7月の末からちょっと旅行に出ていたのだが、いつもながら持って行くカメラの選択には悩む。別に撮影が主な目的ではなかったので、メインはE-PL2としたが、せっかく買ったのでD7000もついでに持って行った。めったに使う機会がないのだから、こんな時にでも使わなければいつ使うのか?ということになる。もちろんこんなことができるのは移動が車だからであり、公共交通機関なら絶対持って行かない。
しかし結果は予想した通り、D7000の出番はほとんどなかった。先日アップした2つのエントリーがそのすべてだ。全部でわずか120枚ほどに過ぎない。デジタルカメラとしてはこの枚数はあまりにも少ないだろう。何しろ中身はほとんど同じようなカットばかりだからだ。別にD7000である必然性はまったくなく、E-PL2で十分なシーンだったが、せっかく持ってきたので無理やり使ったというのが実状。D7000があって良かったと思ったことも一度もない。レンズが36mm始まりだから使いにくいということもあるが、たとえシグマの17-70mmがあったとしても使わないことに変わりはないだろう。
結局、「でかいカメラは使わない」という持論を証明しただけであった。ただでさえ撮影意欲を失うほどのクソ暑さの中、でかいカメラをぶら下げているだけで鬱陶しくなってくる。写りに天と地ほどの差があるのなら別だが、重箱の隅をつつくくらいの差しかないのであれば小さいカメラの方が良いに決まっている。
思うに、一眼レフを欲しがる理由の大半は「見栄」だと考えている。でかいカメラを持っていると何となく偉そうに見えるからだ。それに同じ金を出すならでかいカメラの方が何となく「お得」な気がしてくる。カメラの価値を大きさで比較するのも馬鹿げた話だが、たとえば仮にニコンのD4とライカのM9が同じ値段だったとして、どっちが得か?というと、やっぱりD4の方が圧倒的にお買い得に見えるだろう。まあライカの場合、あの赤丸に存在価値を見出す人はいるだろうけど、それはカメラマニアから見た場合だけであって、カメラに詳しくない一般人から見れば、超巨大なD4の方がはるかにハッタリが効くことは間違いない。
乱暴な言い方をすれば、でかいカメラに憧れるのは青春の象徴ともいえる。若者はでかいカメラを振り回して見栄を張りたい、ただそれだけのことである。それはいいクルマに乗ってカッコつけたいのとも似ているだろう。しかし、おっさんになるほどその見栄がなくなってくる。でかいカメラを持つのがだんだん辛くなってくる。そしておっさんは知っているのだ。でかいカメラも小さいカメラも撮れる写真に違いはないということを・・。それならば小さいカメラの方が良いに決まっている。若者より人生の機微を知り尽くしているおっさんだからこそ、見栄よりも実用性優先でカメラを選ぶようになる。それがおっさんになるほど小さいカメラを好む理由だ。
昨今のミラーレスブームはカメラ女子が火付け役のように言われているが、その主役は実はおっさんだと思う。でかいカメラを持つのが辛くなってきたおっさんにはミラーレスは救世主のように映るだろう。その点、中途半端にカメラ女子を意識しているオリンパスやソニーと違って、おっさんにターゲットを絞った富士の戦略は正しいと思う。最近の富士は凄い。いかにもおっさん受けしそうな渋いカメラを次々と打ち出してくる。まさにおっさんキラーだ(爆)。今の日本で最もカネを持っているのは60代以上のシニア層だから、そこにメインターゲットを持ってきた戦略は当たっているのである。
そこでだ、今後D7000を使うかというと、やっぱり使わないと思う。それは今回の旅行で学習した。だから次からは持って行かない。旅行でも使わないとなると、いったい年に何回使う機会があるというのか? そもそも自分はもう写真なんて真面目に撮ることはない。写真は単なる記録の手段に過ぎないと思っている。だから画質に一定の水準を維持してさえいればカメラなんて何でもいいのだ。レンズ交換式である必要もない。マイクロフォーサーズでさえ大きいと感じているくらいだから、極論すればコンデジだって構わない。今のX20くらいでは少し物足りない気もするが、コンデジの大型センサー化が普通になり、もっと画質が向上すれば本気でコンデジに乗り換えてもいいと思っている。
よって今後のD7000の扱いが焦点となる。まずレンズ購入は見送り。ここでレンズを買ってしまうと後戻りできなくなるから、できるだけ先延ばしにする。本気でD7000が必要と思えるまで塩漬け。今のところ普段は別のカメラを使い、D7000は眠らせておく。そしてもう不要と確信できればただちに売却する。今はいつでも換金可能な投機対象としての使い方?しか思いつかないのだ。
今はカメラより目の前の金が欲しいので、本当ならすぐにでも売りたいところだが、このところD7000の価格が再び下落しているから、今すぐ売ると安値で叩かれる恐れがある。もう少し待って新品在庫が払底し、値上がりに転じたところが売り時だろう。D7000の寿命は長くてもあと3ヶ月だろうと見ている。その間にどれほどの写真を残せるというのか・・?
しかしD7000の本当の効用は物欲抑制ではないか?という気もしている。事実、D7000を買ってからカメラ物欲が完全に消滅した。今はどんなカメラが出てもまったく動じない。それは最高のカメラを持っているという安心感から来るものである。つまり、普段は使わないにしても、D7000が手元にあるというだけで物欲ブレーキになっているのだ。今これを手放したら、また物欲まみれになるのではないか? そう思うとさらに金を失う危険性も孕んでいるのである。(爆)
コメント
えっ!、もうD7000、売却対象ですか!。
旅行は90%以上で車を使うし、日頃のお散歩写真でもズームレンズ1本で撮り切るので、大きさ、重さはさほど気になりません。流石に財力があってもF2.8望遠ズームなんて持ち歩こうとは思いませんが、ボディはある程度の大きさがあった方が好みかもしれません。
手が大きく指が人よりも長くでかく、またファインダーを左目で覗くので、どうしても小さなカメラの小さなボタンやダイヤルってイラッとしちゃうんですよ。これはK-5でもイライラします。K20DからK-7、K-5とコンパクトになってショックでしたもん。
カメラマンのスタイルってホント、千差万別ですね。でも売るのは勿体無いなぁ(笑)。K-5もそうですが、Sonyの1600万画素のセンサーは今後5年以上は使えるレベルですから、今は使わなくても・・・、と思っちゃいます。
>BigDaddyさん
私の場合、「カメラはアウトドア活動の記録用」という特殊事情があります。
登山のように荷物を極度に制限される場合、でかいカメラは文字通り命取りになりかねません。
基本的に写真だけを目的に撮影することがほとんどないですから、どうしても一眼レフの出番は少なくなるんですよね・・
おっしゃるようにSony製の1600万画素センサーは現在最もバランスの取れたセンサーだと思います。
高画素化絶対反対なのでD7100にはまったく興味はありませんし、D7000は今後二度と出ない最高傑作であろうと思っています。
だからこそ何年経とうが他のカメラに目移りすることはないし、10年後でも価値は色褪せないと思います。
ただ、めったに使わないものを飼っておけるほどの余裕はうちにはないのですね。
今は金に困っているので、目の前にある5万円につい手を付けたくなるのです。(爆)