レンズはソフトだ

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といってもソフトフォーカスレンズの話ではない(笑)。例えれば、カメラのボディーとレンズはPC本体とソフトの関係に似ていると思うのである。つまりボディーはいろんなレンズを使うためのプラットフォームに過ぎない。正確に言えばPCのハードではなくOSがそれに該当するんだが、実質的にはOSとハードは不可分の一体みたいなものだから、PC本体がカメラボディーに該当すると言ってもあながち間違いではないだろう。

PCならどのハードを選ぶかによって使えるソフトが自ずと決まってくる。Windowsを選ぶかMacを選ぶかは、主に使いたいソフトがあるかどうかで決まる。もちろん使い勝手の違いなどもあるだろうけど、基本的には「自分のやりたいことができるか?」が一番重要なポイントである。

それはカメラについても同じことが言え、一眼レフをはじめとするレンズ交換式カメラはメーカーごとに独自のマウントを持っているから、一つのメーカーを選んだら原則的にはそのメーカーのレンズしか使えない。そしてそのラインナップの中に自分の使いたいレンズがあるか?ということが最も大事なポイントとなる。言い換えれば、自分の撮影スタイルに合ったレンズが用意されているか?という点がマウントを選ぶ際の判断基準となるべきである。いくら性能の優れたボディーを購入しても自分の使用目的に合わないレンズしかなかったら、それは意味のないシステムとなる。

ここでプラットフォームであるカメラボディーはどのくらいの頻度で買い換えるべきかを考えてみよう。そのためにはPC本体はどのくらいの頻度で買い換えているかを考えてみるといい。自分の場合だと、だいたい4年に1回というのが買い換えのサイクルになっている。新しいOSに対応しないとかそこまで行かなくても、いい加減重くなってきたなと思ったときが買い換えのサイン。ちなみに今のPCはもうすぐ5年になるが、まだ我慢できる範囲なのでもうしばらく引っ張るつもり(笑)。そしていよいよ耐えられなくなってきたら、とりあえずその時手に入る中で一番自分のニーズに合ったものを買うわけでしょ?(自分の場合は買い換えるというより組むんだけど) 中には新機種が出るたびに買い換えるというマニアもいるかもしれないけど、最近はPCの進化も落ち着いているから1年や2年ではほとんど変化を実感できないでしょ? でもさすがに4年以上経つと明らかに進化が実感できて、今どきのPCは凄いな!と感動するわけ。そして買い換えるときはそれなりに資料を集めて研究するんだけど、一度買ったらPCのことなんかもう忘れてるでしょ? 新機種が出ようとまったく気にならない。どうせほんのちょっとしか違わないんだから・・。PCを買った後の関心事は「どんなソフトを買うか?」だけである。

もう一度話をカメラに戻すと、ボディーを買い換えるサイクルも似たようなものだと思うんだ。今はデジカメもPCと同じくらい成熟した商品になっているから、1代や2代ではほとんど違いは感じられないはずなんだ。確かに新製品では前代の欠点が改良されていたりしてチキショーと思うこともあるけれど、基本的な性能が劇的に変わるわけではない。ほとんどは性能据え置きのままで操作性やソフトウェアを改良したマイナーチェンジに過ぎない。新機種が出たら気になるのは人情だけど、そのたびに買い換えてたらそれこそメーカーの思う壺なんだ。フィルム時代はボディーによる画質の差がなかったから、壊れない限り買い換える必要もなかったんだが、デジタルはボディーと画質が一体だからそういうわけにもいかない。だから買い換えるなとは言わないが、せめて4年に一度くらいまで引っ張ろうよという話である。PCと同じようにとことん我慢できなくなるまで使い倒し、いよいよダメとなったら買い換えたらいい。その時には4年分の進化が一気に感じられて感動するに違いない。それまではどんな新製品が出てもまったく気にしない。どうせその新製品も4年後にはすべて過去の機種になっているのだから・・

こういう話をしたのも、K-S2が気になっている自分がいるからだ。K-S2がすごく理想的なカメラに思えて買う気満々だったんだけど、冷静に考えるとK-30と大して変わらないんだよね。そりゃK-30とK-50は事実上同じなんだから、実質的にはK-S2は直接の後継機なんだ。だから性能的にほとんど違わないのは当たり前。ただのマイナーチェンジみたいなものでしょ? それがはっきりわかったからK-S2への買い換えは見送った。たとえほとんど使わないにしても、K-30は買い換えも処分もしない、要するに放置、それが一番正しいと思うんだ。

これまでの経験から言って、カメラを売ると必ず後悔する。それだけ執着心が強いと言えるのだが(苦笑)、とりあえずボディーを残しておけばプラットフォームとしていろんなレンズが使える。まあPentaxであまり欲しいレンズなんてないんだけど(笑)、DA35mmF2.4, DA50mmF1.8, DA18-50mmF4-5.6WRくらいは買ってもいいかなと思ってる。あと2年くらいK-30を引っ張ってPentaxのレンズで遊んだら、その時の型落ち最新機種(笑)に買い換える。その頃にはK-S2なんてはるか過去の機種になっているわけだ。

欲しいレンズで言えば、マイクロフォーサーズの方がはるかに選択肢が多い。どれにするか悩んじゃうほど。とりあえずPanasonicの14-42mmF3.5-5.6II, 25mmF1.7, 42.5mmF1.7、それにSIGMAの60mmF2.8くらいは欲しいなと思ってる。なぜかOlympusにはないんだな(笑)。Olympusのレンズはフード別売のくせにボッタクリなんだよ!

話がそれたが、要するにカメラで大事なのはボディーじゃなくてレンズなんだよ。それはフィルムもデジタルも同じ。PCだってソフトがなければ何もできないわけでしょ? 最新のPCに買い換えたら多少速くなったりはするだろうけど、同じソフトを使っている限り、できることは同じだ。だからデジカメのボディーを次々買い換えるということはPCを毎年買い換えるのと同じくらいナンセンスだということを心得ておきたい。

コメント

  1. BigDaddy より:

    なるほど、ボディがパソコン、レンズがソフト、最近多忙で他所様のブログを覗く事が減少し、久々に面白いネタに出逢いました。言い得て妙ですねぇ。

    うちのパソコン、5年目くらいなんですが、RAW現像だと2400万画素のRAWだと全く問題なく処理しており、時代が3600万画素が当たり前になったら買い替えか?、と思っている次第で、確かにカメラも上を見ればきりがないものの、今のところK-5で大きな不満も無く(単純にレトロタイプデザインのカメラとα7系MFレンズの母艦としていずれはと思っている程度で)あんまり新しいカメラに興味が湧きません。

    そして仰る通りレンズなんですよねぇ。先日のコメントにも書いた通り、最近レンズを数本手に入れまして、写真を決定付けるのはレンズだ!、確信しています(大したレンズではないですけど(笑))。写真はボディでなくレンズ、これはデジタルの今でも通用すると思います。

    少なくとも今の撮影、対象の被写体がボディにマッチしていれば今のままで良いですし、例えば私の場合、ISO12800を常用しなくちゃどうにもならない、パソコンで言えばWindows 10の次に11が当たり前になって手持ちのソフトウェアが全く対応しなくなった時など、それぞれ本気に買い替えを考えれば良いのでしょうね。

    私がm4/3にのめり込むとしたら多分GX7になるでしょうからレンズはPanaの14mm、25mm、そして同じくSigmaの60mmの3本セットでしょうか。

  2. 型落ちハンター より:

    >BigDaddyさん

    もしかしてこの類似性に言及したのは初めて?とか勝手に想像しています。(笑)
    PCの買い換えサイクルも昔より長くなってきていますね。2400万画素も問題なく処理できてますし、今は6年くらい保つんじゃないかと思ってます。
    Pentaxはいまいち良いレンズがないのが難点ですね(笑)。安レンズ以外は手が出ないのばっかりで・・。それよりはSigmaですよ。(笑)
    そしてm4/3だとどうしてもPanaやSigmaの安い単焦点に目が行ってしまいますね・・(笑)