フィルムカメラ

不良債権

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その昔、カメラというものは高級品であった。一家に一台しかないのが普通で、しかも一度買ったらそうめったに買い換えるものではない。壊れたら修理しながら、いつまでも大事に使う。ほとんどの人にとっては一生ものだ。大げさに言えば人生を共に歩む伴侶みたいな存在であった。今で言えば、ロレックスなどの高級腕時計がそのイメージに近いだろうか? したがってカメラというものは換金価値が高かった。もし金に困ったら質に入れて当面の生活費を工面できるくらいの財産価値があった。そんな時代は高度経済成長とともに終わりを告げたわけだが、少なくともその端くれには引っかかっているから多少なりともカメラへの信仰があったのだ。最近は土地神話も崩れつつあるが、とりあえずカメラを財産として持っておけば、いざとなればいつでも金に換えられるという安心感から、大量のカメラを逝きまくった時代があった。(爆)

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しかしその思惑はもろくも崩れ去ったのである。原因は言うまでもなくデジタルカメラの台頭だ。すでにデジタルカメラが一般化した頃にも、まだまだフィルムには追いついていない、フィルムカメラが終わるわけがないと思ってイケイケドンドンでカメラやレンズを大量に買い漁った。そしてちょうどミノルタがカメラ事業から撤退した頃だっただろうか、ある時期を境にフィルムカメラの相場が暴落し、資産価値のほとんどを失った。今や売るに売れない塩漬け物件が多数眠っている。ドル札がひらひらと空中を舞う光景が脳裏に浮かんだ。(爆)

最近のフィルムカメラはアホみたいに安い。昔はとても買えなかった中判カメラなんかもコンデジ並みの価格で買える。資産価値が高いといわれたライカやハッセルブラッドでさえ、一般人が普通に買えるお手頃価格になっている。国産135判カメラでも趣味性の高い金属製MFカメラはまだそこそこの値が付くが、プラスチック製AFカメラに至ってはもう悲しいくらいの値しか付かない。最先端を誇った人気カメラでさえ、ほとんどタダみたいな値段だ。そんな値段じゃもう売らずに持ってる方がマシということになる。金属製カメラだって楽観視はできない。今後フィルムの供給が終わったら文字通り何の役にも立たないタダの箱に化け、鉄屑としてグラムいくらでしか引き取られない時代が確実に来るだろう。そうなる前に売り逃げた方が得ということか?

カメラに比べて寿命が長いといわれるレンズでさえ、最近は値下がりが著しい。現行のデジタル一眼レフでも使えるニコンのAFレンズなどはまだ需要があるが、すでに撤退したマウントのレンズなどは需要が少ないから大した値は付かない。ましてやサードパーティー製になると、もう売るのがアホらしくなるほどの値しか付かないのが現状である。かくして不良債権が積み重なっていく・・

どうせ使わないんなら全部売ってしまえばという考え方もあるだろうが、これまで何度か書いたように自分は売って後悔したものが少なからずある。要は今後使う可能性があるかどうかと、いくらで売れるかが問題である。自分の場合、原則として購入金額の2割以下なら売る価値はないと判断する。それなら持ってる方がマシだ。万が一にも使う可能性があるかもしれないから・・。ただし、自分にとって価値が全くないもの、ゴミにしかならないものはたとえ0円であっても容赦なく売る。まあ「使うかもしれないから」は断捨離できない人間の言い訳であって、実際使うことは二度とないのだが・・(苦笑)

では、うちにある不良債権の数々をいま一度整理してみよう。すでに機材整理で大半は手放しているのだが、現有する機材は次の通りだ。このうち○をつけたものは資産価値があると思われるもの、×を付けたものは売るだけ無駄と思われるものを示す。

ニコン

(ボディー)
○F3
×F80s
(レンズ)
○AF Nikkor 24mmF2.8D
○AF Nikkor 50mmF1.4D
○AF-S Nikkor 24-85mmF3.5-4.5G
×SIGMA 28-70mmF2.8EX
×SIGMA 28-70mmF2.8-4UC
○SIGMA 70-200mmF2.8EX HSM
×SIGMA 105mmF2.8EX MACRO
×KENKO 19-35mmF3.5-4.5

F3はそこそこ値が付くだろうが、それでも2~3万がいいところだ。買値の2割行くかどうかは微妙。かつての相場を考えると悲しくなる。フィルムを使うことももうほとんどないのだが、それでもこのカメラで撮る快楽はすばらしいものだ。それだけのために残しておきたくなるのが悩ましいところだ。

レンズはモーターを内蔵しているAF-S Nikkor 24-85mmF3.5-4.5GとSIGMA 70-200mmF2.8EX HSMはすべてのニコンデジタル一眼レフでAFが効くから、当然残すという判断になる。これを持っているがためにニコンへの未練を断ち切れないのだ。もしこいつらを売れば一番金になることは間違いない。

あと悩ましいのがAF Nikkor 24mmF2.8Dと50mmF1.4Dの2本だ。実際のところ単焦点はほとんど使ってなくて、一番無駄と思っているのだが、これもフォーサーズで使えるという理由だけで手放せなかったりしている。しかし同じ焦点距離はズイコーでも持っているので、本当に無駄な重複である。もしニコンから撤退するとなると、真っ先に手放すのはこの2本になると思う。

オリンパス

(ボディー)
○OM-4Ti
×OM30
(レンズ)
○ZUIKO 24mmF2.8
○ZUIKO 35mmF2.8
○ZUIKO 50mmF1.8
○ZUIKO 50mmF3.5 Macro
○ZUIKO 100mmF2.8
○ZUIKO 200mmF4
×ZUIKO 35-70mmF4

OM-4TiはOM終了間際に駆け込みで購入したものだ。それだけに思い入れがある。当時は定価以上で取引されるほどのプレミアが付いたこともある。しかし今では暴落して3万くらいしか付かないのではないだろうか。良いカメラだけに売るに売れない。

レンズはすべて純正品だからそこそこ値は付くだろうが、OM自体の需要が減っているために昔ほど高値では売れない。それぞれ1万円前後がいいところだろう。フォーサーズでも使えることを考えると、やはり持ってる方がマシという結論になる。

コンタックス

○T3
○G2
○Planar T* 35mmF2

かつて銀塩高級コンパクト機は大変な人気で、高値で取引された時期があった。T3はかなり安くなってから購入したので5万円とリーズナブルだったが、ブームはとっくに過ぎているから今売っても大した値は付かないだろう。実用性が最も高いだけに売るに売れない。G2も一時の高値を考えると、悲しいほど価値が暴落した。

この他に、デジタルカメラの不良債権もある。自分はデジタルカメラのまさに黎明期から使っていて、最初に買ったのは何とあのカシオQV-10Aである。正確に言うと2代目だが、デジタルカメラをこの世に送り出した最初の製品だ。それが当時5万円もして、さらにPC接続キットなるものに1万円も出した記憶がある(当時は別売が普通だった)。その後もほぼ1年ごとのペースでデジタルカメラを買い換えた。もちろん当時のデジタルカメラは今となってはゴミにしかならない代物だが、その頃はデジタルカメラ自体が珍しく、換金価値が結構あった。だから新しいのを買うたびに下取りに出していたので、それほど損はしていない。その頃のデジタルカメラは非常に高価で、たかがコンデジに10万円は当たり前、安いのでも5万円はした。しかし当時は金が有り余るサラリーマンだったから、5万や6万の買い物は何とも思っていなかった(これはホントの話)。今じゃ信じられない。そのおかげで今の貧困があるのだ・・(爆)

昔のデジタルカメラはあまりにも写りが悪かったため、古いのを残そうという気はなくて、必ず引き替えに下取りに出したから良かったのだが、少しマシになってくると手元に残したまま次々と新しいのを買うようになった。これが失敗の元になった。いつの頃からかデジタルカメラは生鮮食料品になり、早く売らないとどんどん価値が下がっていくことを忘れていたのだ。その結果、売り時を逃して不良債権化したデジタルカメラが2台ある。

×Nikon COOLPIX 950
×MINOLTA Dimage A1

特にA1は一眼レフも含めて今までに買ったデジタルカメラで最も高額であった。しかもほとんど使われなかった不遇のカメラでもある。使わないうちに価値が目減りして売るに売れなくなった。今でも通用する良いカメラだと思うのだが、売ったところで千円やそこらにしかならないだろう。6万6千円もしたカメラだけに悔しすぎる。それなら骨董品として持ってる方がマシだ。これを教訓に、デジタルカメラは値が付くうちに一日も早く売ることを家訓とした。ぐずぐず迷っていると売り時を逃がす。

こうやって書き出してみると、改めて自分の散財ぶりに恐ろしくなる(爆)。自分はカメラで人生を棒に振った人間だ。カメラ趣味さえなければ今ごろ裕福に暮らしていたであろう(爆)。何だかんだ言って、きれいさっぱり売り飛ばしてしまえば10万円にはなるだろうから、それで新しいカメラを買ったらどうだという意見もあるだろう。しかし、いつまでも未練たらしく手元に残しておきたいというケチ根性があるので手に負えない。「もし欲しくなったら・・」と思うと悩ましい。実際、自分は売ってから後悔することが非常に多い。要するにモノへの執着心が強いということなのだが・・。断捨離できない人間の典型である。(苦笑)

とりあえず、真っ先に処分すべき候補はAF Nikkor 24mmF2.8Dと50mmF1.4Dの2本と決まっている。実はこれらを売るかどうかはフォーサーズなき後の「次のシステム」構築にかかわってくる。今度はそれについて妄想をぶち上げるつもりだ。(爆)

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