旧海軍第三火薬廠跡(通称ロシア病院)

投稿日:2017年9月6日 更新日:

廃景


2017年9月 K-S2 / smc PENTAX-DA 18-135mmF3.5-5.6ED WR

3ヶ月ぶりのブログ更新である(爆)。どこも行ってないからネタもないんだけど、写真のモチベーションが極限まで低下している。撮りたいものが何もなく、したがって旅行も行くところがない。目的もなく行ってもしょーがないんだよ。ましてやカメラなど1ミリも興味はない(爆)。どんな凄い新製品が出ようがout of mindである。もはやカメラ関係に投資することはないだろう。

というわけでカメラも旅行もすでに終了となっているのだが、ちょっと遅めの夏旅行に行ってきたので、その時の写真をネタにブログを更新してみる。もはや常連さんは誰も見てないだろうが、不思議とアクセスは減らないんだな(笑)。

今回は前から行きたいと思っていた京都府舞鶴市にある旧海軍第三火薬廠(しょう)跡を探訪してきた。太平洋戦争中、艦船で使用する弾薬などを製造していた軍需工場跡である。廃墟マニアの間ではなぜか「ロシア病院」と呼ばれていて、そっちの方が有名かもしれない。なぜロシア病院なのか由来はまったく謎である。ロシアとの関連性はなさそうだし、ましてや病院ですらない。もともと心霊スポットとして紹介されることが多かったため、その不気味な雰囲気から病院と呼ばれるようになったのだろうか。確かに病院に見えなくもない。そして舞鶴といえば、戦後シベリアに抑留されていた人々が引き揚げてきた港でもある。そんな土地柄からロシアという冠が付いたのではないか?とおおよそ想像できる。ただ実際には心霊現象の報告例があるわけではなく、単なる肝試しスポットとしてもっともらしい名前を付けたのが真相のようである。

戦争廃墟というのは負の遺産ではあるが、整備されて観光地化していることが多い。たとえば大久野島の毒ガス工場跡や友ヶ島の砲台跡などがそうである。しかしここはまったく保存の手が加えられていない天然廃墟である。戦後70年以上経って木材などはほとんど朽ちているが、頑丈なコンクリートの部分はほとんど崩壊することもなく現在も不気味な姿を晒し続けている。非常に稀な存在といえるだろう。実は最近映画のロケに使われたこともあるそうで、ロケ地巡りの案内にも載っていたりする。しかし一般の観光客が訪れることはまずないし、案内標識の類も一切ない。マニアだけが知る聖地である。たぶん地元の人はみんな知っているのだろうが、あえて言わないという感じなのだろうか?

まあ場所自体はGoogleマップで検索すれば簡単に出てくる。しかも先人の写真付き(笑)。市街地からかなり離れた郊外の山の中ではあるが、すぐ近くに某学校があってそんなに寂しい場所ではない。廃墟に通じる道は車一台がギリギリ通れるくらいの未舗装路で駐車できる場所もない。近くの路肩の広い場所に駐車して、そこから100メートルも未舗装路を歩けば廃墟の入口に到達する。


最初に目にするのは、トップの写真をはじめ、左手にあるこれらの建物群である。といっても夏場は大量の草に埋もれて全容を窺うことはできない。気付かずに通り過ぎてしまう可能性すらある。


あまりの草の深さに最初は入口がわからずうろうろしてしまったが、廃墟マニアが数多く出入りしていることからしっかりした踏み跡を見つけることができた。ここがすべての建物に通じる「玄関」である。


建物の中はがらんとしていて残留物などは何もない。


どこにでも落書きする奴がいるもんだ・・


いったん外に出て建物の横に回ってみる。


当時の配管跡が生々しく残る。


建物と建物の隙間の部分には配管がほぼそのままの形で残っていた。


ツルが生えてシュールな光景。


天井は高く、薄暗い。天窓から差し込む光に神秘ささえ感じる。


建物の裏側に回ってみると、さらに奥の方まで別の建物が続いていることがわかる。


これらの規則正しい仕切りは倉庫だったのだろうか?


さらに奥へ進むと竹藪が迫ってくる。2階部分の窓などは病院に見えなくもないだろう。


わずかに残るドアもほとんど朽ちてしまっている。


天井にあったこの機械は何かを吊り下げるものだろうか?


未舗装路をさらに奥へ進むと、394という番号が書かれた小屋があった。いかにも頑丈そうな建物であるが、重要な施設だったのだろうか?


暗号めいた文字が見られる。百合の花がシュールである。ドアは半分開いているが、この中に入るのは容易ではない。

未舗装路をさらに進んでも何もなさそうなので引き返したのだが、もう少し先にはアーチ橋のようなものがあって、もう一つ大きめの建物があったようだ。そこまで行けなくて残念・・。実際にはかなり広い範囲にわたって建物跡が分布しているようだ。

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