E-PL5で撮る天の川

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和歌山県古座川町にて E-PL5 / SIGMA 19mmF2.8EX DN / ISO3200 f2.8 15sec

先日、和歌山県南部へ行った際、車中泊した道の駅で星空がものすごく綺麗だった。満天の星空とはこのことを言うのだろうか。とにかく周りに明かりが一切なく、しかも月明かりもない絶好の条件。肉眼でも天の川をぼんやりと確認できた。普段、天体写真などめったに撮らないのだが、これだけの星空を見ると撮らずにはいられなかった。


本来なら高感度に強いK-30で撮りたいところだが、あいにくこの日はE-PL5しか持ってきていなかった。これがもし糞パナセンサーだったら星とノイズの区別が付かなくなるので撮る気にもならないのだが(笑)、ソニーセンサーではISO1600は使えることが確認できているので、とりあえずダメモトで挑戦してみることにした。

しかし天体写真などめったに撮らないものだから、どのくらいの露出をかければ良いのかもよくわからない。したがって、条件を変えながら試行錯誤で大量に撮影した。

まず露光時間だが、できるだけ長くした方が暗い星まで写るので見栄えが良くなる。ただし星の動きというのは意外と速いもので、1分以上になるともう点ではなく線として写ってしまう。そこで30秒と15秒で試してみたが、30秒でも明らかに線になっているのがわかり、15秒がギリギリ限界というところである。それでも等倍で見れば線になっているのがわかるが、この程度のサイズなら何とか点として見える。

露光時間が同じであれば、あとはできるだけ撮像感度を上げることと、明るいレンズを使うことである。レンズは手持ちで一番明るいシグマの19mmF2.8を開放で使った。このレンズなら開放から問題なく使えることがわかっているので心強い。ただし画角が38mm相当だからちょっと狭い。天の川を大きく写し込むにはもっと広角の方が良かった。

そして撮像感度はISO1600とISO3200で試してみた。前にやった高感度ノイズテストではISO3200はちょっと厳しいことがわかっていたのであまり使いたくはなかったのだが、星の場合は意外と気にならないようだ。ISO3200でもぜんぜん問題ない。結果的にISO1600では暗すぎて天の川はほとんど写らず、ISO3200で何とか写った。

あと大変なのがピント合わせ。一眼レフならファインダーを覗きながらMFで合わせればよいのだが、背面液晶しかないミラーレス機でピントを合わせるのは大変難しい。基本的に無限遠に合わせればよいので、遠方の明かりなどがあればそれを利用して合わせるが、周りに一切明かりがないため合わせようがなかった。それで仕方なく明るい星で合わせようとしたが、星明かりなんてモニターにもほとんど映らないものだから視野に入れるのに苦労した。しかも拡大表示してMFでピントを合わせるなど至難の業だ。

そうやって何とか撮影に成功したのがトップの写真。これは南西方向の空を写したものだが、ぼんやりと見えているのは雲じゃなくて正真正銘の天の川だ。二筋になって上へ昇っているのがわかる。E-PL5でもこれだけ写ってくれるとちょっと感動だ。くどいようだが糞パナセンサーじゃ無理。(笑)

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これは北東方向の空を写したもの。撮影条件は上と同じだ。中央やや下にW形のカシオペア座が写っているのがわかるだろうか? そして中央の垂直方向にぼんやりと天の川が確認できる。南の空ほどは明るくない。

撮影したときにはまったく気付かなかったのだが、現像して初めて画面の右端、2本の電線の間にアンドロメダ大星雲M31が写っていることに気付いた。さすがに渦を巻いているのまでは見えないが、ぼんやりと楕円形に光っているのがわかるだろう。これも肉眼で見えるんだけど、写真に撮って初めて気付くというのも面白い。

E-PL5でもこれだけ写るんだから、K-30ならもっと良い写真が撮れたことは間違いない。ISO6400はぜんぜん平気だろう。でも持ってなかったものは仕方がないんだ。こうなるとPENTAXのアストロトレーサーがちょっと欲しくなってしまった。たとえ1分、2分でも追尾して長時間露光すれば、かなり凄い天体写真が撮れそうである。

コメント

  1. Kan より:

    昔、オリンパスE-620を使って星空を撮ったことがあります。ノイズが大変に出やすかったため、ISOは200で撮影したのを覚えてます。三脚に固定して、セルフタイマー2秒設定で、15秒くらい・・・。
    冬の晴れた夜にオリオン座などを撮影、後に自宅PCで拡大(原寸)表示してその無限の宇宙に思いをはせるなんて似合わないことをしたなんて、内緒です。

    天の川、長いこと観てないですね・・・。

  2. 型落ちハンター より:

    >Kanさん

    E-620はとびきりノイズが多いですからね、高感度はまったく使えません。
    でもISO200で15秒だったらほとんど星写らないんじゃないですか?(^^;
    まあ星が少ない方が星座はわかりやすいんですが・・

  3. kzr1163 より:

    初めまして。読み応えのある記事が多く、楽しく勉強させていただいています。
    ISO3200 f2.8 15secでこの空の暗さということは、なかなか光害の少ない良い場所のようですね。星撮りでのピント合わせ難しいですよね。昔のMF時代のレンズのように無限遠でピントリングが止まってくれる方が微調整し易いです。
    私もK-30ユーザーですが、星撮りではISO6400はノイズ的に少々厳しいように思います(RAWをPhotoshop elementで処理の場合)。使うレンズの焦点距離にもよりますが、アストロトレーサーを使うと3分程度は露出が稼げますので、ISO1600前後でも露出を稼げますよ。セッティングも楽チンで小さくて軽いのでオススメです。α7S位の高感度耐性があれば何枚かコンポジットすれば良いんでしょうけどねぇ。

  4. 型落ちハンター より:

    >kzr1163さん

    はじめまして。

    そうですね、周りに人口の明かりが一切なく、大都市からも離れているので、日本でも有数の星空のきれいな場所でしょう。文字通り、「星が降ってくる」という表現がピッタリ来ます。

    K-30で星を撮ったことはないんですが、K-30のISO6400はE-PL5のISO3200とほぼ同等と感じています。長時間露光になるとまた違うのかもしれませんが・・

    アストロトレーサー、実はかなり欲しいです(笑)。これが使えるのはペンタックスユーザーだけの特権ですよね・・

  5. kzr1163 より:

    突き詰めると赤道儀/ポータブル赤道儀になるのですが、天の川やオリオン座のM42、アンドロメダのM31辺りはアストロトレーサーで結構綺麗に撮れますよ!、とお誘いしておきます(笑)。
    K-30は超秒時ノイズ特性もそこそこですし、赤い星雲の写りもフィルム並みとまではいきませんが、デジタルの中ではしっかりと写ってくれる方だと思います。

  6. 型落ちハンター より:

    >kzr1163さん

    赤道儀は買うと高いしでかいし、アストロトレーサーでお手軽に撮れるのは良いですね。
    肉眼で見えない赤い星雲が写ってくれるとうれしいですね・・