現実を見ろ!

投稿日:2012年10月28日 更新日:

デジタルカメラ

このところD7000だ、D5100だ、はたまたK-30だ・・と頭の中で絶えずグルグル回っている。こういうのを妄想という。だいたい妄想というものは買う気がないから迷うのである。本当に必要なものがあれば迷ったりはしない。言ってみれば脳内仮想シミュレーションだ。

妄想に耽るのは自由であるが、現実を直視することから目をそらしてはいけない。この超緊縮財政下でカメラなど買ったらどういうことになるか? それを考えると妄想など一瞬にして吹っ飛ぶはずだ。カメラを買うことで現実から目をそらそうとするのは、薬の副作用を抑えるために飲む薬の副作用に苦しむようなものだ。あるいはサラ金に返済するためにさらにサラ金から金を借りるようなものともいえる。こういうのを末期症状と言うのだ。何の解決にもなっていない。

そもそもなぜ新しいカメラが必要なのか、その理由を論理的に説明できるか? たとえばの話、会社で物を買うときのことを考えてみよう。会社で何か大きな投資をするためには、それを導入することによりどのような効果があり、業務改善に寄与するかを筋道立てて説明できなければ絶対に決裁は下りない。つまり費用対効果が重要なのだ。

では新しいカメラを購入することにより、どんな効果があるのか? 逆に言えば、なぜ現状ではダメなのか、それを論理的に説明できるか? たとえばD7000なりK-30に求めているものといえば、高感度特性だ。ほとんどそれだけと言ってもいい。ISO3200が普通に使えるのが羨ましくてたまらないだけなのだ。また逆に言えば、なぜフォーサーズではダメなのか? 確かにフォーサーズは高感度に弱いから、せいぜいISO800が限界だ。最新APS-C機より約2段分は劣る。しかし、ISO200くらいの低感度で撮影した画像はまったく区別が付かない。いやそれどころかフォーサーズの方が優秀でさえある。最近各レビュー記事のサンプル画像を見比べているのだが、D5100やK-30が吐き出す画像はどこか甘く、まったく大したことないなという印象である。それはレンズのせいでもあるだろう。しょせんキットに付属の安物ズームではズイコーデジタルには敵わないのである。E-PL2の画像の方がむしろ解像感があるように見える。それらのカメラで満足できる画質を手に入れるためには、レンズにもそこそこ投資が必要なのは言うまでもない。

したがって低感度で撮る限り、それらのAPS-C機と同等の画質を投資ゼロで手に入れられるのだ。高感度が欲しいと言ったって、ISO3200のような超高感度をいつ使うのか? そのようなシチュエーションは思いつかない。自分は日中屋外でしか撮らないから、ISO200で十分だし、せいぜいISO800まで使えれば何も困ることはない。またどんなに暗い状況でも三脚を立てれば低感度でいくらでも撮影が可能である。素人は誤解しているが、暗所は高感度でなければ撮れないというわけではないのだ。つまり、運用でカバーできる範囲だ。

それにフォーサーズなら現状で135判換算20mmから400mmまでの焦点距離が一通り揃っている。あとマクロレンズもある。これだけあればほとんどの被写体に対応可能だ。もし他マウントへ行けば、また一から揃えなければならなくなる。むやみにマウントを増やすことは最も不経済だ。現実を直視すれば、そんなことは絶対ムリであることは火を見るより明らかであろう。

したがって、現状で困るという理由は何もないし、新しいカメラが必要な理由も何もない。もし新しいカメラを買ったら良い写真が撮れるか? その答は明確にノーである。つまり、費用対効果はゼロなのだ。これがまだレンズなら話はわかる。たとえば、野鳥を撮りたいと思ったら少なくとも500mm以上の超望遠レンズがないと話にならないだろう。その場合、レンズを購入することには必然的な理由があるし、費用対効果はゼロではない。少なくとも使用目的によってレンズを購入することは決して無駄な投資にはならない。買うならボディーよりレンズと言える。

では原点に戻って、なぜ新しいカメラが欲しいのか? ズバリ言おう。その理由は「ただ欲しいから」、それだけである(爆)。「ただ欲しいから」で決裁が通る会社がどこにあるか! バカもほどほどに言え! これからは自分が決裁者だと思って、納得させられるように費用対効果を論理的に説明しなければならない。それができない買い物は正当性がないわけだから、決して決裁してはならない。

「ただ欲しいから」買う。それが物欲というものだ。ごもっとも。物欲は本能だから理由などない。しかし物欲の暴走を抑えないと身を滅ぼす。カメラの他にも投資すべきものはたくさんある。しかし使える資産は限られているのだから、それらの中で優先順位を付けなければならない。自分はなぜかカメラだけは特別なのだ。他のものは我慢できてもカメラだけは我慢できない。必ずカメラが最優先になってしまう。しかしこれまで述べたように、冷静に考えれば新しいカメラを必要とする合理的理由はまったく見つからない。つまり最も優先順位の低い買い物なのである。現状で何も困っていないのだから、それは間違いない。だからカメラに注ぎ込む金があったら他に回すべきだ。

というわけで、少額ではあるが、とあるブツを発注した(結局はポチったのであるが)。それは現有するレンズ資産を低コストで活用するためのものだ。それについては後日ネタにしたいと思う。

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