2012年9月 E-PL2 / ZUIKO MACRO 50mmF3.5
マイクロフォーサーズ専用のレンズはキットの14-42mmしか持っていないのだが、マウントアダプターを買ったので手持ちのOMズイコーレンズはいろいろと楽しめる。その中でも14-42mmと組み合わせるのに最適なのはズイコーマクロ50mmF3.5だと思う。フォーサーズだと100mm相当の中望遠マクロになり、標準ズームと焦点距離が被ることもない。このレンズは135フォーマットでは1/2倍までの撮影倍率だが、フォーサーズでは等倍相当になる。OM時代はそのコンパクトさから50mmF2に並ぶ名玉とされていた。マイクロフォーサーズで使うとマウントアダプターの分でかくなってしまうのがカッコ悪いが、現代でも立派に通用する描写性能を持っている。
冒頭の写真はムラサキツユクサを最大倍率で撮影。マクロ撮影の場合、フォーカスリングは倍率を決めるためだけに使い、カメラを前後させてピントを合わせるのが基本である。ただ、こういう草花の場合、少しでも風があると揺れてピントが定まらない。またこのくらいの倍率になると拡大表示は使わない方がよい。拡大ボタンを操作するだけでカメラが動いてしまうからだ。もちろん手ブレにも細心の注意を要する。結局、こういう写真は「数撃ちゃ当たる」方式で撮るしかない。これも10枚くらい撮った中の一番マシな一枚。それでも等倍で見ると微妙にピントが甘い。ゆらゆらする草花にピントを合わせるのは至難の業だ。
2012年9月 E-PL2 / ZUIKO MACRO 50mmF3.5
名前がわからないが、直径3ミリほどのごく小さな花だ。これも等倍相当で撮っている。背が低いので風で揺れないだけまだマシであった。やはり拡大表示は使わず、数枚撮ってまともなのを選んだ。このくらいの倍率になると、肉眼では見えないような花のディテールまで見えてくるから面白い。
2012年9月 E-PL2 / ZUIKO MACRO 50mmF3.5
これはおなじみのサルスベリ。このくらいの倍率なら拡大表示を使った方がピントを合わせやすいし、標準ズームでも撮れるだろう。それにしてもマクロレンズの解像力は凄まじいものがある。標準ズームだとここまでカリカリには写らないはずだ。
ズイコーマクロ50mmF3.5はオリンパスが推奨するレンズ適合表で絞り開放から使えるとされている数少ないレンズだ。開放でもピントの芯はしっかりしているが、若干フレアのような滲みが出るのが特徴だ。それを味と考えれば、天然ソフトフォーカスとして柔らかい描写を楽しむこともできるだろう。f5.6まで絞ると一転してきわめてシャープな描写となる。したがって通常はf5.6で使うのがベストだ。このページの写真もすべてf5.6で撮影した。