レンズ

絞りf8

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秋空 2012年10月 E-PL2 / M.ZUIKO Digital 14-42mmF3.5-5.6II

E-620やE-PL2で撮る際、普段は絞り優先オートを常用しているのだが、絞りはほとんどf8で撮っていることが多い。これだと晴天時でISO200なら、シャッタースピード1/500秒が適正露出となるからとてもわかりやすい。たとえば、上の写真もf8・1/500秒で撮影している。それ以外の絞りは、よほど暗いか、近接撮影時に背景をボカしたいときしか使わない。またこれ以上絞るということもめったにない。

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なぜf8なのかというと、被写界深度を稼いでパンフォーカスにすることが目的だ。これも過去のネイチャーの習性なのだが、風景写真というものはパンフォーカスが原則である。人間の眼も一点にしかピントが合わないが、いろんな部分に眼を動かして見ることにより、全体にピントが合っているように錯覚してしまう。だから写真も画面全体にピントが来てないと気持ち悪いのだ。大判カメラの場合はアオリを使ってパンフォーカスにすることができるが、135判の場合はできるだけ絞ることで被写界深度を稼ぐしかない。少なくともf11以上、f16が最も多く、時にはf22まで絞ることもあった。もちろん、ここまで絞ると三脚が必須となる。これで3m付近にピントを合わせれば無限遠までシャープに写る。とにかくボケた写真は許されない。だから自分は今でもボケた写真が嫌いだ。

フォーサーズでありがたいのは、135判に比べて被写界深度が2段分深くなることだ。つまり、今までf16まで絞っていたところがf8で済むようになる。さらにISO感度が200であればシャッタースピードは1/500秒くらいになるから、三脚もまったく不要だ。もっと遅くなったとしても、ボディー側に手ぶれ補正機構があるから、1/15秒くらいまでは耐えられる。風景写真から三脚という悪者を追放したこと、これがフォーサーズの最大の功績だ。ボケないことをフォーサーズの欠点のように言う人が多いが、自分にとってはそれが逆にメリットになる。

ではf8以上に絞ったらどうなるのかというと、それがダメなのだ。f11まで絞ると回折の影響で確実に甘くなる。厳密に言うとf8でもすでに甘くなっていて、フォーサーズではf5.6くらいが最高画質なのだろうと思う。だから自分は絞ってもf10までと決めている。ただフォーサーズも意外と被写界深度は浅く、135換算で50mm以上の標準域の場合、2m付近にピントを合わせてf8まで絞っても等倍で見れば明らかに無限遠がボケている。そういう場合、もっと絞りたくなるのだが、絞りすぎると甘くなるというジレンマのため、せいぜいf10くらいで止めなければならない。

もう一つ絞れなくて困るケースと言えば、滝の撮影だ。よく知られているように、水の流れを白い糸のように写すには最低でも1/4秒より長いシャッタースピードが必要だ。できれば1秒くらいが最も良い。フィルムの場合はf16まで絞ってだいたいそのくらいになったから問題はなかった。ところが、f8までしか絞れないと1/30~1/15秒くらいの一番中途半端なシャッタースピードになってしまうのが困るのだ。このくらいだと飛沫を写し止めることもできないし、流れも表現できないし、最も中途半端な表現になってしまう。その場合、PLやNDフィルターを使用するしか方法がなくなる。

一方、絞りを開く方はレンズの開放絞りで決まるから、オマケで付いてくるような標準ズームだとf3.5からf5.6が限界となる。それも開放だと周辺が甘くなるので、たいてい一段くらい絞って使うから、結局f5.6からしか使わないことが多い。そうすると、フォーサーズで実質的に使える絞りというのはf5.6からf8までのたった一段分になってしまうのだ。もちろん明るい単焦点レンズならば、f2~f8の4段分は使えるから、それなりに絞りによる表現の変化は可能だが、暗いズームの場合は絞りの効果というものはほとんど望めないと思ってよい。事実上の固定絞りみたいなものだ。だから常にf8に固定しておく、そんな使い方で間違いはないのである。

こんな話を長々としてきたのには理由がある。オリンパスが最近発売した「ボディーキャップレンズ BCL-1580」のことを言いたかったのだ。このレンズ、焦点距離が15mm(135換算で30mm)、絞りがf8固定という3群3枚構成のレンズだ。その名の通り、ボディーキャップにレンズを埋め込んだと言っていいくらい薄型で軽い。そして価格が実売5千円程度ときている!

正直このレンズを初めて見たとき、こんな暗いレンズ誰が買うのか?と思った。しょせんトイレンズだから周辺ボケボケで周辺光量落ちバリバリなんだろうなと思った。ところが様々なレビューを見ていると、写りはなかなかのものであるらしい。そうなると俄然興味が出てきた。何せこのレンズをE-PL2に付けるとレンズの出っ張りがなくなって、「一回り大きいコンデジ」くらいになってしまう。パンケーキとは次元の異なる薄さだ。レンズバリアが付いていてキャップ不要、レバーを動かすとバリアが開いてパンフォーカス状態になるという仕組み。自分はいつもf8で撮っているからこれでまったく問題はないのだ。一応、レバーでMFもできるようになっているから、ライブビューで見ながら最短0.3mまで寄ることもできる。さらにオリンパスのボディーなら手ぶれ補正も効くから、少々暗くても1/15秒程度まで粘れる。何とも出来過ぎではないか!

いま使っているMZD14-42mmF3.5-5.6IIは沈胴式なのでそこそこ小型ではあるが、それでもコンデジよりはずいぶん奥行きが増してしまう。しかも使用時にはキャップを外してレンズを繰り出さなければならず、正直この操作がかなりわずらわしい。いきなり撮ろうとして液晶画面に「レンズを繰り出してください。」のメッセージを見ることもしばしばなのだ。だからレバーを動かすだけで即撮影可能になるというのはうれしい。しかもピントを合わせる必要すらない。速写性は大いに向上するに違いない。換算30mmという焦点距離もツボにはまっている。パンフォーカス写真を基本とする自分にはピッタリのレンズのように思えてきた。マイクロにはこれ以上投資しないと思っていたのに、またオリンパスの策略にはまってしまうのだろうか?(爆)

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