E-620とE-PL2の解像感比較

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E-620とE-PL2は同じ1200万画素センサーを採用しているが、E-PL2以降の機種では従来機種に比べてローパスフィルターが薄くなっていると言われ、解像感が向上しているとの噂がある。E-5で搭載されたファインディテール処理こそ採用していないが、これは密かに期待している点である。それなら一度撮り比べをしてみればいいのだが、これはなかなか面倒である。なぜならレンズを含め、まったく同一の条件で比較しないと意味がないからだ。解像感を比較する場合、センサーよりもレンズの解像力の方が影響が大きいので当然である。しかし、今のところフォーサーズアダプターを持っていないので、フォーサーズのレンズを使ったテストはできない。そこでOM時代のズイコー24mmF2.8を使って比較してみた。マウントアダプターはすでに買ってあった。

画像処理エンジンも含めたカメラ本体の性能比較という意味では、カメラの生成したJPEG画像を比較すべきという意見はもちろんあるだろうが、今はセンサーの純粋な解像感を比較してみたいので、RAWで撮って同一条件で現像することにした。E-620とE-PL2では画像処理エンジンが異なるため、絵作りの方向性も微妙に異なる。それで比較しても解像感の差はわかりにくいと考えられるからだ。

テストではできるだけコントラストの高い晴天正午前の順光条件を選んだ。両方ともISO感度は200にし、ホワイトバランスは太陽光に固定した。ピントは拡大表示を使ってマニュアルで厳密に合わせた。被写界深度をできるだけ稼ぐため、f8まで絞り込んだ。また念のため手ぶれ補正はオフにしている。現像はLightroom4を使用した。

まずE-620の撮影結果から。画像をクリックするとオリジナルのフルサイズ画像を表示する(閉じられなくなった場合はESCキーを押して閉じて下さい)。容量が大きいので注意されたし。

E-620
E-620 / ZUIKO 24mmF2.8

フォーカスは画面中央の草に合わせている。被写界深度の関係で手前側はアウトフォーカスになってボケている。ここでは中央より後ろの木立や稲、屋根瓦に注目していただきたい。


E-PL2
E-PL2 / ZUIKO 24mmF2.8

こうやって同一条件で比較してみて初めてわかったのだが、想像以上に違っていた。もちろんE-PL2の方が明らかに解像感は高い。ぱっと見た感じでもE-PL2の方が細部までクッキリ写っているのがわかるはずだ。E-620の方は一枚ヴェールがかかったように眠い描写になっている。背後の森のモヤモヤ感など歴然としている。これがローパスフィルターの効果なのかと実感した次第である。解像感の差はJPEGのファイルサイズからも明らかだ。E-620では3.69MBなのに対し、E-PL2では4.28MBとなっている。それは解像度が上がって情報量が増えたことを意味している。今では悪玉のように言われているローパスフィルター。E-620の時代は最もローパスフィルターが厚かったと言われており、ズイコーデジタルが誇るせっかくの高性能レンズも威力を十分に発揮できなかったのだ。これが2年間の進化というものかと思った。

それ以外にもこのテストで初めてわかったことがある。たとえば、ホワイトバランスは両方とも太陽光に固定したのだが、E-620は明らかにシアン寄りの発色で不自然であった。それに対してE-PL2の方はほぼ正確な発色である。だからRAW現像の際にE-620はE-PL2に近づけるように色温度調整を行った。それから露出はE-620は明らかにアンダー傾向となった。それに対してE-PL2はほぼ適正かややオーバー傾向。E-PL2の分割測光はなかなか優秀で、ほとんどの場合±0.3EV以内の補正で適正になる。

正直、ここまではっきり差が出るとは思わなかった。これは旧来のフォーサーズファンにとっては少々残念な結果である。なぜならE-PL2と同等の解像感を得るためには現状でE-5を買うしかないからだ。フォーサーズの新機種が出ない以上、旧来ユーザーは今のままの解像感で我慢するしかない。E-5は高すぎてとても買えないし、仮にE-7が出るにしても中級機クラスが出る可能性は低い。願わくばE-三桁機の復活を望みたいところだが、それは望み薄だろう。結局、癪ではあるが、マイクロフォーサーズに流れるしかないのかと思う。

この結果を見てしまうと、今後E-620を積極的に持ち出す理由もなくなってくる。もちろんファインダーがあるから望遠系は扱いやすいメリットがあるが、それ以外の普段使いではE-PL2で十分ということになる。レンズの拡充についても、マイクロフォーサーズが中心になっていくのだろう。フォーサーズの魅力的なレンズをE-PL2で使いたいという気持ちもあるのだが・・。こうなると、最終的にはOM-Dが欲しくなってしまうのが最大の問題かもしれない。(爆)

コメント

  1. […] 感じられなかった。もちろんレンズの違いもあるのだが、実質的に目に見えるような差はないと思ってよいだろう。(後にE-620とE-PL2の解像感比較を行いました。こちらもご覧下さい。) […]

  2. […] には差があるらしく、E-PL2の方が解像感が高いことがわかっている。これは以前「E-620とE-PL2の解像感比較」で検証した通りだ。したがって、純粋にレンズの性能を比較するためには同じ […]