ネット注文のフィルム現像サービス

投稿日:2013年5月18日 更新日:

フィルム

久々にフィルムネタである。以前から興味はあったのだが、最近はインターネットで注文してフィルムを郵送し、現像して送り返してくれるサービスが存在する。さらに現像だけでなく、同時プリントやCD書き込みまでオプションで選択することができる。業者はたくさんあるのだが、今回は一番料金が安かったPrinet1というサービスに頼んでみた。

この手のサービスは写真店に持ち込むのに対して、一般的に料金が割安なのが魅力である。Prinet1の場合は36枚撮りのカラーネガ1本あたりフィルム現像とCD書き込み(340万画素の場合)の両方で何と340円と格安だ。通常ならフィルム現像だけで500~600円が相場だから、それだけでも十分安いと言えるが、さらにCD書き込みのオマケまで付く。今回頼んでみたのは、このCD書き込みのクオリティーがどのくらいのものか試してみたかったのだ。普段は手持ちのフィルムスキャナーで自家スキャンしているのだが、業務用のスキャナーで読み込んだ方が常識的には画質が良いだろうと考えられる。また自分でスキャンするのは相当な手間だから、わずかな料金プラスでスキャンまでしてくれるのなら、それに越したことはない。


ただ、この種のサービスには一つだけ問題がある。それは往復の送料がかかるため、ある程度本数が溜まらないとかえって割高になってしまうからだ。Prinet1の場合は戻りの送料が80円と格安なのだが、それに加えてこちらからフィルムを郵送する送料が140円(定形外郵便の場合)と料金の振り込み手数料52円(ジャパンネット銀行の場合)が必要になる。したがって、少なくとも3本はまとめて送らないと料金が安いというメリットは失われてしまう。それで今までなかなか注文するチャンスがなかったのだが、先月たまたま3本まとめて撮る機会があったため、ようやく試してみることができた次第である。ちなみにかかった費用は、現像+CD書き込みが1本340円×3、送料140円+80円、振り込み手数料52円の合計1,292円だった。1本あたり約430円だからそれでも十分安いと言える。

それでは早速CD書き込みの品質を見てみよう。画像のサイズは220万画素・340万画素・600万画素の3種類から選べるのだが、今回は340万画素でお願いした。当然、画素数が多いほど料金は高くなる上、納期もかかるらしい。340万画素の場合は2232×1528の画像サイズとなるが、とりあえずブログなどに載せる分にはそれで十分である。さらに解像度が必要な時は改めてスキャンすればいいだけのことだ。

prinet1_original
これはCD書き込みされた画像をオリジナルのまま縮小だけしたものだ。まるで同時プリントしたときのような白っぽい写真になってしまった。機械が自動露出しているためだが、シャドウを潰さないように明るめにする傾向があるようだ。実はスキャンの際に「補正あり」と「補正なし」を選ぶことができるのだが、今回は補正ありで頼んでいる。補正ありの場合は機械が自動的に判断した標準的な露出で1枚1枚調整される。それに対して補正なしの場合は、フィルム1本を通して同じ露出が適用されるのでフィルムの持ち味や露出がそのまま反映される。いわばポジに近い。どちらが良いのかは一概には言えないが、カラーネガの場合はかなりオーバー目の露出で撮っていることもあり、補正なしだと真っ白な写真になる可能性もあり、失敗を恐れてあえて補正ありを選んだわけだ。

ls40_nyu
こちらはフィルムスキャナー(Nikon COOLSCAN IV)で自家スキャンしたものだ。この場合は自由に調整が効くから1枚1枚自分で確認しながら露出を追い込んでいる。ぱっと見た目にはこちらの方が良く見えるだろう。

prinet1_correlated
ただCD書き込みをしてもらった画像のヒストグラムを見ると、白飛びしているわけではなくて、ハイライトの階調はちゃんと残っている。したがってPhotoshopでトーンカーブの調整をしてやれば見られる画像にすることは可能である。これが修整した結果だが、割とメリハリのある絵になって、人によっては自家スキャンより良いと感じる人もいるだろう。

ということで、CD書き込みの品質は残念ながら期待はずれと言わざるを得ない。やはり手間はかかっても自分でスキャンする方が納得の行く結果が得られる。ただし全く使えないというわけではなく、トーンカーブを調整するだけで見栄えは良くなるし、発色は自然でやはり業務用機器らしい。あくまでもサムネイルと考えるならばこれはこれで十分とも言える。CD書き込みを頼んでも料金はさほど変わらないから、自分でスキャンする手間を考えればリーズナブルだ。

ちなみに今回はフィルム発送から受け取りまで16日かかった。ゴールデンウィークを挟んで混み合っていたこともあるが、会社が岩手県と遠方のため、どうしても片道だけで3日はかかってしまう。まあ時間が経ってから見るのはフィルムならではの味わいとも言えるのだが・・。今後は大量に未現像フィルムがあれば現像だけでも頼んでみたいと思うのだが、最近はなかなかフィルムで撮る機会もないため、1本撮るだけで何ヶ月もかかってしまう。そのためどうしてもつい手近なところに出してしまうのだ。

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