって違いを探したが、外観上違うところはどこにも見つからない。あるとすればK-30を彷彿とさせるホワイトとクリスタルブルーのカラーバリエーションが増えただけである。
それではスペック上、何か違いがあるのか?と思って公式サイトの製品紹介ページをくまなくチェックしたが、センサーは同じものとしか思えず、画像処理エンジンも同じ。連写速度や最高シャッタースピードも同じスペックだから同一ユニットの使い回しだろう。手ブレ補正の段数も同じだ。どう見てもスペック上異なる点は発見できなかった。つまりKFは名前が変わっただけでK-70そのものと結論付けて良い。
1. 液晶モニターの解像度が92.1万ドット→103.7万ドットに向上
これは性能向上というより部品の入手性を考慮したランニングチェンジと考えられる。
2. カスタムイメージに「里び(SATOBI)」が追加された
雅と紛らわしいが、逆に鄙びた感じになるのだろうか? まあソフトウェアだからどうにもでもなる(笑)。
3. 付属の充電器がUSB Type-C対応に変更された
最近はAC電源よりUSBの方が便利だから当然の流れだろう。
厳密に言うと以上の点が変更されているので全く同一ではないが、限りなくK-70と同じに近い。充電器なんて中華の安い互換品を買えば済む話だから(笑)。
もっとぶったまげたのはその価格である。まだ発売前だが、キタムラのネットショップによるとボディー単体で税込107,820円となっている。マジかよ? エントリー機でこの値段って、いったい誰が買うんだよ? リコーは初めから商売する気がなさそうだね。
かつてここまで酷い新製品発表があっただろうか? 以前KPの限定モデル発売をこき下ろしたことがあったが(笑)、今回は輪をかけて酷い。実質的に変わった点といえば、ホワイトとクリスタルブルーのカラーバリエーションが増えただけ。それも限定700台というプレミアム価値を付けて熱烈なPENTAX信者に売り付けようとしている魂胆が丸見えである。こんなカメラはPENTAX信者しか買わない!
K-70は早速カタログ落ちして旧製品扱いとなった。以前ならしばらく併売されたはずだが、よっぽどK-70を売りたくないらしい(笑)。そりゃ中身が同じなら値段の高い方を売りたいよね。本当は値上げしたかったのだろうが、露骨に値上げすると目立つので、開発費を一切かけずに名前を変えるだけでしれっと値上げしたに過ぎない。まさにネームロンダリングである。
こういうことは自転車ならよくある話だ。自転車も毎年モデルチェンジが行われているが、実際にはスペックは全く同じでカラーだけ異なる製品がニューモデルとなることが多い。そのたびに価格改定が行われるが、値上げもあれば値下げもある。つまりこれは新製品に見せかけた価格調整の意味合いがある。自転車ならほとんど進化がないからまだわかるが、デジタルカメラのような進化の激しい業界でそれをやるか? もう6年前の機種なんだけどな。
贔屓目に見ればK-70の完成度が高すぎたということの裏返しでもある。発売から6年を経ても(改名して)なお現役でいられるということは進化の最終形態にあることを意味する。実際使っていてもこれ以上何を求めるものがあるだろうか?という気になる。出し惜しみせずに初めから最終形態を作っちゃったということなのだ。だからメーカーとしてはもうやることがなくなった。これは真実を突いていると思う。だからもうこれ以上一眼レフは出さないよという終了宣言とも受け取れる。うがった見方をすれば、KFのFはFinalのFではないか?という気がしてならない。
前も書いたけど、限定モデルやカラーバリエーション追加しかすることがなくなったメーカーは終わりが近いということだ。PENTAXは一応申し訳程度にK-3IIIを出したが、その後エントリー機もモデルチェンジするのかと思いきやこの有様である。エントリー機が売れなければその次はないんだよ。レンズも過去の焼き直しみたいなのしか出してないし、もはややる気が全く感じられない。ミラーレスが全盛の時代にファインダーを覗く楽しみがどうのこうの言ったって一般大衆には響かないだろう。完全に終わったブランドである。
K-70はまだ持っているが、レンズは一切追加していない。それは言うまでもなくPENTAXに将来性がないからだ。今さら一眼レフなんてめんどくさいだけで全くメリットを感じられない。もうマイクロフォーサーズで十分である。K-70を使う理由はただ一つ、高感度に相当強いことだけである。マイクロフォーサーズはISO3200まで上げるとかなり荒れるが、K-70はISO3200でも破綻がない。何ならISO6400もいける。ただそれだけ。それ以外はマイクロフォーサーズの方がよっぽど良い。
KFなんてふざけた機種を出さなければまだPENTAXに一縷の望みを託せたのに、これで終わったなとPENTAXユーザーの神経を逆撫でしたことは間違いない。
コメント
こんにちは。
カメラ業界、この先どこに行くのでしょうね。ペンタはともかくニコンやキヤノンですらエントリー機の価格設定が昔の高級機並みの価格帯になってしまって。50mm標準なんて軽く安く明るいのが取り柄だったのに今どきのあの価格は何でしょう!
もうカメラと心中するような私らカメ爺だけを相手にしようと思っているのでしょうか?
元々スーパーカーに興味持ってカメラにも興味を持った小生ですがさすがに風景も飽きたし子供もとっくに成人して撮る事も無くなったしやっぱり世の中の常識でスマホで十分かなと思うようになった昨今です。
>解凍キッドさん
ニコンは一眼レフのエントリー機やめちゃったし、レンズもとんでもない値段になってますね。
もはや一般ユーザーは相手にしてないことが明らかでしょう。すでに風景、鳥、鉄道など一部のマニアだけのものになっているし、金に糸目をつけないカメ爺相手の商売ですよ。いずれオーディオみたいにどっかに売却されてブランドだけが残るんでしょうね。
はい、私もカメラはスマホで十分でございます。
確かに突然発表された時は???でした 笑
でも今,KFが欲しい。
先日、最近購入したNikonのZ5をウキウキで登山&撮影に持ち出した。
背面液晶に映し出される画には全く不満は無いが、撮影に気持ち良さが生まれない事に改めて気付く・・(;´・ω・) これはフジフィルムのX-E3を購入した時から感じてはいた。EVFは〝こんなもんだろう〟と言う意識が頭の中にあった上でのガッカリ感だったので、そこまで気にしてなかった。
ニコンのZシリーズはEVFが良さそうで購入したのだが、いや、EVFの見え味は実際かなり良い。
店頭でも何度も確認したのだから。屋外撮影での肉眼と比べなければだけど・・・
EVFと肉眼で見える明るさ、色が違うだけでこんなにも撮影がしっくりこないんだと言う事が良く解った。
Z5撮影後、その感想を抱きつつK-S1やKPのファインダーを覗いて見る。
あっ、、はぁ~!溜息が出た・・俺には将来性が無いPENTAXがないとまだ駄目だわ 笑
まあ今から買うならアリでしょうね。他のメーカーもアホほど高くなってるわけだし、その中ではマシな方かも?
確かにEVFと肉眼のギャップを知ってしまうと撮影意欲に影響しますね。出来上がった写真はEVFの方が近いんですけど(笑)。
ここはどんなに技術が進歩しても越えられない壁になるでしょう。PENTAXが負け惜しみ気味に光学ファインダーの良さを語る理屈には一理あるかもしれません(笑)。
まいど(^^♪
最近ペンタクスユーザーになり、ココが検索結果の上位に表示されました。
内容を拝見すると・・・概ね同意します。
まぁ、レコード(アナログ盤)やカセットテープが注目されているから
デジタル一眼レフより、フィルム一眼レフが再認識されるかもです。
ライカのモノクロ専用カメラが高くて買いえないから、K3iiiモノクロームが買いたいです。
あっ、所有しているのはK-mというペンタクス最後のCCD機です。
コレ楽しいカメラです。
なんか最近はフィルムカメラがやけに高騰してますね。そんなに人気あるんでしょうか?
少し売るのを早まったかなと思っております(笑)。
まあフィルムもとんでもない値段になってますから、もうとても使えませんが。
モノクロ専用機ってまたニッチな製品を出しましたね。売れるんでしょうか?
しょせんペンタはニッチの世界でしか生きていけない存在です(笑)。
K-mの時代はペンタユーザーではなかったのでよく知りません。(^_^;