2009年10月 E-520 / ZUIKO Digital 40-150mmF4-5.6
例年この時期になると「曽爾高原」をキーワードにした検索件数が急増する。奈良県では言わずと知れたススキの名所であり、それを目当てにした観光客が多く訪れる。ご多分に漏れずここもネイチャーフォトのメッカであり、完全に陳腐化してしまった撮影地の一つだ。今さらこんな写真を撮っても仕方がないと思う。
あえてこれを出してきたのはE-520の白飛びの弱さを見ていただくためだ。めったに使わない望遠レンズの作例もある。残念ながらJPEG撮りしかしていなかったので、純粋にE-520が吐き出す絵だ。
2009年10月 E-520 / ZUIKO Digital 14-42mmF3.5-5.6
まずススキを撮るには絶対晴れてないといけない。曇りの日だと、ただの枯れ野原みたいになって実に平凡な写真になる。紅葉などは曇りの方が落ち着いた色合いが出るが、ススキだけは晴れてないとダメだ。それも逆光気味で撮るのが定番。順光だとやはり平凡な写真になってしまう。
ただ逆光で撮ると困るのが白飛びだ。E-520はちょっとした逆光でもすぐ白飛びしてしまうので、この写真の右上の方も白くなってしまっている。さらにその境目のあたりがシアンっぽい色被りをするのも見苦しい。これがE-520の時代の1000万画素センサーの特徴。E-3もやはり同じ傾向だ。こういう状況ではE-620だともう少し粘ってくれる。
2009年10月 E-520 / ZUIKO Digital 14-42mmF3.5-5.6
これはさらに完全逆光に近い条件。やはりススキはこのくらいの逆光で撮らないと銀色に輝いてくれない。しかし空がぶっ飛んでしまう。ここまで来るとどんなカメラでも大差ないと思うが、空のトーンを落として暗部を持ち上げてもノイズが気にならないくらいの耐性は欲しい。
2009年10月 E-520 / ZUIKO Digital 14-42mmF3.5-5.6
曽爾高原も「お亀池」を中心とした周遊路はあまりにもありふれていて面白くないので、亀山へ登って上から見下ろしてみると面白い。登ると言ってもそんなに大したことはなく、一周1時間もあれば回れると思う。ただし結構険しいところがあるので、足元はしっかりしておいた方がよい。
2009年10月 E-520 / ZUIKO Digital 14-42mmF3.5-5.6
亀山から見るとお亀池がこんな風に見下ろせる。ネイチャーカメラマンは歩くのが嫌いだから、こんなところまでは来ない。
2009年10月 E-520 / ZUIKO Digital 14-42mmF3.5-5.6
これもまた空がぶっ飛んでしまった写真。左上の方など境目がはっきり出てしまって実に安っぽい写真に見える。このカメラを使うなら、空を基準に露出を決め、後処理で暗部を持ち上げてやるしかない。もちろんRAW撮りが必須だ。古いカメラは撮り手に使いこなしを要求する。
曽爾高原と言えば、夕陽とススキがこれまた定番。たいがい午後3時頃になると、一番良い場所でネイチャーカメラマンが三脚を立てて場所取りを始めている。これも見たくない光景。夕陽もなかなか思った通りには行かないから何度も来たくなる気持ちはわかるが、あまりにも撮り尽くされた風景を撮ってどうするのだろうと思う。
この写真は10/15の撮影だが、まだ穂の開き具合が浅いので、もう少し後の方が良いと思う。10月下旬頃がベストシーズンだろう。
コメント
確かに、ススキの曽爾高原って取り尽くされた感が有りますね。最早、私如きの感性では新たな絵なんて作れそうに有りません。もし今度曽爾高原に行く事が有れば、記念写真以外は撮らない事にします。
ところで、「断捨離」のサイトの広告が入っている所がちょっと笑えます・・・。(^o^)
>まっさーさん
こんなとこは記念写真だけで十分ですね。必死こいて撮る場所ではありません。
断捨離は自分へのメッセージですかね・・(爆)