PENTAX K-S1についてほざいてみる

投稿日:2014年8月29日 更新日:

デジタルカメラ

実はPENTAX K-S1のことを知ったのはほんの3日ほど前で、名前がよく似ているからQ-S1と勘違いしていた(笑)。昨日正式発表されたばかりなので、一応ペンタックスユーザーとしてはグチグチ言わないわけにはいかないだろう。新製品ネタでアクセスを稼ぐには早い者勝ちだからね、異例の連投だ。(笑)

K-S1といえばもっぱらデザインについて巷では賛否両論が分かれているようだが、ぱっと見て違和感を覚えるのは、ミラーレスと一眼レフを合体させたような変なデザインだからだろう。フィルム時代はむしろこういうフラットなデザインが普通だったのだが、大きく出っ張ったグリップを見慣れた今、どうしても奇異に映ってしまう。まあK-01ほどの「やっちまった感」はないんだが、このデザインに抵抗を覚える人も少なくないだろう。ペンタックスらしいといえばそうなんだが、何でもっと普通のデザインにできないんだろう? K-30もデザインが普通だったらもっと売れただろうに、ペンタックスはいつもデザインで損をしている。

正式発表前のリーク情報では詳しいスペックまで明らかにされていなかったから、その外観からもしかするとペンタ部はただのハリボテでEVFを内蔵したK-01の後継機なのかもしれないと勝手に想像していた。しかしフタを開けてみるとごく普通の一眼レフだった。

それでこのK-S1、外観はちょっとクセ者なのだが、その中身は結構真面目なようだ。まずひときわ大きく見えるペンタ部だが、ファインダー倍率0.95倍を誇る視野率100%のプリズムファインダーとなっている。このスペックはまさにK-3と同じであり、おそらく同じユニットを使っているのだろう。とすれば凄い大盤振る舞いだ。エントリー機でこんなことをやられてはニコンやキヤノンはたまったものではないだろう。というかK-3の立つ瀬もなくなる。これだけでも大いに買う価値ありと言える。

そして次に注目すべきセンサー部は2000万画素ということだが、最近のトレンドにしたがってローパスフィルターレスであり、何とK-3と同じローパスセレクターまで搭載している。エントリー機にそこまで投入してくるとは正直言って驚いた。K-50の1600万画素ともK-3の2400万画素とも違う2000万画素センサーだから、どこが作っていてどのくらいの高感度性能を持つのかは興味のあるところである。

その他、AFユニットはK-30/50と同じものが使われているらしく、シャッター速度も1/6000秒だからやはりK-30/50と同じユニットだろう。大ざっぱに言えばファインダーはK-3を流用し、AFやシャッターユニットはK-30/50のものを流用して新しい機種を作ったということだろう。ペンタックスはこういう使い回しが得意だねえ・・(笑) まあ、だから安く作れるんだろうけど・・

あとK-S1の売りとされてるのが「ボディライト」と称するLEDなんだけど、それって自慢するほどのものかい? なんかこれを見ると昭和40~50年代に流行った「電動フラッシャー付きスポーツ自転車」を連想してしまうんだ(笑)。最初は何のためにあるのか?、まさか飾り?かと思ったが、グリップ部のLEDは顔認識で認識された人数やセルフタイマーのカウントダウンのため、またシャッターボタン周りのLEDは静止画と動画を区別するために光るらしい。一応機能はあるんだ(笑)。でもそれってそんなに大事なものなのか? たぶん使わない人は一生使わないだろうし、なくても全然困らない。そういえばフィルム時代になんか光るカメラがあったような気がするが、ペンタックス伝統のお遊びなのか・・。そういうバカバカしさがいいんだよと言う人もいるだろうが、無駄に電池使うなよ!と言いたい。(爆)

デザイン上もう一つ見慣れないのは背面の十字キーの周りに配置されたモードダイヤルだろう。おそらくここにモードダイヤルを持ってきたのは業界初ではないか? でもここへ持ってくる必然性がまったくわからない。単に業界初になりたくて奇抜さを狙ったとしか思えない(笑)。これを見ると昔まったく売れなかったMZ-Sを連想しちゃうんだな・・(苦笑)。モードダイヤルがあんなに大きいと回転角が大きくて回しづらそうだし、十字キーも操作しにくくなりそうな気がする。その代わり軍艦部には電子ダイヤルが鎮座しているようだが、何で従来通り埋め込み式にしなかったのかも不思議。モードダイヤルがないと軍艦部がスカスカで格好が付かない。

K-50と比較すると、電子ダイヤルが1つなのが大きな違いか・・。あと電子水準器がないのと、自動水平補正などの機能もなさそうだ。水準器がないのは痛いなぁ。あ、防塵防滴もないのか・・。でもスペック的にはK-50をほぼ上回っている。重量は558gとK-50より100g以上軽いのはエラい! ペンタプリズム使用でここまで軽いボディーって初めてじゃないか? 小型軽量を重視する人には魅力的なモデルになるかもしれないなぁ・・

ペンタックスはK-50の後継ではなく新ラインだと言っているが、スペック上はK-S1の方が良く見えるからセールス的には実質的な後継ではないか? この状況でK-50を売るのは難しいはずだ。当面はK-50も併売するけど、在庫が払底次第フェードアウトということになるのだろう。そういえば久しぶりにK-50の価格を覗いてみたら、何とダブルズームキットが48,000円台になっていた! げっ、K-30より安いじゃないの・・。すでにK-50の在庫一掃セールが始まったということだろう。K-50って出た頃はK-30のせいでまったく売れなかったし、やっとK-30の在庫が捌けたかと思えば今度はK-S1の登場でまた売れなくなる。ほんとにK-50って不遇なモデルだよなぁ・・。というかペンタックスは商売が下手すぎ!

総括すれば、デザイン的に受け入れられない人がいるだろうけど、中身は質実剛健で正統な進化形といえるだろう。でも欲しいかと言われれば微妙だよなぁ。少なくとも出始めの価格では買えるようなものじゃない。やっぱり1ダイヤルではメイン機としてはちょっと辛い。軽いのでサブとしてはいいだろうけど・・。まあK-01みたいに半年くらいで暴落すればお買い得と言えるかもしれない。センサー性能は未知数だが、何と言ってもファインダーだけはK-3と同等なのだから、値段次第ではコストパフォーマンスの高いモデルになるだろう。

K-30からわざわざ買い換えるようなものではないし、あと2年ほど待てばK-3も6万円台になるだろうから、自分には縁のないカメラだ。それよりはK-50の真の後継があるのかないのかが気になるところである。

-デジタルカメラ
-

Copyright© DEJA VU ~いつか見た光景~ , 2024 All Rights Reserved Powered by STINGER.