奈良県S小学校(前編)

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2015年4月 K-30 / SIGMA 17-50mmF2.8EX DC

半年ぶりに廃校探索をしてきた。ネットで調べた限りでも紀伊半島には多数の廃校が現存しているのだが、そのうち和歌山県を中心に一挙17校を撮影してきた。校舎の状態は様々で、比較的新しく備品も多く残っているところもあれば、ほとんど廃屋状態で崩れてしまっているところもあった。それぞれに印象深い。

廃校探索も今のうちに行っておかないと草ボウボウで近寄れなくなっちゃうからね、行けるときにまとめて回っておくのがいい。しかし紀伊半島は相当奥深いので、行くだけでも大変な場所があるんだ。当分行きたくないというか、二度と行きたくない場所もある(笑)。まあこれで一ヶ月分のネタができたので、当分は安泰だ。(笑)

最初はまず奈良県にあるS小学校を2回に分けて紹介する。ここは昨年ネットで知ってから行きたかったのだが、ようやく訪れることができた。昭和62年に廃校になっているが、校舎は比較的状態が良く、原形をとどめている。備品類も多く残っており、被写体として非常に魅力的である。実はこれまでしょっちゅう通っている場所なんだけれども、はるか山の上にあるため道路からは絶対に見えない。自分もネットで調べて初めて存在に気がついた。意図的に調べない限り、まさかこんな場所に学校があるとは誰も思わないだろう。

この場所はGoogleの航空写真で見るとはっきりわかるのだが、そこへ行くまでの道がとにかく大変なのだ。笑っちゃうくらいの急勾配と急カーブが連続する九十九折れの道を上っていく。途中、お寺と墓地があるが、それを越えてさらに上る。本当にこんな場所に学校があるのかと不安になってくる。カーブがあまりにもタイトすぎて、軽自動車でないと一回では曲がり切れないだろう(笑)。自信のない人は下から歩いた方が無難だが、標高差が80mほどあるのでなかなか大変だ。

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そのとんでもない坂を登り切ったところに校門が現れる。一応、木の表札は残っているが、校名はほとんど読むことができない。それにしても何でわざわざこんな場所に学校を作ったのだろうか? 確かに急峻な山地で平地が少ないことはわかるが、通うのは大変である。ここへ通う子供達は毎日この坂道を歩いて登ったのだろうか? さぞかし足腰が鍛えられたことであろう。(笑)

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トップの写真に写っているけれども、校庭は結構広い。校舎はさらに一段高い場所にある。校庭は今でも整備されているようで、草などほとんど生えていない。歴史のある学校らしく、校庭の片隅には創立百年の記念碑が建っていた。

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山の学校には珍しく、プールも健在。

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校舎の下には左右両側から階段が続いている。

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その階段を登ると、来る者を拒むかのように玄関までさらに急な階段が待っている。いったいどれだけ登らせたら気が済むんだ(笑)。まるで難攻不落の山城である。

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校舎の前にはスイセンがきれいに咲いていた。勝手に生えているとも思えないので、地元の方が世話をされているのだろう。

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玄関を横から見る。

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昔の学校にはよくあるが、トイレは校舎の外にある。

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せっちん(雪隠)とは便所の古語である。何と奥ゆかしい・・

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ネット上では内部の写真がよく紹介されているので、たぶん入れるルートがあるのだろうと思っていたが、いとも簡単に潜入できた(笑)。これは1階の廊下である。

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放送の当番表のようだ。こういうの懐かしいなぁ・・

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玄関にはステンドグラスのような細工が施されているが、よく見るとただのステッカーである。

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「子ども郵便局」なるものを実施していたようだ。切手に見立てた絵には校舎が描かれているが、その特徴である坂道もしっかり描かれている。

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これは職員室の全景。

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漢字の書き方を示すカードが多数ある。

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まだきれいで今でも使われていそうな錯覚を覚える。

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職員室の天井にはコウモリのオブジェが吊り下げられていた。本物のコウモリがいても不思議ではない。(笑)

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こちらは図書室。たくさんの本が整理されて残っている。

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地球儀

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定番の児童文学がいっぱい。

とりあえず今日はここまで。次回は理科室と音楽室、一般教室を中心に紹介する。