PENTAX K-3 動体AF性能と高速連写性能テスト

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※リコーイメージングのモニターキャンペーンでお借りしているK-3を使用してレビュー記事を書いている。同じくモニターに当選された「So What? ~ 写真生活」のBigDaddy氏も新たなレビュー記事「Pentax K-3 レビュー その4 初めてそれを使った日」をアップされたので参考にされたい。

ペンタックスを選ぶのは比較的ネイチャー系のカメラマンが多いと思うが、K-3の連写速度は最高8.3コマ/秒まで対応しており、競合機種と比べてもかなり優れている。たとえばNikon D7100では最大6コマ/秒であるし、14bit RAWモードでは5コマ/秒まで落ちるという制約が付く。しかもすぐバッファが一杯になってしまうという不満をよく聞く。その点K-3はJPEGで最大60コマ、RAWで23コマまで撮れるのでバッファフルの心配は少ない。24MP機としてはかなり優秀であると言えるだろう。

ただペンタックスは昔からAFが弱いと言われており、動体撮影を専門にするようなカメラマンが積極的に選ぶ動機には欠けるように思う。動体が主体なら迷わずニコンかキヤノンを選ぶというのが定説だろう。確かに連写性能がいくら優れていてもAFが追従してくれなければ意味がないのだが、本当に噂ほどダメなのかは自分で試してみないとわからない。そこでめったにやらないAF-Cでの高速連写をテストしてみた。

テストの題材としては近付いてくる電車を撮影してみた。ただし普通電車だからスピードは遅い。その点は割り引いて考えるように(笑)。ピントの外れをわかりやすくするため18-135mmの望遠端で撮影し、被写体ブレを防ぐためTvモードでシャッタースピードは1/1000秒に固定した。結果的に絞りはf5.6の開放となり、ISOは400前後まで上がっている。また解像感うんぬんはこの際関係ないので、撮影枚数を優先して24MPのJPEGオンリーで撮影した。AFモードはAF-Cとし、測距点は中央を選択してセレクトエリア拡大9点に設定した。ピントは電車の前面を追い続けている。

全部で45枚連写したが、そのうちの1コマ目から6枚おきに選んだものを以下に示す。元画像はあまりにも大きすぎるので、約1/4に縮小した。クリックすると横幅1500ピクセルの拡大画像を表示する。

20140110_095536
1コマ目

20140110_095537-5
7コマ目

20140110_095539
13コマ目

20140110_095540
19コマ目

20140110_095541-2
25コマ目

20140110_095542-3
31コマ目

20140110_095543-4
37コマ目

20140110_095544-5
43コマ目

撮影時刻を見るとおおよそ1秒おきになっているので、実際の連写速度は秒間6コマくらいだろうか? これは様々な条件により変化するので、必ずしも最大値が出るとは限らない。

驚いたことに45枚撮影して等倍で見てピントが外れているとわかるものは1枚もなかった。すべてにピントが合っている。このように直線的に近付いてくる被写体には比較的ピントが合わせやすいのだが、相対的に被写体の動きが大きく被写界深度も浅くなる近距離でもしっかり合っているのは凄い。K-3のAF性能もなかなか捨てたものではないと感心した。測距点が27点に増えたためセレクトエリア拡大9点にしても中央付近だけを捉えられることも効いているだろう。これが従来の11点だと周辺まで拾ってしまうため、背景にピントが行ってしまう恐れも考えられる。

ただ45枚も撮影するとメモリーカードへの書き込みにずいぶん時間がかかるのに驚いた。撮影後1分以上もアクセスランプが点灯したままであった。再生ボタンを押しても砂時計が回ったままウンともスンとも言わないので一瞬フリーズしたのかと勘違いした(笑)。そういうものなのか?

まあ電車のように規則的に動く被写体には問題ないと思えるが、サッカーの試合のように不規則に動く被写体に追従できるかはわからない。しかしバッファも豊富な高速連写性能はK-3の大きな魅力であり、動体を専門とするカメラマンもペンタックスを毛嫌いせずに検討する価値はあるのではないだろうか?