K-3 / smc DA 18-135mmF3.5-5.6ED 18mm f7.1 ISO100
※K-3はリコーイメージングのモニターキャンペーンでお借りしているものです。
このところ天候が不安定でなかなか撮影に出られなかった。今日も雲は多いものの、時折日も差してまずまずの撮影日和になった。やっとまともに外で撮影できた次第である。撮影しながら感じたことなどを少し・・
K-3 / smc DA 18-135mmF3.5-5.6ED 24mm f7.1 ISO100
この前PEFで撮影してしまって大失敗したので、今度はすべてDNGで撮影した。現像はLightroom4で行っているので、カメラ本体の絵とは少々異なる。解像感を最大限に引き出すためにはどうしてもこうする必要があるのだ。それでK-3の絵を見た第一印象だが、すでにK-30の絵を見慣れているせいか、ローパスフィルターレスの凄さみたいなものは特に感じなかった。まあ想定の範囲内だ。
K-3 / smc DA 18-135mmF3.5-5.6ED 31mm f7.1 ISO100
それより気になるのはレンズの解像力の方だ。18-135mmはPhotozoneのレビューでは酷評されており、評価は決して高くない。またK-30キットレンズの18-55mmが2400万画素に耐えられる実力を持つのかも興味のあるところである。そこでこの2本を同じ条件で比較してみた。
こういう実験では像倍率の低い広角側で行うのが適している。なぜなら画素数が増えた分、より細部まで解像することができ、レンズの解像力が負けていないかどうかを判定できるからだ。望遠側で比較すると目の錯覚で解像感が高く見えてしまうから意味がない。そこで広角端の18mmで比較した。また絞りはレンズの収差を考慮し、最も描写が良くなるであろうf6.3に設定した。
K-3 / smc DA 18-135mmF3.5-5.6ED 18mm f6.3 ISO100
K-3 / smc DAL 18-55mmF3.5-5.6AL 18mm f6.3 ISO100
これが全体画像だが、よく見ると画角が少しというか、かなり違うことに気づく。18-55mmの方が明らかに広い。もちろん歪曲補正はかけていない。おそらく18-135mmは公称の18mmより長いのだろう。やはり高倍率ズームはどこかで無理をしているに違いない。
次に中央部分の等倍切り出し画像を示す。いずれもピントは中心の祠に合わせてある。
まず18-135mmの中央は非常に解像感が高い。おそらく最高クラス。後ろの木立までしっかり解像しているのがわかるだろう。全体にコントラストが高く、カリカリした描写をする。一方18-55mmの方は、それに比べるとやや柔らかい描写になる。しかし決して2400万画素に負けているわけではなく、画素数なりの解像感は出ていることがわかるだろう。
評価の低かった18-135mmがこれほどの描写をするとは驚いた。これだけ見れば18-135mmキットを選ばなかったことを後悔するかもしれない。しかし18-135mmには落とし穴があるのだ。それは周辺がダメということ。次に左端の木立の部分を比較してみる。
まあどちらもボケていることには違いない。この前18-55mmの広角端周辺は悪いと書いたが、18-135mmの周辺はそれに輪をかけて酷い。18-55mmはまだ許せるレベルだけれども、18-135mmは明らかに像が流れてしまっている。しかもf6.3まで絞ってこの状態なのだ。開放だと周辺はボケボケで使い物にならない。おまけに周辺光量落ちが酷く、まるでトイカメラで撮影したみたいに四隅がケラれる(笑)。やっぱり周辺の開放はPhotozoneのレビュー通りの悲惨な結果であった。
結論として、18-135mmの開放はすべての焦点距離において甘いので、2段くらい絞らないと苦しい。やっぱり高倍率ズームはどこか問題があるんだよなぁ・・。また一つ高倍率ズームに対するトラウマができてしまった(笑)。ただ中心部の解像力は凄いだけに、本当にもったいない気がする。
K-3 / smc DAL 18-55mmF3.5-5.6AL 35mm f6.3 ISO100
今度は18-55mmの最もオイシイところである35mmの描写を見てみよう。この中央部分を切り出したのが次の写真だ(クリックで等倍表示)。
背後の木立などを見ると、さすがは2400万画素のローパスフィルターレスだと唸るのではないだろうか? そして18-55mmも2400万画素の威力を十分に引き出せていることがわかる。
K-3 / smc DA 18-135mmF3.5-5.6ED 21mm f7.1 ISO100
18-55mmをK-3に付けてみて、ボディ駆動のレンズではAFの速さがK-30とは違うことに気づいた。明らかに音が違うのだ。K-30ではウイーンという感じだったのが、より甲高い音でジュビッと実にキビキビ動く。やっぱりモーターのパワーが違うのだろう。この気持ちよさには参ってしまった。本当にK-30がしょぼく見えてしまいそうでヤバイ。(爆)
K-3 / smc DA 18-135mmF3.5-5.6ED 48mm f7.1 ISO100
ペンタックスのカメラでよく問題になるピント精度だが、手元にある個体では特に問題は感じていない。無限遠にきっちりピントが来ている。したがってAF微調整はオフのままである。
K-3 / smc DA 18-135mmF3.5-5.6ED 135mm f7.1 ISO100
K-3 / smc DA 18-135mmF3.5-5.6ED 40mm f7.1 ISO100
最後に、たまたまモアレが発生してしまった画像をお見せしよう。これは等倍で部分切り出ししたものだ。赤いトタン屋根の部分に見事にモアレが発生しているのがわかる。
K-3 / smc DA 18-135mmF3.5-5.6ED 18mm f7.1 ISO100
やはり広角端では波板のパターンが解像限界に近くなるのでモアレが出やすい気がする。しかしモアレが出ているかどうかはPCで開いてみないとわからないところが難点なのだ。ローパスセレクターの効果についても検証してみたいのだが、意図的にモアレを出すことは至難の業。しかも現地では確認できない。同じ場所に行ったとしても、光線の加減で出たり出なかったりする。したがって、この検証をやるには自宅の窓から撮影するしかないと思っている。(笑)
コメント
こんばんは。とても分かりやすい解説で、参考になります。
18-135mmってそんなに悪いレンズじゃないと思うのですが、こうも周辺部の写りがひどいと選ばなくてよかったと思いますね。追加で買おうと思ってましたが、止めようかな・・・。
いろいろな道具にも共通でいえることですけど、長所があれば短所もついて回るのは宿命ですね。そこを使う者がどこまで妥協できるか、が決め手になるんでしょうね。
>Kanさん
これだけボロクソに書いて売り上げ減らしたらすぐ返せ!って言われそうですね。(爆)
でも事実なんだから仕方がない・・
まあ高倍率ズームはすべて良いことばっかりじゃないんですよ。
本当に完璧なら他のレンズは要らないわけですからね・・
開放はダメですけど、f8に絞れば普通に使えるレンズだと思います。
買うならやっぱりシグマかなぁ・・(爆)
画角が異なるのはちょっとびっくりしました。このレンズ、以前も何度か使っていますが、そういうテストしなかったもので(笑)。インナーフォーカスのズームレンズは近影撮影だと、撮影倍率が下がって、画角が広くなるんですが、そういう仕様じゃなく、単に画角が狭いって面白いですね。これ、うちでもちょっとテストしてみようかと思いました。
うちに来ている18-135mmの18mm側は2段絞っても周辺はほとんど改善されない印象がありますねぇ。これも個体差でしょうか。ただSigmaも使っている旧型は同じく絞っても改善されません。Sigmaの現行品がどの程度良くなっているかでしょうか。
18-55mmとの比較、お疲れ様です。やっぱり13-135mmの方が色が濃いですよね。実は、この濃さが結構気に入っちゃいました。135mm側もピントが合えば及第点なんで、もしかしたら、いつか、雨の日用、旅行用として買っちゃうかもしれません。
最後に情報を1つ。近々ネタにしますが、FA50mmF1.4とK-3、このコンビ、半端じゃありません。カリカリです!。F2.8ですでにカリッ!、F4でカリカリ!。レンズを絞らなくて良いので、夕暮れ時に使っています。
>BigDaddyさん
ぜんぜん気づきませんでしたけど、言われてみると18-135mmの方が微妙に色乗りが濃いですかね?
これだけ画角が違うと像倍率の影響も出てくるので、解像感比較はちょっと割り引いて考えないといけませんね。もちろん18-55mmと18-135mmの差が小さくなるということです。
18mm時の周辺画質はf8まで絞ったら我慢できる程度には良くなると思います。ただいくら絞っても完全には改善されないので、やはり18-55mmと同じく像面湾曲の影響なんでしょうか?
FA50mmF1.4ってまだ現行品だったんですね。(笑)
DA50mmF1.8は開放でソフト、F4まで絞るとカリカリと言われてますが、どっちがいいんだろう?
レビュー、順調に進まれていますね。新しいレビューへのコメントはまた後ほど。とにかく、今、自分の書くレビューで一杯一杯なもので(笑)。
さて、18-135mm、今日、遠景でテストしてきたんですが、思った程、悪くはなかったです。ただ、やはり、こちらの記事で指摘されている通り、像の流れは異常ですね。18mm側だけだと思っていましたが、24mmで撮影しているコマがあり、その焦点距離でも、あれっ?、俺またブレちゃった?、と言うくらいひどい絵でした・・・。勿論、中央は解像しています。
さきほど気付いたので、数日後のネタになりますが、悪くはないけど微妙・・・、そんなレンズかもしれませんねぇ。なんだろう、像面湾曲だけじゃなく、そもそも広角側の設計に無理があったのかもしれませんねぇ。
>BigDaddyさん
レビューが次々と溜まってきて書くのが大変ですね。(笑)
実質使えるのが明日だけなんですが、あれもこれもって思っても結局できないんですよね・・
18-135mmは確かに微妙ですね・・
中心部はすごく良いと思うんですが、周辺は18-55mmとどっこいどっこいで・・
高倍率はどうしても無理が出てくるんで、こんなものでしょうね。
まあ18-55mmの広角側周辺も相当良くないです。
やっぱりシグマ17-70mmか17-50mmを買わないといけないんですかね・・
18-135mmもHDタイプが出るとかで最近値下がりしてますけど、買うかどうかは微妙です。(笑)