オールドレンズ遊び – ZUIKO MACRO 50mmF3.5

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現在、手持ちのZUIKO標準では50mmF1.8と50mmF3.5 MACROの2本を所有している。このうち特に実用性が高いのはマクロの方だ。開放F値がF3.5と決して明るくはないレンズだが、フィルム時代から描写には定評があり、デジタルで使用しても非常に安定した描写性能を示す。50mmといってもマイクロフォーサーズで使うと100mm相当の中望遠マクロになってしまうわけだが、この焦点距離は草花や昆虫を撮るのに最も適しており、マクロの王道とも言える。また135判で使うと最大倍率が1/2倍までなのだが、マイクロフォーサーズでは縦横半分にクロップされるため、等倍相当のマクロになる。したがってマクロレンズとして非常に美味しいところを突いているのだ。

それではまず定番の遠景解像力テストからやってみよう。下の写真が全体図で、ピントは中央の大木に合わせてある。

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そして絞りを変えながら3枚撮影した。中央部分の木を切り出したものを以下に示す。いずれもクリックすると等倍で表示する。

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f3.5

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f5.6

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f8

このレンズも開放では若干フレアが残り、少し滲んだような描写をする。しかしピントの芯そのものはしっかりしている。そしてf5.6まで絞るとフレアは完全に解消し、非常にクッキリとした写りになる。f8まで絞っても描写はほとんど変わらない。

なお絞りリングはf3.5の次はf5.6にしかクリックがないので、f4という設定はできない。もちろん途中で止めることも可能だが、一番美味しい絞りはf5.6といえるだろう。

次にマクロレンズだから当然接写のテストはやらなければならない。このレンズは最短で23cmまで寄ることができる。このときの最大倍率がマイクロフォーサーズでは等倍相当になる。下の写真はピントを最短に固定してカメラを前後させてピントを合わせたものだ。クリックするとオリジナルの等倍画像を表示する。

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f5.6

目一杯寄ったら梅の花をここまで大きく撮れる。雄蕊の構造まで見えているのが凄い。さすがはマクロレンズである。

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f5.6

こちらも最大倍率で撮影したオオイヌノフグリ。花の大きさを想像してみるといかに大きいかがわかるだろう。雄蕊がこんな構造をしているなんて普通は気づかない。

以下、作例を示す。いずれもクリックで等倍表示になる。

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f5.6

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f5.6

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f8

最後は遠景解像力のサンプルとして載せたものだ。中央から周辺に至るまで画質の差がほとんどなく、非常にシャープであることがわかる。これはもう現代のレンズにも勝るとも劣らない見事な描写力である。

ということで、オールドレンズというよりは実用品としての価値が高いのだが、ただやっぱりめんどくさい。このくらいの望遠になってくると画面がユラユラ揺れて非常にピントを合わせづらいのだ。たとえEVFがあったとしても、拡大するという操作が非常に煩わしい。やっぱりオールドレンズ遊びには光学ファインダーのあるフォーサーズ機の方がやりやすいと思う。次からは久しぶりにE-620を使ってみるか・・