D7000のレンズ選びに悩む

投稿日:2013年7月6日 更新日:

レンズ

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左からAF-S Nikkor 24-85mmF3.5-4.5G, AF Nikkor 24mmF2.8D, Kenko MF19-35mmF3.5-4.5

清水の舞台から飛び降りてD7000を買ったはいいが、レンズまで資金が回らないので当分お預け。とりあえず手持ちのレンズから使うしかない。理想を言えばシグマの17-70mm F2.8-4 DC MACRO OS HSMが第一候補なのだが、まだ売る可能性が十分に残っている中で追加投資は許されない。手持ちのレンズはすべてフィルム時代のものだからDX機で使うと画角が中途半端になってしまうが、その中で取っ替え引っ替えしながら使えそうなものを探してみた。


まず手持ちのレンズの中で最も新しく、D7000と相性が良さそうなものといえば、AF-S Nikkor 24-85mmF3.5-4.5Gがある。135換算では36-127mm相当となり、広角側が少し物足りないが、望遠側はこれだけあれば十分だ。とりあえず1本持ち出すとすれば、一番便利であることには違いない。これはF80sと同時に購入したものだが、超音波モーターを内蔵した高速AFが売り物で、当時としては最新鋭のスペックを誇っていた。当然フィルムでは非常に良く写るレンズだと思っていたのだが、デジタルで使ってみるとどうだろうか?

デジタルで使ってみて初めて気付いたのだが、このレンズは開放で周辺が非常に甘い。それも右側より左側で極端にボケる傾向がある。これはおそらく片ボケか、それとも像面湾曲だろうか? とにかく開放では中心以外は使い物にならず、f5.6まで絞ってもまだ周辺が甘い。f8まで絞ってようやく使えるといった感じである。光量が十分な状況ではできればf11までは絞りたいところだ。切り抜いたりするのが面倒なので、フルサイズの画像をそのまま貼っておく。これは24mm端での撮影、Lightroom4で現像している。

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D7000 / AF-S Nikkor 24-85mmF3.5-4.5G ISO100 f5.6 1/500s(クリックで拡大)

絞り値はf5.6なので周辺が甘いが、左端に比べて右端は意外とシャープなこともわかるだろう。

次に常用レンズとして考えられるのは24mmF2.8Dだ。これは135換算で36mm相当となるから、自分の最も好きな画角であり、オールマイティーに使いやすい。この組み合わせだとそんなに重くはないから取り回しもしやすい。なおこのレンズはモーター非内蔵のタイプだから、D5100ではAFが効かず、D7000にしたことが生きてくる。上の写真とほぼ同じ範囲をやはり絞りf5.6で撮影した結果を下に示す。

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D7000 / AF Nikkor 24mmF2.8D ISO100 f5.6 1/500s(クリックで拡大)

このレンズも24-85mmほどではないが、やはり開放では周辺が甘い。ただし極端な片ボケというのはない。さすが単焦点レンズだけあって、f4まで絞れば周辺まで使い物になり、f5.6で十分なシャープネスが得られる。ただそれ以上絞っても単焦点レンズらしいシャープさというものは感じられず、24-85mmとほぼ互角のレベルである。上の写真と比べても明確な差異は認められず、右端は逆に24-85mmの方がシャープに見える。

単焦点の安定性とコンパクトさをとるか、ズームの便利さをとるか、悩ましいところではあるが、いずれにせよ36mm始まりというのは中途半端である上に、フォーサーズで撮ったときの「目の覚めるような解像感」が感じられない。どっちにしろボンヤリとしている。写りが良ければ少々大きくて重くても持ち出す価値はあるのだが、フォーサーズより写りが落ちるのに不便で重い物を持ち出す動機には乏しい。それならば開放からバリバリにシャープなシグマ19mmF2.8を付けたE-PL2をぶら下げている方がよっぽど快適なのだ。

あと36mmで広角が足りないときには、ケンコーのMF19-35mmという超広角ズームを使う手がある。これはたしかコシナが最初に出したもので、その後トキナーブランドに引き継がれ、最終的にはケンコーブランドで発売されたものだ。もともと廉価版の超広角ズームとして売り出したものだが、2年前に激安で新品をゲットした。ただ結局フィルム数本を撮っただけで、それっきり使わなくなって放置されていた。フィルムではどうも眠くていまいちピリッとしない印象だったのだが、これがデジタルで使ってみると意外なほど良く写るのである。広角端19mmで28.5mm相当となるが、開放から破綻のない写りを見せる。厳密に見ると若干フレアが見られるが、f5.6まで絞ると全域にわたって完璧な写りとなる。とても1万円そこそこの激安レンズとは思えない。この手の超広角ズームは一般的に広角側が落ちるのが普通だが、このレンズに限っては19mm端が最も良く、逆に35mm端はあまり良くない。したがって、このレンズは19mm専用と思って使うのがよいだろう。

まあ単焦点28mm相当でこのデカさというのはあり得ないし、わざわざレンズ交換というのもめんどくさいから実際にはあまり使う機会はないと思う。どっちにしても中途半端だ。

あともう一つ、シグマの70-200mmF2.8 EXという望遠ズームがある。これはいわゆる大砲系レンズであり、超音波モーターを搭載した高性能版ではあるが、いかんせんデカすぎる。スポーツ撮影でもやらない限り、使い途はないだろう。

こうやって一つずつ可能性を潰していくと、残るのは50mmF1.4Dしかない。

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D7000 + AF Nikkor 50mmF1.4D

このレンズは一度売った後に買い戻して結局使っていなかったのだが、さすがは大口径レンズだ。開放f1.4ではビックリするほどフレアが出て、まるでソフトフォーカスレンズみたいなフワフワの写りになってしまう。f2まで絞ってもまだフレアっぽさが残る。f2.8まで絞るとやっとカチッとした写りになる。そしてf4まで絞るとさらにシャープさを増し、f5.6で最高性能に達する。f5.6で撮った時のシャープさは鳥肌が立つほどだ。いかにも大口径レンズらしい描写の変化を見せる。実用絞りはf2.8と考えられるが、フォーサーズより画面サイズが大きい分、それでもかなり大きなボケが得られる。つまりフォーサーズでは得られないボケを楽しむためには、50mmF1.4DとD7000という組み合わせを持ち出す意味が出てくる。ボケ専用レンズだ。これ以外に実用的な組み合わせを見い出せない。

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D7000 / AF Nikkor 50mmF1.4D ISO200 f8 1/250s(クリックで拡大)

ここまで絞っちゃうと大口径の意味がなくなるが、このシャープさは凄いと思う。瓦屋根や板壁の質感など鳥肌ものだ。ここまで写って初めて重量物を持ち出す意味が出てくる。ということは、今のところD7000には50mmF1.4Dを付けっぱなしにするしか使い途はないということか。レンズが買えるまでたぶんほとんど使わないだろうし、それまで売らずに我慢できるか難しいところである。(爆)

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