Nikon Capture NX-Dベータ版使用感

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降って沸いたような話だけれど、昨日ニコンからRAW現像ソフトCapture NX-Dのベータ版が突然リリースされた。名前が似ているので話がややこしいのだが、ニコンのデジタル一眼レフカメラに付属する無料版がView NX2で、単品販売している有料版がCapture NX2。当然Capture NX2の方が高機能である。今回リリースされたCapture NX-DはCapture NX2の事実上の後継にあたり、今後Capture NX2は廃止してCapture NX-Dを無償配布する予定という。これまで有料だったソフトと同等のものを無償配布するのだから、何とも太っ腹ではないか! ドケチのオリンパスにペンタックスはニコンを見習え!(爆)

というわけで早速インストールして使ってみたので、これをネタにグチってみる。(笑)



一瞬だけニコンユーザーだったので、RAWデータは手元にある。しかし、わずかな写真しか残されていない。もっと残しておけば後からいろいろ遊べたのに、それだけが心残りである。とにかく使えそうな写真を探して再現像してみた。

当たり前の話だが、Capture NX-Dならカメラのピクチャースタイルをそのまま反映した絵作りが可能だ。というか、それこそが純正現像ソフトの存在意義と言える。しかしその当たり前のことができないのがペンタックスの現像ソフトなのだ(爆)。ドケチ以前にお話にもならない。

風景で使えそうなピクチャースタイルについて試してみよう。

20130717_131421_standard
D7000 スタンダード

20130717_131421_natural
D7000 ナチュラル

20130717_131421_vivid
D7000 ビビッド

20130717_131421_landscape
D7000 風景

ニコンの絵は元々おとなしめのため、ビビッドか風景くらいでちょうど良いように思える。もちろん現実はスタンダードに近いのだろうが、それだとどうもインパクトに欠ける。この辺がニコンの絵はつまらないと評する理由だ。シャープネスもデフォルトでは弱めのため、等倍で見るとかなり眠く見える。スタンダードのデフォルトであるシャープネス3を5まで上げて、やっとペンタックスのシャープネス0と同等くらいだろう。

そしてダメダメと思っていたAF-S Nikkor 24-85mmF3.5-4.5Gの描写だけれども、今になって見ると結構いいんじゃない?(爆)

20130717_131421_right
これは上の写真の右端の部分を等倍で切り出したものだが、流れたりは一切していない。f8まで絞っているけれども、周辺画質はそんなに悪くない。これで広角端の24mmだ。まあ135換算で36mm相当だから、そんなに広角というわけではない。でもPENTAX DA-L 18-55mmF3.5-5.6ALの酷い像面湾曲を見慣れちゃうと、これが良く見えてしまうのだ(爆)。慣れって恐ろしい・・

D7000を手放した直接の理由はAFの精度不良とレンズの描写の悪さだったと思う。しかし今になって見ると別に悪くはないのだ。ペンタックスのレンズはもっと酷い(爆)。さすが腐ってもニコンだ。結果論になるが、ニコンの時代にSIGMA 17-50mmF2.8を手に入れていれば幸せになれたのではないかと思う(爆)。いつもタイミングが悪すぎる・・

このCapture NX-Dだけれども、元有料ソフトだけあってView NX2に比べてかなり機能が充実している。一応、Lightroomなどでできることは一通りできると言っていいだろう。もちろんノイズリダクションやアンシャープマスクも細かく設定することが可能だ。しかしこのノイズリダクションはかなり質が悪いことに気づいた。上の写真の中央部分で検証してみよう。

20130717_131421_nr0
まずこれがノイズリダクションをかけない状態だ(クリックで等倍表示)。

20130717_131421_nr15
一方、ノイズリダクションの適用量を15まで上げると、とんでもないモヤモヤ画像に化ける(クリックで等倍表示)。15といっても、全部で100まであるレベルの中の15だから、感覚的にはほんのちょっと上げたに過ぎない。それでもうこんな酷い画質なのだ。どうやらこのノイズリダクションは単に画像をボカしているだけのようで質が低い。Olympus Viewer3でもここまで酷くはならない。Lightroomのノイズリダクションには遠く及ばない品質だ。

その他、View NX2にはあったハイライト/シャドウ補正がなくなっているのに気づいた。その代わりトーンカーブが実装されたので、それで代用せよということなのだろうか? まあ確かにそうなんだけど、特に初心者にはめんどくさい気がする。スライダー1つで調整できるのが便利だったんだ・・。あとCapture NX2を使ったことがないので知らないのだが、Capture NX-Dで省略された機能もかなりあるらしい。つまり有料ソフトの完全な無料化ではなくて、一部機能を削減した上での無料化のようだ。だからニコンは太っ腹!と手放しで喜ぶのはちょっと早い。

それでもカメラごとに異なる現像ソフトを添付しているペンタックスに比べれば、はるかにユーザーフレンドリーであることには違いない。思ったほど良いソフトではなかったので、これをきっかけにニコンに戻ろうという気にはなれなかったが、この姿勢は見習わないといけない。ドケチのオリンパスでさえ現像ソフトは無償配布しているんだ。いったい何を考えているのかペンタックス! せめて現像ソフトくらい全機種共通にして無償配布しなさい!

今のところ突っ込みどころも多いCapture NX-Dだが、あくまでもベータ版なので、これを元に改良を加えて今夏に正式版をリリースするらしい。サイトで改善意見も受け付けているので、いろいろケチを付けてあげれば良くなるのではないだろうか?