Come back to PENTAX

投稿日:2017年4月7日 更新日:

デジタルカメラ レンズ

幸か不幸かD5300の価格が高止まりしていて手を出すことができなかった。そしてNikonは帯に短し襷に長し、ちょうど良いカメラが存在しないことで候補から外れた。かといってm4/3をこれ以上増やしても仕方がないので、APS-Cとなると残るはSonyかFujiしかない(Canonは対象外)。しかしどっちもレンズの選択肢が少なく、ボッタクリ価格なのが気に食わない。

となると、残るはPENTAXしかないじゃないか(爆)。なんで一番近道を避けて遠回りしてるんだよ? これまで惚れたカメラはK-70とK-S2しかない。惚れてもいないカメラなんて買えるわけがないんだよ!

そこへ突如AmazonのタイムセールでK-S2+DA18-135WRキットが60,500円というビックリ価格で出てきた。しかもカラーは選び放題だ。価格.comで調べてみたが、間違いなく過去最安値である。現在K-S2のボディー単体が49,000円だから、DA18-135WRを11,500円で買えることになる。またDA18-135WRは単体で34,000円だから、逆に言えばK-S2を26,500円で買えることにもなる。

今さらK-S2を買ってどうするのか?という話もあるが、この際ボディーはどうでもいいんだ。PENTAXは全て処分したから、とにかくレンズを手に入れなければならない。K-70をレンズ込みで買うと最低でも9万以上になるので、とても手が出ない。だからレンズ込み60,500円というのはものすごく魅力的だった。

そこで気になるのはDA18-135WRというレンズの性能と、今さらK-S2を買って後悔しないか?ということだ。DA18-135WRは以前RicohからK-3を借りたときに使ったことがあり、広角端で周辺が流れるなどあまり良い印象がなかった。一度は糞認定されたレンズである(笑)。またK-S2も一時は惚れ込んでいて絶対買うと決めていたカメラだが、K-70の登場で存在が霞んでしまった。だからいくら安くても安易には手を出せない。しかしタイムセールだからグズグズしているとなくなってしまう。ポチるまで半日はどっぷり悩んだよ(笑)。

購入を決意するまで当然、以前撮影したDA18-135WRの画像をもう一度見返してみた。するとどうだろう、案外悪くないんじゃない? 18mm端や135mm端の周辺を除けば普通に良く写るレンズだ。それどころか中心部はものすごくシャープで色乗りも良い。高倍率ズームなんだから両端が落ちるのはまあ当たり前のことで、中間画角は文句なしに良い。こういうレンズは厳密な画質を追求するよりも一本で済む利便性を享受すべきレンズだろう。しかもWRだからボディーとセットで完全な防塵防滴システムが完成してしまう。単体で34,000円出すなら別だけど、実質11,500円で買えるんなら買わないと損じゃないか?

というわけで、全く想定外であったDA18-135WRが急にクローズアップされてきた。もちろんK-S2もK-70に比べて大幅に劣るわけではない。これはやっぱり買いだ。ゼロからの出発になるけれど、システムを再構築するにはちょうど良い機会だろう。以下、購入に至った理由について述べてみる。

なぜDA18-135WRなのか?

純正であることの優位性

以前SIGMA 17-50mmF2.8を使っていて画質には満足していたが、広角側でAFが合わないという問題があった。それで一度SIGMAに送って調整してもらったのだが、多少は改善されたものの、やはり広角側ではAFが暴れて全く使い物にならなかった。結局MFまたはライブビューでの使用を余儀なくされたのである。同じ広角でもDAL18-55なら問題なくピントが合う。これはやっぱり純正でないから相性に問題があるということだろう。

またSIGMA 17-50mmF2.8で評価測光を使うと必ず露出がオーバーになるという問題もあった。やはり純正ではそのようなことは起こらない。おそらく評価測光では絞り情報だけでなく、周辺光量落ちの影響なども考慮して総合的に露出を決定しているのだろう。純正レンズ以外ではそういう情報がボディーに伝達されないわけだ。

もちろん純正レンズであればLightroomで自動的にプロファイル補正が効くという利点もある。やはり純正には純正の良さがあるのだ。

常用画角を完全にカバー

DA18-135WRは135換算で28-200mm相当となる7倍ズームである。自分は望遠をめったに使わないため、このくらいあれば日常的な撮影をほぼ全てカバーすることができる。つまりレンズはこれ一本あれば十分なんだ。あと買い足すとしても、SIGMA 70-300mmやDA35mmF2.4あるいはDA50mmF1.8あたりがあれば十分だろう。

ダブルズームキットならDAL18-50REとDAL50-200WRの組み合わせになるが、50mm近辺というのは最も使用頻度の高い画角なんだ。そこで画角が分断されるということは、頻繁にレンズ交換しなければならないことになる。実際にはそれが面倒で標準ズームだけで撮ってしまうことが多い。17-70mmでもやっぱり望遠側が物足りないし、18-135mmを切れ目なくカバーできるのは物凄く使い勝手が良い。

防塵防滴である

これまでK-30を使っていてもレンズが防塵防滴じゃなかったから、雨の中では使えなかった。DA18-135WRとK-S2の組み合わせなら完全な防塵防滴システムが実現できる。つまり雨でも安心ってことだ。

質感が高い

レンズキットに付いてくるDA18-135WRは単体販売品と全く同等である。つまりフードは付属しているし、もちろん金属マウントでクイックシフトフォーカスも効く。

以前使ったことがあるからわかるけど、このレンズはとても質感が高い。鏡胴は何と金属である(触ってみれば冷たいからわかる)。ズームリングもしっとりした重みがあり、勝手に伸びたりしない。やはり安物のキットレンズとは作りが違うんだ。

ダブルズームキットも一応WRが付いてくるけど、あくまでもキット専用の廉価版である。フードは付いてないし、プラスチックマウント、クイックシフトフォーカスも効かない。しかも両方ともユーザーの評判は高くない。ほぼ糞レンズと言っても良い(笑)。ここはやっぱりダブルズームキットの選択はあり得ないだろう。

意外と小さい

高倍率ズームだからもちろん大柄なんだけど、Nikonなどの同等レンズに比べるとかなり小振りである。長さだけで言えばDAL18-55とそんなに変わらない。重さも400g台でまあ許容範囲。SIGMA 17-50mmF2.8のデカさには閉口していたので、この小ささはありがたい。何しろこれ一本で済むんだから、トータルの重量は大幅に減らせる。旅行には最適なレンズだ。

フィルター径が62mm

セコい理由だけど、62mm径の保護フィルターやPLフィルターはすでにあるので買わなくて済む。これ結構重要(笑)。

K-S2はK-70とそんなに変わらない

K-S2の方がカッコいい

K-70とK-S2は兄弟機なのでデザインは似通っているけれど、微妙に違うところがある。大まかに言ってK-70は少し丸くなっている。たとえばグリップ横の膨らみやペンタ部天井の形状、ペンタ部横の丸みなどがそうだ。どっちかと言えばD5300に一歩近づいたようなデザインである。

その点K-S2は全てが直線で構成されていてカッコいい。カメラは四角に限る。またK-S2にはあった上面のアルミパネルがK-70では省略されている。あれが高級感を醸し出していて良かったのだが、K-70では寂しくなってしまった。やはりコストダウンだろうか?

2000万画素の方が良い

「2000万画素で十分」ではなく、明らかに「2000万画素の方が良い」である。最近は2400万画素センサーがAPS-Cの標準となっているが、はっきり言って無茶ではないか? だって135センサーのD610やD750でも2400万画素だし、D5に至っては何と2000万画素しかない。センサー面積が135の半分しかないのに2400万画素も詰め込むのはどう考えても無理がある。APS-Cの限界を完全に超えてしまっているだろう。

D500が2000万画素で出てきたのは英断だと思うし、やはりAPS-Cにはそのくらいが適当。2400万画素あってもRAW現像に時間がかかって迷惑なだけ。

リモートケーブルは使えなくても良い

以前K-S2を買わない理由としてリモートケーブルが使えないことを挙げていたが、これもよく考えると別に必須ではなかった。シャッター切るだけなら赤外線リモコンで代用できるし、バルブ撮影でもシャッターをトグル動作にすれば赤外線リモコンの二度押しでOK。つまり天体撮影でも問題なしってことだ。

K-70ではリモートケーブルに対応したが、マイク端子と兼用なので高価な専用品しか使えない。あんなものに5,500円はないだろう。手持ちの汎用品が使えないんなら意味はない。

手ぶれ補正はそんなに変わらない?

K-70では手ぶれ補正が強化されて4.5段分になったということだが、1段分増えても実際には0.5段程度と考えるのが無難だろう。まあ誤差の範囲だ。しょせん2軸補正だから劇的な効果を期待するには無理がある。

リアルレゾリューションシステムは有用か?

これがK-70の目玉の一つではあるけれど、果たして実際に使うことがあるだろうか? 使用するには三脚が必須となるし、少しでも風があるとアウトだ。屋外ではあまり実用的とは言えない。

像面位相差AFはあまり意味がない?

まだK-70の実機を触ったことがないので確かなことはわからないんだけど、レビューによるとライブビュー時のAFは大して速くないらしい。像面位相差の効果がほとんどないとも言われている。もともとPENTAXのコントラストAFは他社に比べて速いため、像面位相差がなくても別に問題はない。

連写速度6コマ/秒は要らない

K-70ではK-S2の最大5.5コマ/秒に比べて微妙に向上しており、バッファも増えているが、自分は連写などしないので特に意味はない(笑)。

セコい理由(笑)

K-30で使っていた互換品の予備バッテリーや赤外線リモコンはまだ残っている。だから買わなくて済む(笑)。

それとPENTAX機ではRAWをDNGで記録することができるが、DNGならばLightroomをアップデートしなくても永久に使える。未だにLightroom4を使っているから、これもPENTAXを選ぶ理由になる。

買って良かったか?

言うまでもなく、デジタル製品は後発の方が必ず優れている。だから金さえあればK-S2よりK-70を買った方が良いに決まっている。しかし同じDA18-135WRキットで比較すれば3万円もの価格差がある。確かにK-70は細かいところで改良されて完成度が高まっているが、基本的な性能はK-S2と同じなんだ。その差が自分にとって決定的なものであればK-70を買う理由になるが、どうでもいい違いであればK-S2も検討に値する。型落ちを買うということはそういうことだ。価格差を考え、納得した上で買ったのだから後悔はない。

K-S2は発売から2年経ったが、ここへ来て本格的に投げ売りが始まったと言っていい。すでにブラックは高騰しつつあるが、カラーが選べるのは今のうちだ。今一番お買い得な一眼レフはK-S2であると言って間違いない。K-70はまだまだ高値安定しており、投げ売りが始まるにはあと一年は待たなければならないだろう。しかしその頃にはまた後継が出ているわけで、結局同じ悩みを抱えることになる。それならば安いうちにK-S2を買った方が良い。

それと良い意味で誤算だったのはDA18-135WRだ。以前使ったときは広角で周辺が盛大に流れる欠点が見られたが、今手元にあるレンズではなぜか流れが見られない。確かに開放では周辺にフレアのような滲みがあって甘いのだが、f5.6まで絞ると完全に解消する。気になる像の流れもなく、18mmからまったく問題のない描写をしてくれる。別に改良されたわけでもないと思うが、個体差なのだろうか? 以前持っていた悪いイメージは完全に払拭された。便利だし、中心部は恐ろしくシャープだし、普通に良いレンズである。

というわけで、DA18-135WRもK-S2もむちゃくちゃ気に入っている。これは最高のシステムだ。カメラを買うのって結局タイミングなんだよな。安いときが買い時。迷ってるとなくなっちゃうよ。今買えば秋までずっと使えるが、冬に買ったって何も撮るものがない。これで桜にも間に合った。

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