K-30 vs E-PL5 高感度対決!

投稿日:2014年9月5日 更新日:

デジタルカメラ

相変わらずE-PL5はまったく使ってないし、カメラに興味もない。カメラ2台で比較するのは超めんどくさいんだが、少し涼しくなったので重い腰を上げて高感度対決をやってみた(笑)。

E-PL5の画像をちらっと見て、APS-Cよりは1段くらい落ちるという感触は持っていたのだが、実際にガチで勝負してみたらどのくらい違うのか、同じ条件で比較してみないとわからない。これをちゃんとやっておかないと、E-PL5を安心して使って良いのかもわからないのだ。そこでいつもの滝で高感度テストを行ってみた。下の写真がテスト画像の全体で、ISO100でf8・1秒というかなり暗い条件だ。この写真の上部、不動明王の周囲を切り抜いて等倍で掲載している。百聞は一見にしかず、ノイズリダクションなしの等倍画像で画質の差を評価していただこう。

20140905_132548
K-30 / SIGMA 17-50mmF2.8EX DC ISO100 f8 1秒

高感度ノイズなんてカメラの画像処理エンジン次第でいくらでも変わってくるから、素のRAWファイルで比較しないと意味がないんだ。両方ともLightroomで現像して、カラーノイズ低減はデフォルト値の25、輝度ノイズ低減は0としている。つまりカラーノイズ以外はまったく処理しない状態だ。これで画像処理エンジンに依存しないセンサーの素の特性が比較できるはずである。

まずK-30から見ていこう。サムネイルをクリックすると等倍画像を表示する。

K30_ISO-1
ISO200

K30_ISO-2
ISO400

K30_ISO-3
ISO800

K30_ISO-4
ISO1600

K30_ISO-5
ISO3200

K30_ISO-6
ISO6400

K30_ISO-7
ISO12800

K30_ISO-8
ISO25600

次にE-PL5を見てみよう。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
ISO200

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
ISO400

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
ISO800

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
ISO1600

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
ISO3200

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
ISO6400

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
ISO12800

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
ISO25600

さて、どうだろう? K-30では少なくともISO800まではノイズが感じられないが、E-PL5ではISO800でも明らかにノイズが感じられる。K-30の超高感度域はISO3200まではディテールの損失も少なく許せる範囲だと思うし、ISO6400でもA4サイズまでなら実用範囲だと思う。一方、E-PL5は個人的にはISO1600までが限界、ISO3200は小サイズならという条件付きで使っても良いと思う。ISO6400以上はもう無理だ。

ISO12800になるとK-30はまだ見られないことはないが、E-PL5はディテールの損失が著しい。ISO25600はどっちも使えるレベルじゃないけど、K-30ではカラーバランスの崩れが顕著で、緑かぶりの傾向がある。E-PL5はそれほどカラーバランスが崩れないので、VGA程度の縮小が前提であればE-PL5の方が良く見えるかもしれない。

大まかに言って、E-PL5のISO1600がK-30のISO3200相当、E-PL5のISO3200がK-30のISO6400に相当すると思って良いだろう。やはりAPS-Cより1段分落ちるという感触は正しかった。センサー面積が約半分なのだから当然の結果だ。したがって個人的には、K-30の常用感度をISO1600までとするなら、E-PL5の常用感度はISO800を上限とし、ISO1600はやむを得ないときのみ使うという運用にしたいと思う。

OM-Dが登場した頃、高感度画質は135センサーより良いと本気で抜かしていた写真家がいたのを覚えている。きっと鵜呑みにしてしまった人も多いのだろう。カメラ雑誌などでもOM-Dの高感度は凄い、ISO6400でも余裕だという噂だけが一人歩きしていた。だからE-M5はバカ売れした。でもそんなバカなはずがあるか! 別にOM-Dの画質が特別凄いんじゃなくて、それまでのパナセンサーが糞すぎたため、劇的に良くなったように錯覚しちゃっただけなのである。やっと普通の画質になったというだけに過ぎない。

OM-Dの高感度画質が良いと錯覚する理由、それはオリンパス特有の強力なノイズリダクションにある。オリンパスの画像処理は、とにかくディテールを塗り絵のように潰してノイズを完璧に消そうとする傾向がある。これを「塗り絵リダクション」と呼びたい(爆)。それに騙されて見かけ上高感度ノイズが目立たないだけなのだ。

下の画像はISO3200でカメラが出力したJPEG画像だ。この場合、ノイズリダクションは「弱」となっているが、それでも細部のディテールが潰れて塗り絵っぽくなっているのがわかるだろう。上のISO3200の画像と比べていただきたい。確かにノイズは目立たないかもしれないが、これだけディテールが失われると決して良い画質とは言えない。むしろノイズリダクションをかけない方がまだマシだろう。

EPL5_ISO3200_JPEG
ISO3200のJPEG画像(高感度ノイズ低減:弱)

よく画像処理エンジンの進化により高感度画質が向上したなる説明がされることがあるが、それはおかしい。センサーの出力する素の画像が良くならない限り、画質が向上するはずがないのだ。画像処理エンジンで良くなったように見えるのは、単に高感度ノイズをごまかして見えにくくしただけのこと。いくらいじっても劣化するだけで素の画像より良くなることはあり得ないのだ。そこに騙されちゃいけない。すべてはセンサー性能で決まるのだ。画像処理エンジンは単なる「ノイズごまかし装置」に過ぎない。RAWで撮る限り画像処理エンジンなどまったく関係のないものであり、センサー性能にのみ注意を払っていればよい。

これでマイクロフォーサーズはセンサーの純粋性能においてAPS-Cを超えることは絶対にないことがわかったし、同一センサー面積で比較すれば同等の性能であることもわかった。要するに今までのパナセンサーが糞すぎただけのことだ(爆)。

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