PENTAX K-50所感

投稿日:2013年6月17日 更新日:

デジタルカメラ

寝耳に水の話だが、7月5日にペンタックスK-50が発売されるらしい。K-30の発売時期が昨年の6月だから、まだ当分は後継機は出ないだろうと高をくくっていたところ、不意打ちを食らった感じだ。それにしても地味である。このことを知っている人が果たしてどのくらいいるのだろうか? そのくらいひっそりと人知れず発表された感がある。

それだけでなく、スペックの方もきわめて地味だ。最初スペックを見たとき、いったいどこが変わったのか?と目を疑った。はっきり言って何も変わっていない。強いて言えば最高感度がISO51200になったくらい。そんなのどっちみち使い物にならないのだからどうでもいい話だ。あとわずかな違いと言えば、レンズキットの18-55がWR対応になったことくらい。K-30の18-55キットはWRですらない廉価版だったから、それだけは歓迎すべきだが、どっちみちしょぼいレンズだからキットには興味がない。誰にでもわかる変化といえばデザインだけなのだが、スペックが同じでデザインを変えるだけではマイナーチェンジとも言えないのではないか?

K-30はかなり個性的なデザインで、どっちかと言えば男性を意識したような風貌であったのが、K-50では丸みを帯びたデザインに変更されている。ペンタ部の形を見ても、こちらの方が明らかに「普通」で一般受けのするデザインだろう。カラーバリエーションがクリスタルブルーからピンクに変更されていることからも、女性を意識していることは明白だ。ペンタックスもカメラ女子にターゲットを振り始めたということか?

それにしてもK-30は個性が強すぎて好き嫌いが分かれるデザインだ。言うまでもなく、あの逆ハングしたペンタ部に違和感を持つ人は多いだろう。自分もその一人。どっちが好きかと聞かれれば迷わずK-50と答える。平凡だけれどもオーソドックスな一眼レフのスタイルに安心感を覚える。何でも奇をてらえばいいってものじゃないのだ。もしK-30が初めからあのデザインならもっと売れただろうと思う。その極端な例がK-01で、あのヘンテコなデザインを嫌った人は相当多いはず。あれがもし「普通」のデザインならもっと売れただろうに、結局あまり話題に上ることもなくひっそりと生産を終了してしまった。実に惜しいカメラである。本当にペンタックスは意味不明なことをする。今頃になってK-30のデザイン変更版を出すとは何を考えているのか?

その理由は、暴落したK-30の価格をリセットすること以外には考えられないだろう。とりあえずここで新製品を出しておけば、数ヶ月は高値を維持することができるからだ。しかも開発費はほとんどかからない。これじゃオリンパスとやってることまったく同じじゃないか。麻薬のように次々と新製品を出しては暴落させる悪循環。結局、自分で自分の首を絞めてるだけなんだよなぁ・・。まったく三流メーカーのすることはどこも同じだ。

デザインで言えば断然K-50の方がカッコいいが、発売直後の値段では買えるわけがない。今なら暴落したK-30やK-5IIの方がはるかにお買い得だ。いったい誰が買うのだろうと思う。もしK-50を買うとすれば、あと一年待って暴落してからということになる。

スペック的にはまったく同じでデザインだけが異なるK-30とK-50。一応ペンタックスの序列から言うとK-30の方が上位機種ということになるのだろうか? しばらくは併売するようだから、まったく同じスペックの機種が2つ存在するのはさらに意味不明。でも値段は全然違うという矛盾。

気づいてない人が多いと思うが、実はK-50には致命的な欠点がある。それはバッテリーだ。K-50には単三形バッテリーホルダーが標準添付されているからお買い得だと思ったら早合点。なんとリチウム充電池と充電器が付属していないというふざけた仕様! その代わりに付属するのは単三形のリチウム電池。これは充電式じゃない使い切りタイプ。そんなもの付属されたって、このご時世に使い捨て乾電池を使えと言うのか? 充電池を使いたければ高価な別売オプションを買うしかないのである。とんでもない詐欺仕様だ。いったいペンタックスは何を考えているのかまったくわからない。

これじゃデザインが気に入らなくてもK-30しかあり得ない。今なら超お買い得な価格になっているのだから・・

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