PENTAXのしょぼい標準ズームDA-L 18-55mmF3.5-5.6ALは広角側の像面湾曲が酷く、どうやっても満足な絵が得られない。そのため特に広角側ではSIGMA 17-50mmF2.8EX DCと圧倒的な差があると実感している。この2つのレンズを同一条件で撮影できたので、解像感評価ソフトを使って数値で比較してみよう。
このソフトでは画面全体を平均して評価するため、画質の均一性が高くないと良い数値は出ない。中心は良いけれども周辺が悪いレンズだと平均値を下げてしまう。そのことも念頭に置いてデータを見ると面白い。
使用カメラ:PENTAX K-30
18mm比較
※SIGMAは広角端が17mmなので正確に18mmにできず、撮影データ上は19mmとなった。
SIGMA 17-50mmF2.8EX DC 19mm
SIGMA 17-50mmF2.8EX DC 19mm f5.6
画像解像度:2812 LW/PH
光学解像度:89.6 LP/mm
ナイキスト周波数に対する割合:86.15%
実効画素数:11.94 Mpixels
前の記事でも書いたが、このレンズの広角側は恐るべき数値を叩き出す。ナイキスト周波数比で80%を超える数値は他のカメラやレンズの組み合わせでもまず出てこない。最高クラスの解像度と言って間違いない。
PENTAX DA-L 18-55mmF3.5-5.6AL 18mm
PENTAX DA-L 18-55mmF3.5-5.6AL 18mm f3.5
画像解像度:2000 LW/PH
光学解像度:63.7 LP/mm
ナイキスト周波数に対する割合:61.27%
実効画素数:6.04 Mpixels
PENTAX DA-L 18-55mmF3.5-5.6AL 18mm f5.6
画像解像度:2158 LW/PH
光学解像度:68.7 LP/mm
ナイキスト周波数に対する割合:66.12%
実効画素数:7.03 Mpixels
PENTAX DA-L 18-55mmF3.5-5.6AL 18mm f8
画像解像度:2204 LW/PH
光学解像度:70.2 LP/mm
ナイキスト周波数に対する割合:67.52%
実効画素数:7.33 Mpixels
こちらはf3.5~f8で検証してみたが、18mm側では一応f8が最も良いようだ。それでもSIGMAの数値には遠く及ばない。よく見ると微妙に画角が違っているようだが、ここまで圧倒的な差があれば疑いの余地はない。実際、目視で確認すると明らかに解像感が異なる。周辺だけではなく、中心の解像感もSIGMAの圧勝である。
50mm比較
SIGMA 17-50mmF2.8EX DC 50mm
SIGMA 17-50mmF2.8EX DC 50mm f5.6
画像解像度:2392 LW/PH
光学解像度:76.2 LP/mm
ナイキスト周波数に対する割合:73.28%
実効画素数:8.64 Mpixels
こちらも撮影データ上は同じ50mmだが、微妙に画角が違っていて、PENTAXの方がわずかに画角が狭いようだ。その影響もあるのかもしれないが、何と負けてしまった! 像倍率が大きい方が解像度には有利に働くので、それを差し引けばほぼイーブンか? 前の記事ではほぼ同じ構図で2806LW/PHが出ていたので、ちょっと解せない結果だ。よく見るとピントがちょっと甘かったかもしれない。
PENTAX DA-L 18-55mmF3.5-5.6AL 50mm
PENTAX DA-L 18-55mmF3.5-5.6AL 50mm f5.6
画像解像度:2274 LW/PH
光学解像度:72.4 LP/mm
ナイキスト周波数に対する割合:69.67%
実効画素数:7.81 Mpixels
PENTAX DA-L 18-55mmF3.5-5.6AL 50mm f8
画像解像度:2584 LW/PH
光学解像度:82.3 LP/mm
ナイキスト周波数に対する割合:79.17%
実効画素数:10.08 Mpixels
PENTAX DA-L 18-55mmF3.5-5.6AL 50mm f11
画像解像度:2362 LW/PH
光学解像度:75.2 LP/mm
ナイキスト周波数に対する割合:72.37%
実効画素数:8.42 Mpixels
こちらはf5.6~f11で検証してみた。一応f8で最も良くなるようだ。そしてこのときはSIGMAを上回っている。ただSIGMAの方はピント合わせをちょっと失敗した可能性もあり、必ずしも勝っているとは思えない。まあほぼ互角の勝負と思っていいだろう。
以上より、広角側ではSIGMAの圧勝、望遠側ではほぼ互角という結論が得られた。目視で確認しても確かにそうなのだ。DA-L 18-55mmの望遠側は確かに良い描写をする。ただし開放f5.6では甘いため、f8まで絞らないと最高性能は出ない。結果的にSIGMA 17-50mmとは絞り1段分の差が出てしまう。暗所ではこの差は大きく響いてくるだろう。
それにしても広角側でこれほど圧倒的な差が出るとは思わなかった。この結果を見てしまうと、やはりDA-L 18-55mmは使う気が失せた。一応誤解のないように書いておくが、DA-L 18-55mmの広角側もナイキスト周波数比で60%以上出ているから、特別悪いというわけじゃない。でも良くもない。優良可不可で言えば、可のレベル。それ以前に、レンズを付け替えてみるとファインダーの暗さに愕然とする。一度大口径に慣れてしまうともう元には戻れないのだ。それは歴史が物語っている(爆)。結局、K-30はこのデカレンズとの組み合わせじゃないと意味をなさないのだろう。まだテストしてないけど、DA-L 18-55mmとの組み合わせだとたぶんE-PL2とキットズームの組み合わせに負けると思う。そうなるとまたD7000と同じ運命をたどるのか・・? 結局でかさが仇になってマイクロフォーサーズの出番ばっかりになってしまうのだ。
だからK-3は白紙撤回。次の本命はマイクロフォーサーズになる可能性が・・
コメント
面白い比較ですね
自分も17-50を使ってますが価格からすれば相当いいレンズですよね
>ぴらしさん
はじめまして。
これを使ったら純正のキットズームは使えません。
今の値段じゃ買わない方が損ですね。(笑)