最後のエリートクローム

投稿日:2012年11月18日 更新日:

フィルム 自然


南アルプス聖岳 2012年7月 F3 / SIGMA 28-70mmF2.8EX / EliteChrome 100

7月からずっとカメラに入れっぱなしで撮りきれなかったエリートクロームをやっと現像に出した。エリートクロームはコダックの廉価版リバーサルフィルムで型番はEB-3となっている。周知の通り、コダックはすでにリバーサルフィルムの生産から撤退しており、現在は流通していない。最後に一本だけ残っていたフィルムもすでに期限切れであったが、半年くらい大丈夫だろうと今年中に使い切るつもりだった。しかし思いのほか時間がかかり、36枚撮り終えるのに4ヶ月もかかった。デジタルカメラを使っているとフィルムを使うのが億劫になる。たくさん撮る予定ならいいのだが、2~3枚しか撮らない可能性がある場合、いつ現像に出せるかわからない。デジタルカメラの利点は「たくさん撮れること」ではなく、「少量だけ撮れること」だと思う。こうやって長い間カメラに入っていると、何を撮ったのかさえ忘れてしまう。何ヶ月後かに現像上がりを見て、そういえばこんなのを撮っていたのかと思い出すのもまたフィルムの味わいと言えるかもしれないが・・(苦笑)



野反湖 2012年7月 F3 / SIGMA 28-70mmF2.8EX / EliteChrome 100

エリートクロームはリバーサルの中では一番安かったこともあり、ここ8年ほどはずっと常用していた。5本パックが2980円で売られていたから、1本あたり約600円だ。コダックがリバーサルから撤退した今、もはや富士に頼るしかないのだが、安いトレビがなくなったからプロビアかベルビアしかない。今はプロビアも5本パック売りしかなくて、それだと1本あたり750円くらいになる。昔はプロビアの逆輸入物の10本パックを6980円で買っていたから、1本あたり約700円だった。そう考えると、そんなに上がってないのだ。現像代は今も660円だからまったく上がっていない。したがってエリートクロームから比べると1本あたり150円のアップだけだから、そんなに高いわけではない。しかし気軽に使えるリバーサルがなくなったのは痛い。


鳥見山公園 2012年11月 F3 / AF Nikkor 50mmF1.4D / EliteChrome 100

今後リバーサルを使うことがあるのだろうか? 確かに現像済みのスリーブが完成品という意味では楽でいいのだが、プリントするにはネガの方が有利であるし、写りがデジタルとあまり変わらないのではフィルムで撮る意味が薄れる。リアリティーを求める向きにはデジタルの方がより合理的であろう。もともと業務用途であったリバーサルが先に廃れていったのもそういうことだろう。やはりフィルムで撮るならカラーネガ独特の柔らかい階調と粒状性を生かさなければ有り難みがないのだ。


鳥見山公園 2012年11月 F3 / AF Nikkor 50mmF1.4D / EliteChrome 100

以上、しょーもない写真ばっかりでわざわざフィルムで撮らなくてもいいのだが、早く終わらせるために撮っただけだ(苦笑)。同じシーンをデジタルでも撮っているが、やはりフルサイズの方が立体感(要はボケが大きいという意味)がある。やっぱり写真はフルサイズがいい。フルサイズが安くなるまでニコンはお預け、それが最も賢いのではないだろうか? そうやって物欲を鎮めるのであった。(爆)

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