幾坂池の一本桜は終わりました

投稿日:2022年4月1日 更新日:

風景写真


2022年4月 DMC-GM1S / G VARIO 12-32mmF3.5-5.6

これまで毎年のように撮ってきた幾坂池(杣之内町)の一本桜だが、今年は大きな異変が起きている。数年前から工事が始まっていたのだが、今年の3月21日に道の駅を兼ねた「なら歴史芸術文化村」がオープンし、一帯の環境が激変したのだ。

ご覧の通り土手の手前にフェンスが張り巡らされ、後ろには変な建物ができているのでどうやっても隠せない。以前のように土手の下から撮影したり、青空に抜くスッキリした構図で撮ることはできなくなった。以前はなかった菜の花畑ができているのもわざとらしい感じがする。これは明らかに人工的に作られた風景。こういうのを見て前より綺麗になったと喜ぶ人もいるのだろう。

さらに最悪なのが土手の上からの風景。以前は整地されていないただの土手だったが、今は道の駅と臨時駐車場を結ぶ連絡通路として整地され、すっかり眺めが変わってしまった。まだオープンして間もないことから道の駅は大盛況であり、この通路はひっきりなしに人が通る。土日はもちろん平日でも人のいない風景を撮ることは不可能。どこにでもある公園のようになってしまい、以前の素朴な風景を撮ることはできなくなった。

このようにクローズアップや部分切り取りであれば以前と変わらない写真を撮ることは可能だ。しかしこれではどこで撮った桜だかわからないので、別にここで撮る必然性もない。

池側からの眺めも一変した。以前は土手に金網のフェンスが張られていて邪魔ではあったが、さほど気にならないくらいの存在感しかなく、風景の一部に同化していた。今はそれの代わりに擬木の柵が作られているが、これが非常に目障りで邪魔。こういうのがあるだけでいかにも整備しましたという感じがして興醒めする。さらに右手に見える黒い建物はホテル。これがあるばかりに背景を空に抜くことができず完全に景観をぶち壊している。

相変わらずカメラマンは来ていたが、何を撮りに来たのだろう? 人のいない風景を撮りたければ営業開始前に来るしかないが、それでも昔のような素朴な風景を撮ることは二度と叶わない。もはやここは終わったと言って間違いない。せっかく来てもがっかりして帰るだけだから、もう来ない方がいい。

この施設、奈良県が100億円をかけて建設した知事肝煎りの大事業である。ただでさえ財政状況が厳しい奈良県なのにどこにそんな金があるのか? 早速、ハコモノ行政だの利権だの天下りだのと言われているが、わざわざこの場所にこんな施設を作ることの必然性が自分にはわからない。一応オープン直後に施設を見学してみたが、建物が立派な割に見るべき物が少ないと感じる。誰もがそう言っているし、一度来たら二度と来ないだろう。歴史マニアが見ても面白いと思えるものはないだろう。とても100億円の価値があるとは思えない。きっと一年後には廃れて負の遺産と化しているに違いない。自分に言わせれば巨額の税金を使ったただの自然破壊である。

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