2012年9月 E-PL2 / M.ZUIKO Digital 14-42mmF3.5-5.6II
珍しく昨日撮ったばかりの写真から。奈良県下市町にあるこの廃校は何度も訪れていて写真も撮っているのだが、じっくりと撮影したのはこれが初めてだ。少なくとも10年以上前に初めて訪れた時からすでに廃校になっていて、ほとんど変わることなく今まで残っている。しかし、いつ取り壊されるかわからないので、失敗は繰り返してはいけない。
この小学校は丹生川に沿った山あいにあるのだが、その場所に似つかわしくないほど立派な校舎だ。全体で3つの建物があり、西側から順に本館の木造校舎、真ん中に後で建てられたと思われる木造モルタル建ての新棟、そして東側には近代的な体育館もある。これだけの規模だから、かつてはかなりの生徒数がいたものと思われる。この体育館は現在も地域の体育館として利用されている。校庭はきれいに手入れされていて、おそらくゲートボールなどに使われているようだが、校舎は完全に閉ざされており、もはや使われている形跡はない。
2012年9月 E-PL2 / M.ZUIKO Digital 14-42mmF3.5-5.6II
校庭の片隅にあった雲梯。サビがいい味を出している。
2012年9月 E-PL2 / M.ZUIKO Digital 14-42mmF3.5-5.6II
本館の西側を見上げたところ。左端の縦長の窓の部分には階段がある。
2012年9月 E-PL2 / M.ZUIKO Digital 14-42mmF3.5-5.6II
なぜか本館の裏手の方にあったジャングルジム。植物の巣窟と化している。美しい。これは芸術だ。
2012年9月 E-PL2 / M.ZUIKO Digital 14-42mmF3.5-5.6II
本館の西側にある出入口。ここも扉は閉じられているが、窓ガラスが一枚抜けていて、そこから中の様子を垣間見ることができた。左側に見える小屋はトイレ。
2012年9月 E-PL2 / M.ZUIKO Digital 14-42mmF3.5-5.6II
窓から手を突っ込んで廊下を撮影した。選挙のポスター板も見える。こういうとき、ファインダーを覗かずに撮れるミラーレスカメラは便利だ。
2012年9月 E-PL2 / M.ZUIKO Digital 14-42mmF3.5-5.6II
西側にある階段。割ときれいで傷んではいない。
2012年9月 E-PL2 / M.ZUIKO Digital 14-42mmF3.5-5.6II
こちらは本館の裏手にあるトイレ。そういえば昔の学校はトイレが外にあったものだ。便器も撮ったのだが、食事中の方もおられるだろうから控えておく。(^^; トイレの中は非常に暗く、ISO800に上げても1/3秒しか切れなかった。それでも手ぶれ補正の効果と手を壁に固定したことにより、何とかブレずに撮れた。
2012年9月 E-PL2 / M.ZUIKO Digital 14-42mmF3.5-5.6II
本館の中央部を見上げたところ。
2012年9月 E-PL2 / M.ZUIKO Digital 14-42mmF3.5-5.6II
そしてこれが玄関。板で厳重に封鎖されていて中を窺い知ることはできない。
2012年9月 E-PL2 / M.ZUIKO Digital 14-42mmF3.5-5.6II
木造校舎でも後に窓枠がサッシに変わっていることが多いが、このように木枠のままの校舎は格式が高い。窓が汚れているので、ここから中を撮るのは難しそうだ。
2012年9月 E-PL2 / M.ZUIKO Digital 14-42mmF3.5-5.6II
二階の窓を見上げる。白い壁が美しい。
2012年9月 E-PL2 / M.ZUIKO Digital 14-42mmF3.5-5.6II
本館東側から玄関を見る。長い年月が刻み込んだ壁の風合いが何とも言えない。
2012年9月 E-PL2 / M.ZUIKO Digital 14-42mmF3.5-5.6II
本館と新棟の間の部分。朽ち具合が見事である。手洗い場も見える。
2012年9月 E-PL2 / M.ZUIKO Digital 14-42mmF3.5-5.6II
手洗い場。後ろに見える窓から中を覗き込みたかったのだが、でっかい蜘蛛がいて近寄れなかった。(^^;
2012年9月 E-PL2 / M.ZUIKO Digital 14-42mmF3.5-5.6II
新棟の外観。ここには理科室や音楽室があったと思われる。
2012年9月 E-PL2 / M.ZUIKO Digital 14-42mmF3.5-5.6II
新棟の玄関。絡まるツタが美しい。
2012年9月 E-PL2 / M.ZUIKO Digital 14-42mmF3.5-5.6II
西側の割れた窓から新棟の中を撮影した。作曲家の肖像が掲げられているので、音楽室だったのだろう。机などはすべて撤去されて空っぽだ。
2012年9月 E-PL2 / M.ZUIKO Digital 14-42mmF3.5-5.6II
新棟の東側。窓がすべて割れていて、ここから中を撮影した。
2012年9月 E-PL2 / M.ZUIKO Digital 14-42mmF3.5-5.6II
新棟の廊下。こうやって見ると意外に新しい感じがする。右側に物入、資料室、用務員室、左側に理科室と音楽室があった。
2012年9月 E-PL2 / M.ZUIKO Digital 14-42mmF3.5-5.6II
かなり崩壊が激しい。床も抜けてしまっている。
久しぶりにワクワクする撮影であった。1時間近く、じっくり撮ってしまった。校舎の前には桜の木があって、春にも来てみたい。いつまでも眺めていたくなるくらい美しい校舎であった。
コメント
私も夏季休暇で廃校を撮影してきましたが、木造校舎の魅力は語りつくせませんね。公立学校の場合、寒冷地を除けばどれもほとんど同じ造りなのですが、それでも何度も撮りたいと思ってしまいます。
4枚目の植物と合体したジャングルジムは味があり、9枚目の雰囲気が好みです。またトイレや洗い場と言った水場、これまた何故か魅力があるんですよね。
>BigDaddyさん
こんにちは。
木造校舎をリアルタイムで体験した者としては、文句なしにノスタルジーの対象なんですね。
学校というのは地域の中心的な存在ですから、廃校になってもどこか人々の心の拠り所になっているように思えてなりません。
あのジャングルジムを見つけたときは感動しましたよ。まさに自然に還りつつある姿を具現化した現代アートです。
水回りはなぜか子供時代の記憶を呼び起こす魅力がありますね。
[…] なかったのではないだろうか? それで思わず購入してしまった。以前取材した奈良県の丹生小学校が収録されていてうれしくなったことも一因だ。 廃墟の中でも廃校、とりわけ木造校 […]
[…] それよりも今年の狙い目は以前取材した旧丹生小学校の校庭に咲く山桜だ。何かの本で紹介されているのを見たことがあるのだが、もはや子供達を迎え入れることもなくなった寂しげな […]