デジタルカメラ

フルサイズ化の流れとマイクロフォーサーズの将来を憂う

投稿日:2012年9月22日 更新日:

秋の新製品ラッシュで各社のニューモデルが一通り出揃った。自分としてはオリンパスの動向が気になるが、目玉は何と言ってもニコンのD600とキヤノンのEOS 6Dであろう。それまでプロや一部のハイアマチュアのものだけであった135フルサイズ機を一気に10万円程度引き下げ、一般人にも何とか手の届くところまで持ってきたのだ。安くなったといってもまだ20万円近くするのだから高嶺の花であることには違いないし、大きさ的にも気軽に持ち歩けるレベルとは言い難い。しかしそれは技術革新によって克服されるのは時間の問題と考えられる。フィルム時代の一眼レフは同じ135フォーマットであってもずっと小さかったし、コンパクトカメラでさえフルサイズだったのだ。デジタルだから馬鹿でかくなるというのは言い訳でしかない。ちょっと前までコンデジに大型センサーは不可能と言われてきたが、ソニーのDSC-RX100で見事にそれをやってのけたではないか。大きさは普通のコンデジと何ら変わらない。やればできるのである。それと同様にフルサイズ一眼レフが現在のAPS-C機並みに小さくなるには何年かかるかわからないが、そう遠くない将来には違いない。その頃には価格も現在のAPS-C機並みに下落しているだろう。

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そうなると入門機も含めて一眼レフはすべてフルサイズに移行という流れも十分予想される。APS-Cは過渡的なフォーマットとして姿を消すのかもしれない。少なくともメーカーはそれを望んでいるだろう。現状で二つのフォーマットが並立することは開発効率が良くないからだ。今回の普及型フルサイズ機の発表はその伏線とも読み取れる。ユーザーが望む望まざるにかかわらず、それはメーカー主導で進められていくに違いない。

そして気になるのはフォーサーズの将来である。現在オリンパスはOM-Dの大ヒットでかつてない勢いに乗っているが、将来フルサイズが主流になったとき、どうなって行くのだろうかという不安がよぎる。まさか新たにフルサイズ規格を立ち上げますなんてわけには行くまい。すでに風前の灯火であるフォーサーズはもちろん、マイクロフォーサーズの行方も決して楽観視はできない。将来的には一眼レフはフルサイズ、ミラーレスはフォーサーズという二極化が起こるとも予想されるが、今度はコンデジ勢との縄張り争いが激化してくる。最近キヤノンのPowerShot G1XやソニーのDSC-RX100が登場したことにより、コンパクトさを求めるユーザーにはコンデジで十分という認識が広がることも予想される。そうなるとマイクロフォーサーズの立場はやはり危うい。せっせとレンズに投資したはいいものの、オリンパスがカメラ事業そのものから撤退して難民化ということにもなりかねない。

もともとフォーサーズはデジタルに最適化した規格として立ち上げられたものであり、その思想には大いに賛同できる。デジタルになったにもかかわらず、未だに135やAPSといったフィルムのフォーマットに固執すること自体がおかしいのである。そもそもはフィルム時代のレンズ資産を流用することが目的だったのだろうが、今売られているレンズはほとんどがデジタル専用に再設計されたものだ。フィルム時代のレンズはデジタルでは性能をフルに発揮することができないから、どのみち置き換えなければならなくなる。それならば初めから135なんてサイズにこだわることもなく、まったく新しいフォーマットを立ち上げてもよかったのである。それを実現したのがフォーサーズだ。135の半分のサイズを採用することにより、画面周辺まで良好な画質を保つことが可能になる。そしてセンサーのサイズが半分になった代わりにレンズの解像力を2倍に上げるという思想で設計されている。レンズの性能を評価する指標としてMTF曲線がよく用いられるが、他社のデータは10本と30本で評価しているのに対し、オリンパスは2倍の20本と60本で評価している。つまりそれだけ高い解像力が保証されているのだ。だからフォーサーズのレンズは小さくても非常に解像感の高い画像が得られる。同じことをフルサイズでやろうとすれば、レンズがものすごく馬鹿でかくなってしまうことは自明で、とても現実的ではない。センサーサイズをむやみに大きくしないということは、レンズ性能を追求する上で有利に働くことは言うまでもない。

では、それでもメーカーがフルサイズ化へ向かうのはなぜか? それは突き詰めれば画素数しかないように思える。OM-D以前まではフルサイズは高感度に強く、マイクロフォーサーズは高感度に弱いというのが常識だったから、高感度を重視するユーザーは迷わずフルサイズへ行くという流れができていた。ところがOM-Dの登場により、状況は一変することになる。実際使ったことがないので本当かどうかにわかに信じがたいが、OM-Dの高感度特性はフルサイズ機と比べても遜色がないという噂である。とすると、少なくとも高感度に弱いという濡れ衣は完全に払拭されたことになる。今までダメだったのは、単にパナソニック製のセンサーがクソだっただけなのだ。ここまで高感度特性を向上させることが可能になったのは、画素数を1600万画素に抑えたことが最も大きいと思う。これがもしフルサイズ機並みに2000万画素超にしたら、また画素ピッチが狭くなって高感度特性が悪くなるのは言うまでもない。つまりフォーサーズでは1600万画素くらいが限界ともいえる。高画素化にはセンサーサイズが大きい方が圧倒的に有利だから、3000万画素級の超高画素となるとフォーサーズは太刀打ちできない。しかし1600万画素で何が困るのだろうか? それだけあればA3に伸ばすには十分であり、一般人はせいぜいそのくらいしかプリントすることはない。3000万画素を超えるような超高画素なんて、A1以上に伸ばすことがなければまったく必要がない。一般人には無縁な話だ。超高画素にこだわらない限り、一般人はマイクロフォーサーズで十分なのである。

というわけで、少し写真のわかる人ならマイクロフォーサーズで十分ということは理解できるはずなのだが、市場の反応は必ずしもそうではない。相変わらず高画素イコール高画質という誤解がはびこっている。写真を知らない素人ほどそうだろう。だからメーカーはどんどん画素数を上げて高画質をアピールしようとする。メーカーも高画素化しかやることがなくなってきたからだ。いずれ5000万画素や1億画素といった馬鹿みたいな超高画素時代が来るのは時間の問題だ。そうなるとマイクロフォーサーズはついて行けなくなる。真似をしようとすると高感度特性が劣化してしまう。かくしてまた歴史は繰り返されるのである・・

今から5年後の勢力図がどうなっているか、未来予想図は誰にも描けないだろう。それはメーカーの思惑と市場の反応のせめぎ合いによってどのようにでも変動し得る。果たしてAPS-Cやマイクロフォーサーズが生き残っているかどうか? 自分はE-PL2で初めてマイクロフォーサーズに入門したのだが、今のところマイクロフォーサーズの交換レンズやアクセサリーの購入は控えている。それは将来を危ぶむことだけが理由ではなく、まだ手放す可能性もゼロではないからだ。一つには、マイクロフォーサーズはボディーが安い割に交換レンズが高価だという問題がある。しかも暗いズームや単焦点がほとんどで、大口径タイプのズームがほとんど存在しない。マイクロフォーサーズはオープン規格だからサードパーティーというのも変なのだが、今のところサードパーティー製はごくわずかで、大部分がオリンパスやパナソニックの純正に限られるところも高価になる要因だ。マイクロフォーサーズであれこれしようとすると、どうしても割高になる。一方、APS-C機でもメーカー純正のレンズは高価だが、サードパーティー製のレンズが複数のメーカーから出ていて、量産効果もあってかなりリーズナブルな価格で手に入れることができる。それならばマイクロフォーサーズへの投資をフリーズして、D5100あたりの安いボディーを購入し、当面の間APS-C機を楽しんだ方がいいのでは?という考えも浮上してくる。自分はフォーサーズより大きなフォーマットを使ったことがないので、APS-C機を使ってみたいという気持ちはある。価格がこなれてきた今がチャンスだと思っているのだ。将来的に消える可能性もゼロではないとは言え、安いのであれば数年使い倒せば元は取れるだろう。それから全部売り払ってフルサイズに移行しても遅くはない。何だかんだ言っても、将来が見えない今、フィルムで遊ぶのが一番安全かもしれない。何と言ってもフルサイズだから。(笑)

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