PENTAX K-3 エクストラシャープネスの凄さを見た

投稿日:2014年1月15日 更新日:

デジタルカメラ

K3_sharp
K-3 / smc DAL 18-55mmF3.5-5.6AL

※リコーイメージングのモニターキャンペーンでお借りしているK-3を使用してレビュー記事を書いている。同じくモニターに当選された「So What? ~ 写真生活」のBigDaddy氏も新たなレビュー記事「Pentax K-3 レビュー その6 K-3+DA18-135mm、果たしてその実力は?」をアップされたので参考にされたい。

これまでカメラが吐き出すJPEG画像を使いたくない最大の理由はシャープネスにあると言っても過言ではない。一般的に言って、カメラが出力したJPEG画像はシャープネスの線が太く、細部の解像感が欠如している。特に酷いのはオリンパス。デフォルトの設定では解像感のなさをごまかすためかシャープネスが強くかかりすぎてガチガチの絵になっており、しかもノイズをごまかすために細部を潰して塗り絵にしてしまっている。JPEGだとコンデジと変わらない安っぽい絵しか出てこないのだから、どうしてもLightroomに頼らざるを得ない。またニコンはニコンでデフォルトのJPEGだとものすごく眠い絵しか出てこなくて、シャープネスを強くかけるとやっぱり線が太くなって下品な絵になってしまう。いずれにしても精細感あふれる線の細い絵を得るためにはLightroomで再現像するしかなかったのである。

自分がペンタックスに興味を持ったのは、JPEGの絵作りが上手だと聞いたからである。何でもシャープネスが優れており、他メーカーのように線が太くならずに解像感を強調できるらしい。それでK-30にも期待を持ったわけだが、結果は裏切られた。JPEGだとやっぱりモヤモヤした眠い絵しか出てこなくて、Lightroomで現像したのと比べると明らかに精細感が劣る。シャープネスを強くしてみたり、ペンタックス独自のファインシャープネスなるものも試してみたが、やっぱり線が太くなってガチガチの汚い絵になるだけなのだ。

ところでK-30にはなくてK-3にあるものといえばエクストラシャープネスだ。Ricoh Digital Camera Utility 5にもエクストラシャープネスは装備されていないから、どうしてもK-3本体がなければ体験することができない。そこでちょうど良い機会だからエクストラシャープネスの威力とやらを試してみた。聞くところによると、エクストラシャープネスはファインシャープネスをさらに強くしたようなものらしいので、大して期待はしていなかった。どうせ線が太くなってガチガチの絵になるのだろうと予想していたのだ。ところが結果は予想を大きく裏切るものであった。

トップの写真と同じRAW画像からノーマルシャープネス、ファインシャープネス、エクストラシャープネスに設定して現像した結果を以下に示す。シャープ量はいずれも0のままにしてある。クリックで等倍表示する。

K3_ns
ノーマルシャープネス0

K3_fs
ファインシャープネス0

K3_es
エクストラシャープネス0

まずノーマルシャープネスとファインシャープネスの違いはほとんどないことがわかる。よく見ればファインシャープネスの方が心持ち強く効いている気がするが、ぱっと見て区別できるほどのものではない。ところがエクストラシャープネスとの違いは誰の目にも明らかだろう。木の枝などを見てもものすごい精細感がある。カメラの出すJPEG画像でこれほど線の細い絵を初めて見た。これならLightroomで現像した絵と比べても見劣りしない。逆にLightroomでこれだけのシャープ感を再現するのはなかなか難しい気がする。

なるほど、これならペンタックスのJPEGはそのまま使えると言っている意味が理解できる。エクストラシャープネスだけは他とはアルゴリズムが根本的に異なるのだろう。いわば門外不出の秘伝のタレ(笑)。それをエントリー機には載せず上位機だけの特権にするのはペンタックスのしたたかな戦略だろう。純正の現像ソフトでもエクストラシャープネスに対応していないのは、やはり戦略か? もしそうならオリンパス並みのケチ臭さと言えるだろう。(笑)

ただエクストラシャープネスにもやはり副作用がある。それは空など平坦な色の部分でノイズが目立ってしまうことだ。それはもうISO200ですでに顕著なノイズが見えてしまう。したがってエクストラシャープネスは使用シーンを選ぶということで、ポートレートや花のクローズアップのように平坦な部分が多い被写体には避けるべきである。自然風景のように緻密な被写体に使ってこそ威力を最大限に発揮する。

まあエクストラシャープネスはJPEGですべてを完結したい人には願ってもない武器となることだろう。ただやはり万能ではないのであり、自分ならより柔軟に処理できるLightroomに軍配を上げる。RAW現像の手間をかければ同等の結果を得られるのだから、エクストラシャープネスがあることだけを購入理由にはしない。

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