2012年10月 E-PL2 / M.ZUIKO Digital 14-42mmF3.5-5.6II
三重県飯高町(現松阪市)の山間に青田(おうた)という廃集落を訪ねた。ここは蓮ダムの建設によって住民が移転し、昭和62年頃廃村となったとされている。大部分はダムの底に沈んだが、上流には水没を免れた集落跡が残っている。現在この地区には林業関係の会社やログハウス風の別荘がいくつか見られるが、それは明らかに後から建てられたもので、当時の集落跡を物語るものはこの瓦屋根の建物ただ一つである。
2012年10月 E-PL2 / M.ZUIKO Digital 14-42mmF3.5-5.6II
廃墟系のサイトへ行くと必ずこの建物が出てくるのだが、かなり奇妙である。どう見ても人家ではない。中央に扉があって、寺の山門か屋敷の門のように見える。これだけ立派な門を構えているとなると、相当な良家だったのだろう。今その本体と思われる部分は草地になっていて何もない。ただこの門だけがポツンと建っているので余計奇妙に見える。中を覗いてみると、物置として使われているようだった。
2012年10月 E-PL2 / M.ZUIKO Digital 14-42mmF3.5-5.6II
中央にはいかにも重厚な扉がある。まるで武家屋敷のようである。
2012年10月 E-PL2 / M.ZUIKO Digital 14-42mmF3.5-5.6II
反対側(というかこちらが表側と思われる)に回ってみても、同じような構造をしている。しかし他のサイトに載っている写真を見ると、白壁がかなり剥がれていて傷んでいる様子だったのだが、それとは様相が異なる。外壁はトタン板で補強され、サッシの窓まではめ込まれているのだ。これは明らかに最近補修されたものであることは確実だ。わざわざ補強までしているということは、まだ使われているということだろう。農地があるわけでもなく、何のために使っているのかまったくわからない。ますます謎は深まる。