デジタルカメラ

「フォーサーズ後」をめぐる逡巡

投稿日:2012年8月7日 更新日:


五箇山相倉集落 2011年8月 E-620 / ZUIKO Digital 14-42mmF3.5-5.6

フォーサーズがいつ終わるかわからないという状況から、このところ落ち着かない。もちろん、たとえオリンパスがフォーサーズをやめようとも、今あるシステムが急に使えなくなるわけではなく、それこそ壊れるまで使い倒せば良いだけの話だが、常に進化を求められるデジタルカメラの世界では新製品の出なくなったシステムなどもはや何の魅力もないのである。

そういうわけで「フォーサーズなき後」を見据えた新たなシステム導入について、あれこれと考えを巡らせ始めた。こうなるともう止まらなくなるのが自分の常で、常に数機種が入れ替わり立ち替わり候補に挙がって、日替わりで首位交代、酷いときには1時間ごとに考えが変わるという果てしのない無限ループが繰り返されるのである。(苦笑)

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まず最も無難な選択と思われるのはニコンへの乗り換えである。というのも、フィルム時代はニコンを使っていたので、今も何本かのレンズを所有しているからだ。一応、24mmの広角から200mmの望遠、マクロに至るまで、一通りのラインナップは揃っている。しかし、それはフルサイズでの話であるから、APS-Cサイズになると全部望遠寄りになってしまう。一番短い24mmであっても、DXフォーマットでは36mm相当になってしまい、決定的に広角側が不足する。かといってFXフォーマットは経済的にとても現実的ではなく、DXフォーマットの中から選ばざるを得ない。DXフォーマットの中ではダントツに優れているのは言うまでもなくD7000である。ひと頃は高嶺の花であったが、最近は価格もこなれてきて、7万円台前半まで下がってきている。この秋頃には後継機発表の噂もあるので、そろそろ底値というところなのだろう。このくらいの価格なら何とか頑張ってギリギリ手の届く範囲だろう。しかしボディーだけ買ったとしても、手持ちのレンズはすべて望遠寄りになってしまうため、あくまでも急場しのぎに過ぎない。広角側が36mm始まりというのは、広角を多用する自分にはどう考えても狭すぎる。どっちみちDX専用のレンズは購入しなければならないわけで、そうすると結局は10万円超コースになってしまう。それは経済事情が許さない。

次善の策として考えられるのは、下位機種のD5100である。この機種は昨年発売されたばかりであるが、すでに底値に近づいており、現在は18-55mmF3.5-5.6Gのレンズキットが45000円を切るところまで来ている。レンズ付きでこの価格は非常に魅力的であり、とりあえずこれを買っておけば当面はレンズを買わなくても済むというメリットがある。D5100はD7000と同じソニー製1600万画素を搭載しているので、画質的にはまったく遜色がないと考えてよい。実にお買い得だ。しかしD5100の最大の問題は、モーターを内蔵したレンズでしかAFが効かないということである。昔からニコンのエントリー機はこういう露骨な差別化をしてくるところがいやらしい。現在手持ちのレンズはフィルム時代のものであるから、ほとんどがモーターを内蔵しないDタイプだ。モーター内蔵タイプと言えば、AF-S 24-85mmF3.5-4.5Gとシグマの70-200mmF2.8EXの2本しかない。このうち24-85mmは画角的に使いにくくなるし、唯一まともに使えそうなのは70-200mmのみとなる。ただそれも手ブレ補正は内蔵されていないから、シャープに撮るには三脚が必須になり、持ち出すのも億劫になる。もっともAFが効かなくても、じっくり撮れる状況ではMFで一向に構わないのだが、D5100はファインダーがしょぼいのでMFには向いていない。それにあのボテッとしたなで肩デザインがどうも気に入らない。おそらく、あのデザインは長く使っても慣れるということはないと思う。使えば使うほどイヤになってきそうなデザインだ。カメラというものは趣味の道具であるから、デザインの好き嫌いは重要である。いくら性能が良くても、気に入らないデザインのカメラは結局イヤになってくるのだ。あと量販店の店頭で何度も触ってみたが、操作性も良くない。ニコンのエントリー機全般に言えることだが、設定を変えるためにはいちいちインフォボタンを押してメニューを呼び出さなければならず、即座な設定が難しい。この辺は上級機と明確な差が付けられている。バリアングル液晶を採用した弊害として、ボタンの位置が他機種と比べて変則的になっていることも問題だ。結局、D5100を選ぶならデザインと操作性の悪さには我慢しろということなのだ。

自分は「大きなカメラは結局使わない」という持論があって、カメラというものはできるだけ小さいに越したことはないという考えがある。それは経験上、真実なのだ。フィルム時代からよく登山に持って行ったりしたが、その時はNewFM2のような小柄なボディーに28-70mmの普及型ズーム1本だけというスタイルが定着していた。ボディーとレンズを合わせて1kgを超えるような重量級カメラは邪魔でしかない。大きなカメラはいつも気軽に持ち歩くわけにいかず、必然的に使用シーンが限られる。現在のシステムでいえば、E-620の大きさが我慢できる限界と言える。これ以上大きなカメラは常に持ち歩く気になれない。D5100は厚みがあってE-620に比べると大柄だが、それでもニコン機としては小柄な方で、まあこれにキットズームを付けた大きさがギリギリ限界であろう。D7000になると、とても持ち歩く気にはなれない大きさと重さだ。いくら性能が良いとしても、結局持ち出さないのであれば宝の持ち腐れである。

そういうわけでニコンもいまいちなのである。何というか、ニコンのカメラは業務的で遊び心がないところがつまらない。そこで次に候補に挙がってきたのがペンタックスである。自分はこれまでコンデジも含めてペンタックスのカメラは一台も使ったことがない。したがってレンズ資産も皆無というわけだ。それにもかかわらずペンタックスが気になるのは、オリンパスと同様に独自のカラーがあって、ユーザーフレンドリーな操作性や遊び心にあふれた機能が用意されているからだ。ペンタックスと言えばイチオシは文句なしにK-5である。フラッグシップでありながら、あの大きさはすばらしい。オリンパスのフォーサーズにも通じるものがある。しかも最近は後継機の噂も出てきて、ボディー単体で7万円前後まで下がってきた。こうなると俄然物欲が湧いてくるのだが、冷静に考えるとレンズ資産が一切ないのであるから、すべて一から揃えなければならない。現状のE-systemと同等にするためにはいかほどの投資が必要なのか? それを考えると二の足を踏んでしまう。当面はキットレンズのみで済ますという手もあるのだが、K-5はすでに生産を終了したようで、このところ値上がりに転じている。DA18-55mmF3.5-5.6とのセットでは8万円近く出さなければならない。しかもこのレンズはペンタックスユーザーの間でも評判が芳しくなく、実際レビュー画像を見ても大したことないなという印象である。これならE-620のキットズームの方がよほど高画質である。というわけで、結局はちゃんとしたレンズが欲しくなるに決まっている。そうなると確実に10万円超コースだ。やっぱり経済的事情であきらめざるを得ない。

ところがペンタックスには思わぬ伏兵がいたのである。それはK-01だ。この機種はペンタックス初のミラーレス機であって、K-5と同等のソニー製1600万画素センサーを搭載している。したがって画質はK-5と同等、いやそれ以上という噂もある。あのヘンテコなデザインはペンタックスユーザーの間でも評価の分かれるところだが、この際デザインはどうでもいい。そんなことより新製品にもかかわらず異常な値下がりが続いていて、DA18-55mmF3.5-5.6付きで37,000円台まで下がってきているのだ。よほど売れないのだろうか? この値段ならばつい出来心でポチッと行ってしまいそうになる。何と言ってもK-5と同等の高感度特性であるから、これまで高感度に泣かされてきたフォーサーズユーザーにとっては喉から手が出るほどだ。それで本当にポチりそうなところまで行ったのだが、価格.comのクチコミを読んでいるうちにちょっと気分が萎えてきた。やはりどんな機種にも欠点はあるものである。中でも気になるのはセンサーのクリーニング機能だ。この機種は廉価版であるから超音波振動式ではなく、手ぶれ補正機構を利用して単純にセンサーを揺らすだけのシステムが採用されているらしい。はっきり言って、これは気休めくらいにしかならないと思う。オリンパスのダストリダクションは業界最強で、これまでゴミなど気にしたこともなかったが、レンズ交換のたびにゴミを気にしなければならないなんて考えると憂鬱になる。それにミラーレスでありながら一眼レフと大差ない大きさというのも、使用シチュエーションを考えると一眼レフとの棲み分けがしずらい。ペンタックスはミラーレスであってもマウントを変えず、従来のレンズをすべて使えるようにしたところは英断であり、大いに評価するが、やはりコントラスト検出式に特化した専用レンズに比べるとAF性能が劣るのは否めず、キワモノ感は拭えない。後ろ髪引かれるものはあるが、熟考した結果、これもやはり候補から脱落することになった。

ニコンも駄目、ペンタックスも駄目となると、残るのは何か? この際、キヤノンとソニーはまったく考えない。自分の好みからはかけ離れているからだ。もちろんレンズ資産も一切持っていない。そこでここへ来て初めてマイクロフォーサーズという選択が生まれてくるのである。自分はこれまでマイクロフォーサーズには否定的で、光学ファインダーの付いていないカメラなどカメラじゃないと思っていた。「一眼」などという間違った日本語を生み出したこと自体が気に入らなかった。OM-Dが出たときも、あんな格好だけ似せた懐古趣味カメラを誰が買うか!と思っていた。それにマイクロフォーサーズはフォーサーズを終了に追いやった張本人なのであるから、そういう意味での反発もあった。しかし、考えれば考えるほどマイクロフォーサーズ、もっと言うとオリンパスに収束してしまうのである。

マイクロフォーサーズの場合、オリンパスとパナソニックがあるが、性能から言えばパナソニックが一歩リードしているのは間違いないと思う。もちろんOM-Dは別格であるが、価格的に論外なのでこの際考えない。現在最強のマイクロフォーサーズ機といえばパナソニックのGX1だろう。E-P3はあらゆる面で負けていると思う。特に動画を撮るなら絶対パナソニックだ。家電屋としてのノウハウがあるから、完成度がまるで違う。操作性にしてもパナ機の方がよく練られていて、万人受けするところだ。GX1は発売からまだ1年経っていない現行機種であるが、このところ急速に値下がりして、ボディー単体で35,000円を切るところまで落ちてきている。ただマイクロフォーサーズも対応レンズを持っていないから、結局レンズキットでないと使えない。そうなるとやはり5万円近くになってしまう。それにパナ機の最大の欠点は手ぶれ補正機構が内蔵されていないことだと思う。もちろん専用レンズを使う分には問題ないのだが、自分はOMレンズを使ったりもしたいので、やはりボディーに内蔵されている方が安心である。そうなるとオリンパスしか選択肢はなくなるのである。

かくして巡りに巡った結果、マイクロフォーサーズ、しかもオリンパスというところへ戻ってきてしまうのであった。究極のオリバカである。(爆)

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