フォーサーズアダプター MMF-2をゲット

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デジタルカメラ レンズ

この前ちょっと予告したが、今月カメラ関係で唯一ポチッたものがこれだ。フォーサーズ用のズイコーデジタルレンズをマイクロフォーサーズで使うためのアダプター。現在は防塵防滴構造のMMF-3が発売されているが、どうせレンズもボディーも防塵防滴じゃないので、そんなものはいらない。旧型のMMF-2で十分だ。それでも一般の販売店で買うと最安で15000円もするのだが、ヤフオクで新品を9200円で入手することができた。


これまでマイクロフォーサーズに投資することを禁じてきたが、これを機に解禁だ。今までマイクロ専用のレンズはMZD 14-42mmF3.5-5.6II一本しかなかったので、これで使えるレンズが一気に増えた。今持っているフォーサーズ用レンズといえば、

ZUIKO Digital 14-42mmF3.5-5.6
ZUIKO Digital 40-150mmF4-5.6
ZUIKO Digital 35mmF3.5 Macro
SIGMA 10-20mmF4-5.6 DC EX

の4本があるから、これがすべてマイクロでも使えるようになる。1万円未満でこれだけの効果があれば、安い投資と言えるだろう。もちろんOMズイコーなどはアダプターを介してMFで使うことはできるのだが、AFが効くのはこれだけしかない。一般にフォーサーズ用のレンズをマイクロに付けてもAFが遅くて使い物にならないと言われているが、それは本当なのか確かめてみたかったのだ。他人がダメと言っているものでも、自分で確かめてみないと気が済まない性分だ。E-PL2のAF速度にしてもそうだった。他人は遅い遅いと言っているが、自分には超高速に感じられた。他人の意見などしょせんそんなものである。惑わされてはいけない。

今回はその中でもZD 40-150mmF4-5.6について試写してみた。これはE-520ダブルズームキットを購入した際に付いてきたものだが、実はこれまであまり使っていなかった。だから描写性能もよくわかっていなかったのだ。E-620よりE-PL2の方が解像感が上がっていることもあって、真の実力がどれほどのものか今一度確認してみようと思った。


E-PL2にアダプター経由で取り付けるとこんなに大柄になってしまうが、実はマイクロフォーサーズ用のMZD 40-150mmF4-5.6の方が全長は11ミリも長いのである(マイクロのくせに)。だからアダプターの分と合わせるとほぼ同じになってしまうのだ。このレンズがちゃんとAFで使えるなら、わざわざマイクロ用の望遠ズームを購入しなくても済む。もともとこのZD 40-150mmF4-5.6はMMF-2込みでE-PL1のダブルズームキットに同梱されていたものだから、使えないはずはないと予想する。

それでまずAFの使い心地だが、結論から言えばまったく問題なく使える。確かにマイクロ専用レンズに比べれば遅いけれども、感覚的には1~2秒で合焦する感じだ。動体を撮るには遅すぎるだろうけど、自分のように静物しか撮らない者にとっては何の問題もない。E-620のライブビュー時に比べたらずいぶん速く感じる。このレンズはもともとコントラストAFに対応したタイプだから、フォーサーズのレンズとしてはかなり速い方だ。そして迷って合わないなんてこともなくて、最終的にはきっちり合焦する。しかもコントラスト式だから精度は非常に高い。自分的には、いくら遅くてもちゃんと合ってくれさえすれば、それでいいのだ。

以下、E-PL2で試写してみた結果をいくつか載せておく。特に断りがない限り、絞りはf8としている。


これは短焦点側40mm端での描写(クリックで拡大)。


上の中央部分の等倍クロップ。樹木の葉っぱなどもきっちり解像している。


これは長焦点側150mm端での描写(クリックで拡大)。


上の中央部分の等倍クロップ。これまでE-520やE-620のような位相差式AFでは150mm端でピントを外すことが多く、どうも甘い写真しか撮れなかったのだが、コントラスト式だけあってピントはバッチリだ。150mm端の開放はやや甘いが、1段絞ればこれだけシャープな描写になる。


今度はかなり遠方の建物を150mm端で撮影(クリックで拡大)。


コントラストの低い遠景でもピントはしっかり合っているし、文字もちゃんと解像している。


これは中間域の79mm(135判換算で158mm)で撮影(クリックで拡大)。


上の右端やや上寄りの等倍クロップ。数キロ先の建物までくっきり解像している。


こちらは右下隅あたりの等倍クロップ。周辺でも惚れ惚れするほど高い解像力を示している。このレンズは40-100mm域での描写が特に良く、150mm端ではやや甘いと言われているが、確かにその通りだと思う。このくらいの中間域で使うのが最も美味しいところといえる。


今度は近景を写してみた。焦点距離は58mm、絞りはf6.3としている。背景がこのくらい単純なシーンではコントラスト式AFでも迷うことはなくて、一発で合ってくれる。


上の中央部分の等倍クロップ。ススキの綿毛までしっかり解像しているのがわかる。近景でもピントはバッチリだ。


今度はさらに近づいて逆光のススキを撮影(クリックで拡大)。焦点距離は48mm、絞りはf8としている。このようにゴチャゴチャした被写体では狙ったところにピントを合わせるのは非常に難しい。背景が草など、コントラストの高いものだと後ろへピントが行ってしまうことも多い。コントラスト式AFの弱点といえる。この場合、狙いよりも後ろの方の穂にピントが合ってしまった。こういう時は素直にMFに切り替えた方が早いと思う。

というわけで、これ以外にもいろいろ試写しているが、ピントが合わないということはまったくなかった。たまに意図しないところに合ってしまうことはあるけれども、ピントが合った部分はシャープに写っている。そして解像力も非常に高い。どうもこれまでこのレンズは誤解していたようだ。フォーサーズボディー、特にE-520で使うとAFの精度が悪く、どこにもピントが合っていないような甘い写真が撮れてガッカリしたものだ。それが実力だと思っていた。これは位相差式AFの欠点ともいえるが、実際の撮像面でピント合わせをしているわけではないのでどうしても誤差が生じる。それが150mmくらいの長焦点になるとわずかなズレでも目立ってしまうのだ。E-520の場合、必ず前ピンになる癖があった。しかしAF微調整機能のないボディーではどうしようもない。E-620では精度はかなりマシになったが、それでもたまに外してくれることがある。その点、コントラスト式AFのマイクロフォーサーズでは原理的に誤差が出ないので、ピントは非常に正確だ。少々時間がかかったとしても、きっちりピントが合うことの方がよっぽど良い。

これでZD 40-150mmF4-5.6はマイクロでも十分実用になることがわかった。そんなに望遠を使う機会はないので、当面これだけで十分だろう。40mm前後の焦点距離では14-42mmの望遠側かどっちを使うか迷ってしまうが、やはりこちらの方が描写は良いと思う。そして1段分明るいこともあって、ボケ味も良い。MMF-2込みでも約260gと軽量なので、MZD 14-42mmF3.5-5.6IIとコンビで使うのも負担にはならない。

MMF-2を買ったことにはある狙いがあって、今後マイクロフォーサーズを中心に据えようということだ。もちろん自分は従来のフォーサーズにもまだまだ未練はあるのだが、今のところ新機種が出る望みがないので、いずれE-620は古くなってしまう。そこでフォーサーズの将来が確定するまでの間、ボディーはマイクロフォーサーズで随時最新のものに置き換えていくという考えだ。いろいろ考えたのだが、デジタルカメラにとって一眼レフよりもミラーレスの方がより合理的なシステムであるという結論に至った。そこで今後マイクロ専用のレンズを揃えていくこともあるが、フォーサーズ用レンズをあえて買うという選択肢も生まれる。この期に及んでフォーサーズのレンズを買うなど愚の骨頂とも言われているが、とりあえずマイクロで使えるなら無駄にはならない。そのためにちゃんとAFが使えることを自分で確かめたのだ。遅いには遅いが、耐えられないほどではないし、きっちり合ってくれさえすればそれでいい。どうしても合いにくいときはMFで使えばいいだけのことだし、MFアシストの使い勝手が良いのでMFも楽々とできる。フォーサーズのレンズは使い物にならないなどと言う他人の意見に惑わされてはいけない。

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