買ってからまだレビューもしてなかったんだけど、もともとE-PL5を買った理由はマイクロフォーサーズ専用の望遠ズームが欲しかったため。今までマイクロじゃない方のZD 40-150mmF4-5.6は持っていて、一応フォーサーズアダプター経由で使うことはできるのだが、AFが遅いのでマイクロフォーサーズ専用が欲しかったわけだ。この2本はレンズ構成が非常に似通っていて、ほぼ同じものと思われるが、よく見ると1枚レンズが多かったりするなど微妙に異なっている。マイクロフォーサーズ用に最適化されたということなのだろう。
ということで、たぶん描写の傾向は同じと思われるのだが、この新しいレンズの性能がいかなるものか実写で検証してみた。この手の望遠ズームを評価するには、近景を撮っても被写界深度の影響で周辺は全部ボケるから意味がない。被写界深度の影響がほぼ無視できる遠景で、しかも性能差が出やすい樹木などの被写体でテストしてみた。トリミングなどめんどくさいことはやってられないので、オリジナルの画像をそのまま掲載する。画像クリックで等倍表示するが、サイズが非常に大きいので注意。
まずワイド端の40mmから。
これが開放なのかと疑うほど素晴らしい描写だ。周辺までまったく崩れがないし、フレアっぽさも見られない。
開放から1段絞るとさらにキレが増したように思える。しかし開放とさほど差がないので、開放でも十分使える画質といえる。f8まで絞ると回折の影響で若干甘くなったので、f5.6がベストの描写だった。
次に中間域の100mm。
これも開放とは思えないほど周辺までシャープ。わずかにフレアっぽさが残るかもしれないが、線の細い写りで文句はない。
f8まで絞るとフレアっぽさも解消され、全体に非常にシャープな描写だ。ただ線の細さは開放の方が良かったかもしれない。
最後にテレ端の150mm。
100mmに比べると若干緩くなったかもしれないが、開放でこれだけ写れば文句はないだろう。周辺でも像の崩れがないのは素晴らしい。手前の細い枝が少しボケてきたのは距離がやや近いためと思われる。
f8, f11の写真も撮っているのだが、手ぶれで失敗したので掲載しない。しかし開放でこれだけ写るのだから、f8まで絞れば描写はおおよそ想像できるだろう。
フォーサーズ版のZD 40-150mmF4-5.6も100mmまでは良かったのだが、150mm端になると開放ではやや甘くなる傾向が見られた。それに比べるとマイクロフォーサーズ版はやはり改良されていて、さらに良くなっていると思う。
以上、予想を上回る好成績だった。とても安物のキットレンズとは思えない写りである。ズーム全域でf5.6が使える。これは凄いことなんだ。300mm相当の望遠ともなると、絞れば絞るほど手ぶれのリスクが増すから、なるべく絞らずに使える方がいいに決まっている。フィルム時代から思っているんだけど、この手の普及型望遠ズームはどうしても望遠端で性能が落ちるものが多い。ズーム全域で満足な描写を得るためには高価なF2.8クラスの大口径望遠ズームを手に入れるしかなかったのだ。
そこで気になるのがPentaxのDAL 55-300mmF4-5.8EDとの比較だ。このレンズも100mmくらいまではまずまず良い描写をするのだが、150mmあたりから明らかに周辺が怪しくなってきて、200mmを超えると周辺はボケボケになってしまう。300mm端ではf11まで絞らないと使い物にならないのだ。
今回めんどくさいので同一条件での比較は行っていないが、このレンズはよく使っているからおおよその描写傾向は把握している。そこで参考までに前に撮った写真と比較してみよう。
smc PENTAX-DA L 55-300mmF4-5.8ED 97.5mm(146mm相当) f8
100mm付近ではまあ悪くはないんだけど、M.ZDに比べるとキレがないと思えるのではないだろうか? しかもf8まで絞ってこの描写だ。念のためシャープネスは同じにしてあるんだけど、細部の解像感がやや弱いように思う。
smc PENTAX-DA L 55-300mmF4-5.8ED 170mm(255mm相当) f7.1
170mmともなるとその差は明らかだ。中央付近は一応解像しているように見えるけど、周辺はボケボケ。まるで手ぶれしたかのような二線ボケが見られる。しかもf7.1まで絞ってこれなんだ。最低f11まで絞らないと使えそうにない。
はぁ~、この結果を見ちゃうと一気にPentaxを使う気が失せた(爆)。誰が見てもわかる歴然とした差。少なくとも望遠はマイクロフォーサーズに完敗。これで満足できないとなると、DA★ 50-135mmF2.8やDA★ 60-250mmF4に行くしかないのだろうか? SigmaのAPO 70-300mmF4-5.6もあまり期待できないしなぁ、だいいち70mm始まりじゃ使いづらい。Pentaxは本当にレンズが弱いんだよ! ボディーは良いんだけどそこが最大の欠点・・
こうなるとPentaxを捨ててマイクロフォーサーズに完全移行、あるいはNikon復帰という線が現実味を帯びてきた。(爆)
コメント
おお!、スゲェ、凄過ぎる!。開放でこれって・・・。150mm開放もシャープじゃなく、明瞭度だけ上げれば十分ですね。
これで来年以降はm4/3に行ってもいいなぁと感じましたよ(買うとしたらGX7なので望遠レンズもブレ補正のあるPanaになるんですが、多分同じくらいの性能でしょう(笑))。
いや、実は最初の一眼レフ、K-mってダブルズームで50-200mmが手元にあったんですが、あまりにも糞描写ですぐに売っちゃったんです(笑)。DA-Lなんで大した金額にはなりませんけど、K20Dを買う足しにはなりました。ただ、今思うと描写もさほど良くないのでしょうが、K-mとのセットではピントがズレていたんだじゃないかと今では思っているんです。
記事上のDA55-300mmも「あれっ?、ピントが合っていない?」、そんなようにも見えますもんね。でも絞り開放ならきっとこんなものでしょう。
記事で書かれているSigma。うちにはTamronとSigmaの70-300mmがあり(SigmaはAPO)、135だとさほど評価は高くないんですが、APS-Cだとやっぱり中央しか使わないのか、開放からビシッ決まるんです(流石に300mm側は絞らないと駄目ですが)。正月にテストしたK-3との相性もバッチリでしたしね。それも考えると中古なら安いですし、135に行く必要性は全くないなと思っています。
ただ、うちはローパスが分厚いK-5なので、Lightroomでもそれなりにシャープは掛けます。この手の風景なら、シャープネス設定で上から60、0.6、50、5くらいでしょうか、明瞭度も+15くらいは掛けますかねぇ。
一眼レフは来年、APS-CでPentax、もしくはNikonの何かを買うにせよ、買ったら3年以上は使う気でいますから、やっぱり今後の機材の充実はm4/3かなと(笑)。
>BigDaddyさん
まさにマイクロフォーサーズ恐るべし!ですね。パナの45-150mmはもっと凄いという噂なので購入されたらレビューお願いします。(笑)
こうやって見るとDAL55-300mmは糞でしかないんですよね(爆)。おっしゃるようにピントが微妙にズレてる可能性もあります。しかし一眼レフの宿命として、どうしてもばらつきがあるんですね。しかも外れててもわからない・・。これがミラーレスだと一発でビシッと決まりますから、それだけでも優位性があるんです。もう本当に一眼レフの歴史的役割は終わったと感じました。
ふむふむ、Sigmaの70-300mmはPentaxよりマシですか・・。これは良いことを聞きました。新品でもむっちゃ安いですからね。もうレンズはSigmaで統一した方が良さそうですね。(笑)
パナの45-150mmを持っていますが何か?。(笑)
まあ、マイクロフォーサーズはゼロからデジタルのための設計がされてますから、その差でしょうかねぇ。
かくいう私はDMC-GF5に14-42mmパワーズームが付きっぱなしで45-150mmの出番が減っているという噂がちらほら。(苦笑)
45-150mmの出番が増えるのは来年春にDMC-GH3を買ってからになりそうです。え?とりあえずGF5に付けてレビューですか?。(汗)
>Kanさん
パナの45-150mmいいなぁ・・(笑)
本当はそれが欲しくてGF6を狙ってたんですけどね、E-PL5の安さに負けちゃいました。(^^;
レビューはGF5でも十分できますよ。遠景で等倍でねって・・(汗)
GH3本当に買っちゃいますか? やっぱり行き着くところはマイクロフォーサーズなんでしょうか。(爆)