E-PL2の動画は使えるか?

スポンサーリンク


1280×720のHDモードで撮影

純粋に写真を撮る道具である一眼レフに動画など不要だと思っているのだが、ニコンD90以来の悪しき慣習で動画を付けないと売れなくなってしまった。多機能の押し売りみたいで、まことに嘆かわしい状況である。カメラの家電化はどこまで進むのか?

とは言っても、せっかく付いているものだから使い物になるのかどうかテストくらいはしておきたいものである。たとえば旅行先などでカメラがこれ一台しかないという場合、ちょっと動画が撮りたいなと思った時に使えたらいいという程度だ。


冒頭の動画はカメラで撮影したAVIファイルを無編集でYouTubeにアップしたものだ。レンズはキットのM.ZUIKO Digital 14-42mmF3.5-5.6IIを使用している。このレンズは動画に配慮したMSC機構を採用しているので、ズーミングやフォーカシング時に動作音が気になることはほとんどない。ただ、やはり手動式ズームでスムーズにズームさせることは難しい。この点でも動画にはコンデジの方がよっぽど向いていると言える。AFの追従も決して速くはない。ワンテンポ遅れてついてくる感じだ。最近はフルHD対応が当たり前になっているが、E-PL2は1280×720止まりである。まあフルHDで撮っても容量が馬鹿でかくなるだけなので、自分はこれで十分なのだが、セールス的には苦しいのだろう。画質的には可もなく不可もなく、並のコンデジと同レベルと言える。まあ動画で絞り優先モードが使えたり、露出補正ができたり、それだけのことだ。音声は非圧縮のリニアPCMで44.1kHzのサンプリングレートを使用しているから、当然ながら音質は良い。ただし、内蔵のマイクはモノラルでしかない。オプションの外部マイクを付ければステレオ録音も可能となるが、そこまでして使うものでもないだろう。

なお、この動画ではあまりわからないが、カメラを左右に振ると画像が歪む(いわゆるこんにゃく現象)のがかなり目立つ。この現象はCMOSセンサーに特有のもので、どんなカメラでも多かれ少なかれ出るものだが、メーカーによって程度の差がある。オリンパスは家電屋じゃないので、その辺のノウハウに乏しいのだろう。もし動画を重視するならば、迷わずパナソニック機を選ぶべきである。

問題はファイルの容量である。このサンプル動画はわずか33秒なのだが、それでもファイルサイズが129MBにもなっている。1分あたりのファイルサイズに換算すると234.5MBだ。これはとんでもない容量ではないか? 16GBのSDHCカードをフルに使っても68分しか録画できない計算になる。これだけファイルサイズが大きくなる原因は、記録形式がMotion JPEGで圧縮率が低いためであるが、音声がリニアPCMなのも効いている。ちなみに手持ちの他のコンデジで1分あたりのファイルサイズを求めてみると次の通りだった(いずれも1280×720時)。

Cyber-shot DSC-HX7V 43.8MB
LUMIX DMC-TZ10 61.1MB
Xacti DMX-CG11 66.0MB
PowerShot S95 142.3MB

記録形式の関係でS95が特別大きいのは別格としても、E-PL2の234.5MBというのはさらに倍近いサイズだ。並のコンデジから比べると4倍にもなる。まったくとんでもない容量である。一台で写真も動画も撮れるからと言って気軽に撮っていると、あっという間にメモリーカードが一杯になってしまう。もちろん使えないことはないのだが、やはり動画専用のコンデジをもう一台持つのが賢明だろう。自分は動画はDSC-HX7Vと決めている。