オールドレンズ遊び – ZUIKO 24mmF2.8

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はぁ~、ネタがないぜ! このところK-S2発表で浮かれていたが、冷静に考えるとほとんど使い回しでK-30と大して変わってないんだよな(爆)。わざわざ買い換えるほどのものか? もうカメラなんて本格的にどうでもよくなってきたので、何も欲しいものはない。今年は何も買わないで決まりだ。

しかしそれじゃネタがもたないんだ(爆)。しょせんこのブログは機材ネタにしか興味を持たれないんだから、何かやらなければすぐアクセスが激減する。そこで思いついたのがオールドレンズ遊び。たぶんこれだけで5回分以上はネタができるであろう。(爆)

最初に取り上げるのは旧OMのZUIKO 24mmF2.8。今ではこのクラスの広角は普通だが、昔はこれでも超広角と呼んでいた。現在、手持ちのOMレンズの中で最も焦点距離が短いものだ。ところが、これでもマイクロフォーサーズで利用すると48mm相当の標準レンズになってしまう。だからうちにあるOMレンズはすべて望遠としてしか使えないのである。

ただこのレンズはフォーサーズの時代から標準レンズとして人気があった。それもオリンパスがまともな標準レンズを出さなかったことに原因があるのだが、今ではマイクロフォーサーズ版のM.ZD 25mmF1.8のような優秀なレンズが出てきて影は薄くなっている。でもあえて収差のある古いレンズを使うという意味ではまだまだ活躍の余地はあると思うのである。

知ってる人には当たり前だから言うまでもないが、マウントアダプター経由でOMレンズを使うにはいろいろと面倒な制約が存在する。まず自動絞りが効かないので、開放絞りでピントを合わせた後、所望の絞りまで絞る必要がある。もちろん絞った状態でもピント合わせは可能だが、被写界深度が深くなるので合わせづらくなる。正確なピントを望むならば、面倒でも開放で合わせてから絞った方がよい。

そして背面液晶でピントを確認しながらMFで合わせるのだが、そのままの状態ではピントの山がつかみづらい。そこで拡大ボタンを押して拡大表示することになる。ところがこれも手持ちではグラグラと動いて非常に見づらい。やはりこういうときはEVFがあった方が安定するだろう。そしてピントを合わせた後、もう一度拡大ボタンを押して元に戻す。これが相当面倒である。普通のマイクロフォーサーズ用レンズならば、ピントリングを動かすと自動的に拡大表示し、シャッターボタン半押しで元に戻るのだが、電気接点のないMFレンズでは当然ながらすべて手動になる。これが問題になるのは特に近接撮影の場合である。マクロ域では5ミリ動いただけでピンボケになっちゃうから、せっかくピントを合わせたのに拡大ボタンを押した勢いでカメラが動いちゃうと台無しになる。E-PL5の拡大ボタンは極めつけに押しにくい位置にあるので、非常にストレスが溜まる操作である。

あ、それと手ぶれ補正を使っていると焦点距離も手動で設定しないといけない。実を言うと忘れたまま撮ってしまった(爆)。設定が間違っているとブレを拡大することにもなりかねないので要注意。複数のオールドレンズを使い分けるなんて、めんどくさくてやってられないだろう。

要するにオールドレンズを使うということは基本的にめんどくさいんだ。画質はともかく、そのめんどくささを我慢してまで使う価値があるかということになる。

それでは実際の撮影画像をご覧頂こう。まず最初に解像力テストをやってみた。下がその全体画像である。クリックすると等倍表示になる。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
f8

ピントは中央の電柱に合わせているので、以下中央部分を等倍で切り出してみた。

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f2.8

この手のオールドレンズでは開放からシャープに写ることは稀で、何らかの収差が残るのが普通である。このレンズも例に漏れず、開放では球面収差が残っており、明瞭なフレアが発生している。全体にふわっと靄がかかったようなソフトな描写になっている。といってもピンボケしてるわけじゃなくて、ピントの芯はしっかりしており、その周りに光が滲んでいる感じなのだ。ファンタジックフォーカスなんて使わなくても天然ソフトフォーカスだぜ!

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f4

次にf4まで絞ってみると、たった1段絞っただけでフレアは完全に解消し、クッキリとシャープな描写となる。以降、f5.6、f8と絞ってみても描写はほとんど変わらない。この時代のレンズとしては優秀であると言えるだろう。

最初のf8の像を見てみると、中央付近は現代のレンズと遜色のないシャープさに見える。ただ周辺部で若干の甘さが見られる。特に右側がやや悪いように見えるが、これは片ボケの影響だろうか。まあズームレンズなら普通の描写だろうけど、単焦点レンズとしては周辺描写はやや物足りない。

次に近接撮影のテストである。このレンズで特筆すべきは最短撮影距離が25cmであることだ。これはM.ZD 14-42mmF3.5-5.6IIよりもさらに寄れることになる。

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f5.6

これはフォーカスリングを最短にセットして、カメラを前後させてピントを合わせたものだ。よってこれが最大倍率。ピントが合った部分は非常にシャープに解像していることがわかるだろう。マクロレンズには敵わないが、ちょっとした接写にはこれ一本で対応できる。

余談だが、この青い可憐な花はオオイヌノフグリ、英語でBird’s Eyeと呼ぶ。立春の頃から咲き始め、まだ寒い中にもこの花が咲くと確実に春の訪れを実感するのである。

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f11

たまたま見つけた菜の花畑。できるだけ奥までピントを行き渡らせるため、f11まで絞り込んだ。

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f4

土手に咲いていた水仙を撮ってみた。単焦点だけあってボケはきれいだ。これだけボケてくれると背後のビニールハウスも気にならない。

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f2.8

開放で菜の花を撮ってみた。こういうシーンにこそ開放で撮ってやるとファンタジックな雰囲気が出て効果的だと思う。

以上、このレンズを初めてE-PL5で使ってみたのだが、はっきり言ってめんどくさいし、周辺描写もあまり良いとは言えない。だから普通に撮るには焦点距離が近いSIGMA 30mmF2.8DNを使った方がはるかに便利だし、描写も優れている。唯一このレンズが生きるのは、やはり開放時のソフトフォーカス効果だけだろう。それがなければわざわざ使う意味はないと思う。まあ中古相場は安いだろうし、ソフトフォーカスレンズとしては悪くない。

ただし、ISO200でシャッタースピードが1/4000秒までだと明るい晴天で開放で撮るのはかなり厳しい。それが難点だ。