Nikon F80s

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E-620 / ZUIKO Digital 35mmF3.5 Macro で撮影

たまには所有するカメラの写真を撮ってネタにしてみようと思う。今回取り上げるのはニコンのAFフィルム一眼レフであるF80sだ。このカメラが発売されたのは2000年頃だったと思う。当時すでにF100という上位機種があり、その下位に位置する中級機として登場した。F80とF80sの2つのバージョンが存在し、F80sの方は裏蓋にコマ間データ写し込み機能が内蔵されているのが特徴。当時、コマ間に撮影データを写し込める機種は珍しかった。ネイチャーをやっていた頃は絞りやシャッター速度などのデータをいちいちメモ帳に記録していたから、この機能が欲しくてたまらなかったのだ。スペック的には地味でこれといった飛び道具はなかったのだが、逆にその質実剛健さが受けてかなり売れたモデルである。定価はF80sが10万ちょっとだったように思う。もちろん実際買ったのはそれよりかなり安い。

デザインを見てわかる通り、このカメラは後にニコンのデジタル一眼レフのベースとなったモデルである。事実、D70などはほとんどF80のボディーを流用したものと言っていい。この流れは現在も続いていて、今見てもまったく古さを感じない。ボディーはプラスチックであるが、ファインダーにはペンタプリズムが使われていて、手抜きのないしっかりした造りは現在の入門機から比べるとずいぶん贅沢に思える。当時はファインダー倍率が小さいなどと言われていたが、E-620のファインダーを覗いた後でF80のファインダーを覗くと、あまりの大きさにぶったまげそうになる(笑)。もちろんペンタプリズムだから見え方もクリアですばらしい。昔はこうだったんだよなぁ・・と懐かしくなる。

恥ずかしい話だが、実はこのF80sは2台目である。1台目は2002年に売却し、同じ年にまた再購入したのだ。自分はこういう馬鹿なことを結構やっている。ただ、2年使ってもそこそこ良い値で売れたので、実質的にはそれほど損はしていない。当時のフィルムカメラは換金価値が高かったものだ。今のデジタルカメラなんか2年も使ったら2割くらいの値しか付かないだろう。


E-620 / ZUIKO Digital 35mmF3.5 Macro で撮影

それでなぜ再購入したのかというと、実はこのレンズが欲しかったからだ。AF-S Nikkor ED24-85mmF3.5-4.5Gという当時発売されたばかりのレンズ。ニコンにはなぜかこのクラスのズームがなくて、発売と同時に欲しくなってしまったのだ。24-85mmというズームレンジは、ほぼ1本ですべてカバーできるというネイチャー撮影には理想的なレンズだった。ところが、ニコンはこの頃からGタイプという絞り環のないレンズを出し始めた。これはボディー側で絞りを制御するタイプなので、F3のようなMF機や古いAF機では使えない。このレンズを使うためにはどうしてもF100かF80を買う必要があった。それでまたF80を買い戻す羽目になるのであった。

ちなみについ最近、このレンズはVRが付いて再登場したばかりである。D600とのコンビでバカ売れしそうなレンズだ。


E-620 / ZUIKO Digital 35mmF3.5 Macro で撮影

ところで、後にF80にはとんでもない持病が存在することが発覚した。購入から8年が経過した2010年のことだ。ボディーを触るとなぜかベタベタする。指紋の跡は残るし、ホコリなどを吸い付けてどんどん汚くなる。いったい何なのかと思ったが、ネットで検索してみると他の人も同じ状況になっていることがわかった。「F80 ベタベタ」で検索してみるといっぱいヒットする(笑)。このボディーはプラスチックなのだが、ラバーのような感触の特殊な塗装が施されている。ところがこの塗装が8~10年経つと経年劣化で加水分解を起こし、ベタベタになってくる。その対処方法としては、アルコールでゴシゴシ拭いてやるといいらしい。それで表面の塗装を大方剥がしてしまったのだが、取りきれなかった部分が一部残った。するとそれから2年経ってまたベタついてきた。また同じことをやらないといけない・・

こういう問題が起こることは設計の時点では想定されていなかったのだろうか? 悲しいことに、現在販売されているニコンのデジタル一眼レフもプラスチック製のものはいずれこうなる運命にある。しかしデジタルカメラを10年使うことなどないから、その頃には売却しているか捨てているかどちらかであろう。初めから10年使われることを想定されないカメラって、なんか空しくなる・・

なんか最近またフィルムで遊びたくなってきた。何と言ってもフルサイズである。デジタルカメラで遊んでいると無限に金がかかるが、週に1本フィルムを消費する方が安上がりだと思う。デジタルカメラは金がかからないなんて大ウソ! 実際、デジタルになってから機材にいくら金を使ったかわからない。

F80にも一つだけ弱点がある。それはニコンの古いMF専用のレンズが使えないということだ。正確に言うと使えないことはなくて、ちゃんと撮影はできるのだが、露出計が働かないのでマニュアル露出専用になってしまう。機械的に絞り値を伝達する機構が省略されているからそうなるのだが、昔からニコンはこういうことをよくやる。それが上位機のF100ならMF専用のレンズもAEで問題なく使える。こんなことを書いていると、中古でF100を買おうかとか、またアホなことを考えてしまった。(爆)

コメント

  1. こんばんは!

    いや~懐かしいですね~。私もつい4~5年位前までF80SもF100も使っていました。
    今でも必要かつ充分なスペックを持っていますから、たまにフィルムで撮りたい時でも何の気負いも無く今のデジ一と同じような感覚で撮れるカメラなのではないのかなと思います。
    私が今使っているD700、何となくF100と似たような感覚ですかね~。ちょうど当時のF5とF100、現在のD3とD700の関係に似てますね。(笑)

  2. オーナー(考え中) より:

    >ハンドル職人さん

    おっ、同じ機種お使いでしたか!
    フィルムカメラって、本当にこれで十分なんですよね・・

    今のDX機でいうと、D7000がF100、D5100がF80、D3100がF60に相当しますね。
    下位機種には使えるレンズに変な制限が付くのは相変わらずです。(^^;

  3. BigDaddy より:

    ペタペタはF100でもあります。商業カメラマンの友人が、1万円でどうだ!、と言うので見に行ったら、ペタペタでした(笑)。なるほど、アルコールで拭けば良かったのですね。

    また、これはCanonでもあって、うちにあった一番古いEOSカメラ、初代EOS-1ですが、売却直前にペタペタで、ただ同然で引き取られていきましたよ。その点、Nikon F4Sは最後まで頑張っていました。プラボディでテッカテカでしたが、それはそれで・・・。

    D600は良さそうですね。サンプル画像見ましたが、いや、美しい!。Pentaxユーザーとしては羨ましい限りです。

  4. オーナー(考え中) より:

    >BigDaddyさん

    F100もベタベタになるという話は聞いたことあります。
    ニコンの持病みたいなものですかね・・
    もっと古いAF機はテカテカになりましたが、ベタベタよりはテカテカの方がマシだと思います。(笑)

    D600はまだまだ高いですね。
    あと5年待てば5万くらいになると思ってるんですが・・(^^;