2016年7月 K-30 / SIGMA 17-50mmF2.8EX DC
リアス式海岸が続く尾鷲市の賀田湾に天然の良港を擁する梶賀町がある。三方を山に囲まれた急峻な地形であり、斜面に張り付くように民家が密集している。そしてその一番高い場所に平成10年(1998年)に閉校となった梶賀小学校がある。
廃校へ行くには漁師町特有の狭くて急な階段を登っていかなければならない。民家の軒先をかすめるような完全な「路地」である。もちろん自動車は入れない。上の写真が校門に続く最後の階段。この日は朝から非常に蒸し暑かったが、ここまで登ったら汗だくになってしまった。
校門をくぐると広い校庭の向こうに二つの木造校舎が姿を現す。手前が講堂、奥が教室棟である。
校庭はかなり広く、きれいな芝生に覆われている。地元の方が手入れしているようでまったく荒れていない。ここは万一の津波の際の避難場所に指定されており、いざという時のためにきれいにしてあるのだろう。数十メートルの標高があるので、確かにここまで来れば安全だろう。
ステージのカーテンの奥にはいろいろ楽器が置いてあった。肖像画があるということは、ここが音楽室代わりだったのか・・
次に一段上にある教室棟へ。草に覆われていてかなり廃墟感が漂う。
一番端にあるのは図書室。実はこの奥に「秘密の部屋」があったらしいのだが、気づかなかった(笑)。
ここは一般教室。机と椅子が一つだけあるけど、演出臭を感じる(笑)。
さらに奥へ進むと床が腐っていて教室を通らないと行き来できない。その教室もかなり危ない・・
これが3つめの一般教室。ここまで来るともう演出にしか見えなくなってきた(笑)。相変わらず落書きだらけだけど、まあ黒板くらいは許す(笑)。
残留物も多くてなかなか味わい深い廃校だった。それだけにネット上でも多く取り上げられている。帰ってから知ったのだが、行き止まりに見えた廊下の左端の奥に理科室があったらしい。そこはおびただしい数の標本が眠るワンダーランドだったのだ。しまった、また行かなければならないのか・・?(笑)