デジタルカメラ

PENTAX K-30 ファーストインプレッション(画質編)

投稿日:2013年12月4日 更新日:

いよいよ本丸の画質編に踏み込むことにする。画質といってもレンズに依存する部分が大きいから、それはまたレンズのレビューで述べるとして、ここでは純粋にカメラ本体に関する部分だけを述べる。

描写性

20131126_132220
18-55mmF3.5-5.6AL 42.5mm ISO100 f7.1 1/250sec Lightroomで現像

百聞は一見にしかずであるから、グダグダと文章で述べるよりはサンプル画像を見てもらった方が早いだろう。上の画像はRAWから現像した16MPフルサイズの画像であり、クリックすると等倍で表示する(閉じられなくなったらESCキーを押す)。

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ひと言で言えば、ペンタックスの絵には情緒があり、立体感がある。数値では表せないきわめて感覚的な表現なのだが、実際にそう感じるのだ。それとは対照的にニコンの絵には情緒がなく、立体感がない。情緒もへったくれもない無味乾燥で立体感に乏しいノッペラボウの絵しか出てこないのだ。結局、カメラを気に入るかどうかはスペックではなく出てくる絵が気に入るかどうかであり、その点でD7000は失格。その日のうちに売り飛ばしたくなった。(爆)

E-620を捨てられないのは出てくる絵に情緒があるからであり、K-30の絵にも同じような情緒を感じる。ペンタックスは未知のメーカーであったが、誰もが口を揃えて言うようにペンタックスの絵には味がある。それがペンタックスから離れられない理由なのだろうと妙に納得してしまった。

K-30は本来2枚あるローパスフィルターのうち1枚を省略しているから、解像感は良いと言われている。他の機種を使ったことがないから比較のしようがないが、確かに解像感はいいのではないかと思う。少なくともD7000よりは良い。おそらくK-5IIとK-5IIsの中間くらいなのだろう。しょぼいキットレンズではあるが、遠景でこれだけ解像していれば十分ではないだろうか。

カスタムイメージ

ペンタックス得意のカスタムイメージだが、残念ながらRAWで撮ると付属のSILKYPIXでは反映させることができない。ほとんど欠陥に近い仕様だが、ペンタックスは自社で現像ソフトを開発する気がないのだろう。K-30でカスタムイメージを反映させるにはRAW+JPEGで撮るか、カメラ内で現像するしかない。

とりあえず風景撮影で使いそうなカスタムイメージを5種類選び、同じRAW画像からカメラ内現像して比較してみた。いずれも詳細設定はデフォルトのままになっている。色合いを見るだけだから拡大はできない。

k30_vivid
鮮やか

k30_natural
ナチュラル

k30_landscape
風景

k30_miyabi
雅(MIYABI)

k30_reversalfilm
リバーサルフィルム

このうちデフォルト設定になっているのは「鮮やか」であり、確かに万人にはパッと見て見栄えのする絵作りになっている。カメラは第一印象が大事だから、見た目のインパクトを重視するのは理解できる。ただ自分にはちょっと派手すぎるように思える。それに比べてナチュラルはずいぶん地味に見えるが、一切誇張をしていないのでおそらくこれが現実に近い色なのだろう。しかしこれだけを見れば普通なのだが、他と比べるとどうしても地味に見えてしまい、ちょっと物足りない気がする。風景は一見「鮮やか」と違いがよくわからないように見える。確かに青空のトーンが深く、風景向きであることはわかる。「鮮やか」と同じくブルー系・イエロー系を強調しているようだが、全体にさらに彩度を上げる傾向にあるようだ。確かにきれいではあるのだけれど、やはり作為的に見えてしまうのが気になる。雅はマゼンタ系・グリーン系を強調することにより古風な雰囲気を演出するらしい。この絵ではあまり違いがわからないが、被写体によっては効果的なこともあるのだろう。リバーサルフィルムは他とは違って明らかにコントラストの高い絵作りだ。色調はベルビアを意識したのだろうか? 色合い的にはこれが一番好みなのだけれども、どういうわけかシャープネス以外の微調整ができないようになっている。これじゃコントラストが高すぎてちょっと使えない。

あれこれ試してみた結果、結局「鮮やか」をベースに彩度を-1に下げ、コントラストとシャープネスもそれぞれ0に下げたものを常用することで落ち着いた。普段の設定はRAW+JPEGにしているが、JPEGは最小の5MPとし、画質も★★に下げている。これなら容量も1MB少々しか食わないので、ほとんど撮影枚数も減らない。こうしている理由は、ブログではできるだけペンタックス色を尊重するためJPEGを採用したいからだ。これでもブログには十分すぎる大きさだし、このサイズなら等倍鑑賞したときの精細感がすばらしい。

次にカスタムイメージの詳細設定であるシャープネスについて見てみよう。すべてのカスタムイメージではシャープネスの設定は±4の計9段階があり、それぞれノーマルシャープネスとファインシャープネスを選べるようになっている。ノーマルシャープネスとファインシャープネスがどう違うのかわからなかったので、また同じ画像をカメラ内現像して比較してみた。次は上で使った写真の中央の小屋付近を等倍で切り出したものだ。クリックすると等倍表示になる。

k30_normalsharp_0
ノーマルシャープネス 0

k30_finesharp_0
ファインシャープネス 0

k30_normalsharp_1
ノーマルシャープネス +1

k30_finesharp_1
ファインシャープネス +1

K-30に限ったことではないのだが、どうもカメラ自身が吐き出すJPEG画像はシャープネスの線が太いように思う。ペンタックスのファインシャープネスは線を太くせずに鮮鋭度を高める処理らしいが、こうやって見るとよりガサガサした印象になってくる。被写体にもよるのだろうが、特に木の葉などのガサガサ感が気になる。少なくともファインシャープネスの+1は自分には耐え難い。よってこの中で一番好みなのはノーマルシャープネスの0ということになる。

比較のためにRAWから現像した場合と比べてみよう。以下はLightroomとSILKYPIXを使い、デフォルトのシャープネス条件でノーマル現像したものである。

k30_lightroom_sharp
Lightroom4で現像

k30_silky_sharp
SILKYPIX Developer Studio 3.0 for PENTAXで現像

やはりカメラ内JPEGとは線の太さが明らかに異なり、こちらの方が精細感が高い。一見眠く見えるかもしれないが、細部まで解像感が残っている。眠いと感じる向きにはLightroomであればシャープネスを40程度まで上げればきわめて精細感のある画像に仕上げることができる。Lightroomの方が微妙に良いようにも思えるが、SILKYPIXも昔から定評のあるソフトだから負けてはいない。パラメータも結構細かく設定できるから、条件次第でもっと良い絵を引き出せるだろう。しつこいようだけど、K-50に付属するSILKYPIXは機能限定版なのであまり細かいことはできない。まだ迷っている人はその点も考慮した方がいい。(笑)

こうやって見ると精細感に欠けるカメラ内JPEG画像はやはりプリント用には使う気になれない。基本はRAWで、カスタムイメージを適用させたJPEGはあくまでも縮小が前提のブログ用ということになるだろう。よってフルサイズのJPEGを保存する必要はまったくなく、5MPの縮小画像で十分なのだ。

高感度特性

20131203_105116
18-55mmF3.5-5.6AL 26.25mm ISO100 f7.1 1/4sec

これまでもK-30の高感度特性はかなり優れていると感じていたが、実際どのくらいまで使えるのか試したことはなかった。そこで超高感度域まで含めて限界を検証してみた。こういう比較では実際に高感度が必要になるような暗い場所でないと意味がないので、昼間でも薄暗い滝を撮影してみた。シャッタースピードが1/4秒であることから、かなりの暗さであることがわかるだろう。上の写真がその全体像だ。

次の画像では、その中の最も暗い右上の部分を等倍で切り出している。葉っぱの部分を見ると解像感の低下がよくわかる。高感度ノイズはノイズリダクションをかけるとごまかされてしまうので、RAWから現像してLightroomのカラーノイズ補正はデフォルトの25、輝度ノイズ補正は0の状態で比較している。これがいわば「素」の状態だ。クリックで等倍表示する。

ISO-105129
ISO400

ISO-105136
ISO800

ISO-105141
ISO1600

ISO-105147
ISO3200

ISO-105152
ISO6400

ISO-105158
ISO12800

少なくともISO400まではノイズは皆無と言っていいレベル。ISO800で詳細に見ると少しノイズがあるかな?と気づくかもしれないが、まず気にはならないだろう。D7000だとISO800まで上げるとかなりノイズが認識できたので、やはり確実に進化している。そしてはっきりノイズを認識できるのはISO1600からになる。それでもISO1600ではまだまだ解像感はしっかりしており、大型プリントまで十分実用になるレベルだ。ISO3200ではザラザラ感が強まり、解像感もやや低下してくるが、A3プリントくらいまでは実用になるレベルだろう。このレベルでもLightroomの輝度ノイズ補正を15くらいにしてやればほとんどノイズは消えてくれるので、個人的にはまだまだいける。そしてISO6400まで上げると解像感の低下が顕著になるが、これでもA4プリントくらいまでは使えるレベルだろう。もちろんブログ使用には何の問題もない。ISO12800はさすがに荒れてくるが、これでもブログ限定なら使えないことはない。

結論として、自分は大型プリントは一切やらないので、個人的にはISO6400まで使えるレベルと感じている。D7000がISO3200で限界だったのを考えると、1段分は向上しているように思う。世間ではペンタックスの高感度特性はAPS-Cで最高と言われているが、確かにニコンより1段分くらい優れている。だからK-5系ではISO51200まで可能なのだろう。ちなみにK-30ではISO25600が最高で、K-50ではISO51200が最高となっているため、画像処理エンジンが微妙に改良されたのではないか?という話もあるが、自分でネット上のRAW画像を詳細に比較してみた結果、両者の差異はまったく認められなかった。したがって、K-50では単に設定範囲を上位機種並みに引き上げたというだけのことだろう。もともとISO25600以上は緊急用以外に使えるレベルではないから、ISO51200なんてあってもなくても同じこと。少なくともそれだけの理由でK-50にこだわることはナンセンスといえる。

こういう結果を見てしまうと、マイクロフォーサーズで高感度特性が向上しただの大騒ぎしているのがアホらしくなってくる。いったい何年遅れ?と言いたくなる。しかもこっちの方がはるかに安い。(笑)

ダイナミックレンジ

デジタルカメラはもともと白飛びに弱いから、ハイライトが飛ばない範囲で露出をギリギリに抑え、シャドウを持ち上げることでダイナミックレンジの拡大を図っている。それをカメラ内で自動的にやってくれるのがシャドウ補正であり、メーカーによって呼び名は異なるが、オリンパスでは「階調オート」と呼んだりしている。ところがオリンパスの場合、パナソニック製のセンサーがあまりにもクソだから、階調オートに設定するとシャドウがノイズまみれになって酷いことになる。したがって階調オートはオフにするのが掟であった。K-30にもシャドウ補正があるが、とりあえずJPEG画像ではオートの設定にしている。さすがにオリンパス機と違ってそれで何の問題もない。

RAW画像の場合、ダイナミックレンジを拡大するにはシャドウをどこまで持ち上げられるかに依存する。つまり大幅にプラス補正をかけた場合にどのくらいノイズが浮き上がってくるかを見ればよいことになる。そこで上と同じ写真を使って、+3EVの露出補正をかけてみた。クリックで等倍表示する。

plus3ev-105116
ISO100に+3EV補正

驚くことに、これでもノイズがまったく見えない。やはりD7000よりも優れている。実際に+3EVも補正するとさすがに不自然になるからそこまで上げることはないだろうが、これだけ余裕があるということは露出を切り詰めて大胆にシャドウを持ち上げても大丈夫ということなのだ。マイクロフォーサーズでハイライトが飛ばないギリギリまで露出を上げるのに神経質になっているのがアホらしくなってくる。(笑)

これだけの性能のものが安い価格で手に入るのだから、本当にマイクロフォーサーズはボッタクリだよなぁと改めて思うのである。(爆)

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